命の重さは何でも一緒だと思うが、特定の宗教もない、他の一般の人と信条に大
きな違いがあるとは思えない、この私。もし『蚊の命は大切ですか』と問われたら。
畑にいると、土で手が汚れているのにブーンと蚊が飛んできて、首筋にでも止ま
ってごらんなさいませ。叩くに叩けずイライラ。仏様でもないから蚊に向かって『欲
しいだけ、吸って行きなさい』とは言わない。
それにしても、蚊でも虻でも来たらパンと叩かれてしまう運命にある。今日も、昨
日も何匹かの蚊が叩かれて、この世を去った。ひょっとすると、この私が初めての
獲物で、やっとありつけると思った途端にパンと叩かれたかもしれない。
何のために生まれてきたのだろうか、と言うことになる。それは、何も蚊だけに限っ
たことではないが、考えてみれば哀れな話だ。
この世に、望まれる命と、絶対的とは言えないにしても望まれない命が存在する。
害虫や害獣は望まれないものとして始末されるべきなのか、人と共生していくた
めに、人が不便を容認したり、コストをかけて守ることをすべきなのか。
命の重さ、尊さを問い詰めると、私のような凡人は思考が枝葉末節に飛散してし
まい、どんどんと本筋から外れてしまい、命の事が別のことになりかねない。
再び『命』とは一体・・・・・・と、考え込む、『うーーーん』・・・・と、再び考え込んでし
まう。私には、誰かがいくら論理的に説明してくれても、ストーンと落ちるところが
ありそうにない。
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