国民年金の納付率が60%台に回復したと喜んでいいのか、たったの6割しか払っていないのに制度として維持で
きるのか、どちらに期待すればいいのだろうか。厚生省が発表した昨年度の国民年金納付の中身をよく見てみると、
とても安心できるようなものではなかった。説明では景気回復の兆しが見えてきたこと、滞納者対策の強化により
納付率の向上を強調しているようだが・・・・・
国民年金は会社員が加入する厚生年金とは別の自営業者、農業従事者が主な対象者としていたが近年は無職や非正
規労働の加入者が増加して様相が大きく変化している。従来の加入者は自主的加入の意味合いが強く納付について
もごく当たり前としていたが、無職、非正規の場合は経済的理由から払えないとするケースが多い。
国民年金に加入して所得が低く納付の全額免除や猶予を受けている加入者は全体の1/3に当たる606万人もいる。
国民年金に加入していれば安心だとしきりに説明しているが、1805万人の加入者がいて606万人は保険料を納め
ていないから納付率60%台は見かけの数字で実際の納付率は40%ほどでしかない。
私も詳しい仕組みや状況は分からないが新聞報道などで出てくる数字をよく見てみると、納付率40%の国民年金は
本当に安心していいのだろうかと疑問に思う。こんな心配をすると必ず『国が補償する=税金投与もあるので安心』
ということになる。それでは保険料を払った人は保険料と税金の二重取りされていることになるのではないかと口
角泡を飛ばしたくなる。
労働力の流動性だとか労働者が自由に働ける制度などと説明されているが結局は非正規労働が増え、将来をも不安
にさせているように思う。国民年金の記事の裏に潜むこんなことが諸悪の根源ではなかろうか。