オリンピックが終わると次の開催まで4年、随分長いと思うがその中間にサッカーのワールドカップ開催がある。
大会の形式や主旨は全く異なるものだがサッカー好きな人にとっては2年おきに世界大会があるからたまらない。
今ではこの大会に参加するのは自然な流れのようになってきたが、未だ弱体だった日本のサッカー界にとって出場
は悲願、いや叶わぬ夢だった。初めて出場を果たしたのは1998年のフランス大会で、この頃の日本は中東や中央
アジアの国の選手の体格に力負け、韓国のテクニック、気力に押されアジア枠内に潜り込むことは至難のこと。
フランス大会にして最後の枠を巡り、やっとこさの結果で切符を手にすることが出来た。
それが5大会連続で出場することになり、しかも大会でゴールをあげる事、1勝する事が第1歩だったのにベスト
8以上を目標と口にしても単なるほら吹きとは思われなくなった。
大会に出場する選手は有名なクラブで活躍するスーパースターだから、幾ら有名で活躍している日本選手であって
も、こうした選手たちと試合するとなれば、日本選手が活躍する姿なんて想像できなかった。サッカーは団体の中
で個人技により大きく左右する要素を持つスポーツだから、一人のスーパースターだけが輝いていても強いチーム
にはなれない。かつての日本は三浦知良、仲田英など卓越した選手はいたが全体の底が低かったから、彼らの技量
は限定的にしか発揮されなかった。
近年は日本人の若い人たちが高いテクを身に付けヨーロッパの名門チームで活躍するようになり、外国チームと試
合をする時でも位負けして手も足もでないなんてことは無くなった。FIFAランキングは47位、ワールドカップに
出場しても日本よりもランクが下の国は数か国しかないから、どの国と当たってもランク上の国となる。予選リー
グで同じ組にコロンビア5位、ギリシャ10位、コートジボアール21位がおり、これを真面に受け止めると勝ち目
はないようになってしまうが、いざ試合をすると微妙なバランスによりランキングでは推し計れない力が働き、決
勝リーグへの道もあり得る。
どのスポーツでも幼い時から親しんできたものを技術として身につけ一流のプレーヤーに成長していく。ネイマー
ル、メッシ、ロナウドなどスーパースターと呼ばれる人たちも同様に育ってきたのだろうが、普通とスーパーの分
岐点になるものは何だろうか不思議に思う。
あと2週間もすればワールドカップが始まる。日本の八咫烏(やたからす)がさむらいブルーに幸運をもたらしてく
れることを祈る。