明日10月9日は平成21年に食道・胃がんの手術をしてから5年を経過した最初の日という事になる。当時は日々
の事で精一杯だったから先生の言われた『5年生存率』のことなど眼中になく、検査や治療を追っかけていた。
一言で言えば月並みの言葉『長いようで短い・・・』となる。幸いにも私の場合は然したる不都合に出会うことな
く術後に癌のための加療、投薬は一切なかった事から大幅なQOL(Quality Of Life 生活の質)の低下もなかった。
5年を越えても癌から逃れられる安全地帯に到達した訳ではないし、再発リスクがゼロになったのではないから諸
手を挙げて万歳とはならない。ここが他の病気と大きく異なる点だ。
病気をして悪い事ばかりではなかった。病と闘うアグレッシブな気持ちを芽生えさせ、必ず復活すると自らを奮い
立たせた。当時、自分では安穏とした中、煙草をふかし晩酌で英気を養っていたつもりになっていた。自堕落な暮
らしをしていたのではないが、かつて友が亡くなった時に誓っていた『人生を大切に・・』はかなり薄れていたこ
とは確かだ。
退職して山小屋暮らしを始め一段落、当初の目的を達成してそれまでのようなきちんとした目標がボケていた時期
であったように思う。人生の隙間とはこのような時期を指すのか、身体も同様に癌が共生する土壌を作り続けてい
たようだ。癌は改めて『健康に生きること』の歓びを教えてくれた。
ただ煩悩の塊のような私のこと、聖人のような生き方をすることは出来はしないが、癌と再会するようなことのな
いよう、時々ブレーキをかけながら歩んでいくこととしたい。
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