現代でも人気のある話芸、と言いますと、落語、講談、そして浪曲(浪花節)。
若い人たちに一番なじみがあるのは、落語でしょうな。
「タイガー&ドラゴン」、「ちりとてちん」ねぇ、連続ドラマでも取り上げられやすい。
第一、話がわかりやすいし、気楽に笑える。これは大きい。
ちょっとまじめな話をいたしますというと、この三つのうち、落語がほかに比べて優勢に見える理由というのは別にあろうかと存じます。
それは、「膝栗毛」が200年以上支持されているのと同じく、普遍的な型を持ったフィクションだ、と言うことになるんじゃあないかと、前に論文に書いたこともございます。
一方、講談や浪曲の多くは歴史的な事件や人物に焦点を当てた“ものがたり”なんですが、これはどうにも、もう、昔のことはわからない、と言う若い人がたいそう多い。ちょっと前なら日本人がみんな共通に知ってたお話、と言うのがあったわけですがねえ。
忠臣蔵の登場人物名が読めない、とか、ざらですから、いちいち説明しないと先へ進めないありさま。
そこへ行くと、落語はくまさん八っつあん、ご隠居に与太郎ですから話が早い。
そんなわけで講談や浪曲は分が悪い、というわけなんですが、たとえば講談ではこんなのが出てきましたな。
こういうのやられちゃうと我々は“ぽかん”ですが、若い人はすぐにどの場面だかわかって大受けいたします。
学生に見せて実証済み。
ボーカロイドと文楽やオペラが共演する時代ですから、伝統芸能もこうやって変化していくんでしょう。
私が浪曲を生で見たのはたぶん大学院生の頃で、その頃売り出し中だったのが国本武春。今では大看板。ブルーグラスはやる、歌も三味線もやる。
私が見た頃も新作をやっていたように思いますが、かなり解説的な内容だった記憶があります。
その頃寄席芸人でも歴代浪曲師の物まねで売っている人がいましたね。
でも、もう、そんな名人のまねをされてもみんな知らないから、まぁ、歴史講座を聴いてるようなもんです。
と、前振りが長くなりましたが、玉川奈々福さん。
静岡公演まであとわずか。
“若手”“女流”。
今飛ぶ鳥を落とす勢いと言うのはこの人のこと。
間合いがすばらしい。
話がわかりやすい。
そして、笑える。
ここ、大事ですね。
ちゃんと歴史の話を扱いながら、落語的なおもしろみがふんだんに入っているので初心者でも入っていきやすい。
浪曲、と言うとどうも、暗い話、泣かせる話じゃないかと思ってる人もいるかもしれませんが、そうと限ったわけではないんですねえ。
そして、特筆大書すべきは、相方の三味線、沢村豊子さん。
この方はもう、人間国宝になっていいはずの方です。
昭和の名人たちと渡り合って60年以上のキャリア。
今もお元気なかわいいおばちゃんです(失敬)。
その豊子師匠に可愛がられてるんだから奈々福さんもただ者じゃあない。
今回は、静岡二公演です。
11月18日(月)は清水のスノドカフェ。
19:30開演。
せっかく清水と言うことで、次郎長伝から「お民の度胸」。
森の石松が閻魔堂で殺される前の話。立ち寄った七五郎夫婦の家へ都鳥一家が襲撃しますが、お民が対応し……。威勢よく渡り合うお民は奈々福さんにぴったり。
もう一席、小沢昭一の師匠でもある正岡容原作、「浪花節更紗」。
こちらは私も聴いてませんが、浪曲師の苦労物語だそうで、泣ける話なんじゃないかと。
11月19日(火)は静岡大学の大学会館です。
4コマ目の授業時間を使いますから、14:25開演。一応15:55には終了します。
こちらは古典「むつ間違い」。
貧乏武家の中間(ちゅうげん)の、ちょっとした思い違いからあれよあれよととんでもない大話になって、はらはらどきどき、最後は……。
歴史上の人物が出てきますが、そういうことは全く気にせず、大笑いし、感心して楽しめるお話です。
スノドは20人程度のこぢんまりとしたハコ。
ゆるゆる楽しみながら、交流も出来そうです。
大学会館は最大400人まで収容可能。
ちょっと距離がありますが、せっかく大学でやるので、いろいろレクチャーもあり。
それぞれ、工夫を凝らしてやっていただけることと、私も期待しております次第。
なにとぞ、沢山の皆さまのおはこびをこころよりお待ち申し上げてます。
*なお、演目は現在の予定です。変更の可能性がありますのでご承知おきください。
*大学での公演は、人文社会科学部学部長経費の助成を受けて、学内外の皆さんに無料公開しています。
学外の方も歓迎です。
ただし、学内は駐車場に全く余裕が無い状態なので、自家用車でのご来場はご遠慮ください。
過去のラインナップ……
来年何やるか……。
実は腹案あります。むふふ。
若い人たちに一番なじみがあるのは、落語でしょうな。
「タイガー&ドラゴン」、「ちりとてちん」ねぇ、連続ドラマでも取り上げられやすい。
第一、話がわかりやすいし、気楽に笑える。これは大きい。
ちょっとまじめな話をいたしますというと、この三つのうち、落語がほかに比べて優勢に見える理由というのは別にあろうかと存じます。
それは、「膝栗毛」が200年以上支持されているのと同じく、普遍的な型を持ったフィクションだ、と言うことになるんじゃあないかと、前に論文に書いたこともございます。
一方、講談や浪曲の多くは歴史的な事件や人物に焦点を当てた“ものがたり”なんですが、これはどうにも、もう、昔のことはわからない、と言う若い人がたいそう多い。ちょっと前なら日本人がみんな共通に知ってたお話、と言うのがあったわけですがねえ。
忠臣蔵の登場人物名が読めない、とか、ざらですから、いちいち説明しないと先へ進めないありさま。
そこへ行くと、落語はくまさん八っつあん、ご隠居に与太郎ですから話が早い。
そんなわけで講談や浪曲は分が悪い、というわけなんですが、たとえば講談ではこんなのが出てきましたな。
こういうのやられちゃうと我々は“ぽかん”ですが、若い人はすぐにどの場面だかわかって大受けいたします。
学生に見せて実証済み。
ボーカロイドと文楽やオペラが共演する時代ですから、伝統芸能もこうやって変化していくんでしょう。
私が浪曲を生で見たのはたぶん大学院生の頃で、その頃売り出し中だったのが国本武春。今では大看板。ブルーグラスはやる、歌も三味線もやる。
私が見た頃も新作をやっていたように思いますが、かなり解説的な内容だった記憶があります。
その頃寄席芸人でも歴代浪曲師の物まねで売っている人がいましたね。
でも、もう、そんな名人のまねをされてもみんな知らないから、まぁ、歴史講座を聴いてるようなもんです。
と、前振りが長くなりましたが、玉川奈々福さん。
静岡公演まであとわずか。
“若手”“女流”。
今飛ぶ鳥を落とす勢いと言うのはこの人のこと。
間合いがすばらしい。
話がわかりやすい。
そして、笑える。
ここ、大事ですね。
ちゃんと歴史の話を扱いながら、落語的なおもしろみがふんだんに入っているので初心者でも入っていきやすい。
浪曲、と言うとどうも、暗い話、泣かせる話じゃないかと思ってる人もいるかもしれませんが、そうと限ったわけではないんですねえ。
そして、特筆大書すべきは、相方の三味線、沢村豊子さん。
この方はもう、人間国宝になっていいはずの方です。
昭和の名人たちと渡り合って60年以上のキャリア。
今もお元気なかわいいおばちゃんです(失敬)。
その豊子師匠に可愛がられてるんだから奈々福さんもただ者じゃあない。
今回は、静岡二公演です。
11月18日(月)は清水のスノドカフェ。
19:30開演。
せっかく清水と言うことで、次郎長伝から「お民の度胸」。
森の石松が閻魔堂で殺される前の話。立ち寄った七五郎夫婦の家へ都鳥一家が襲撃しますが、お民が対応し……。威勢よく渡り合うお民は奈々福さんにぴったり。
もう一席、小沢昭一の師匠でもある正岡容原作、「浪花節更紗」。
こちらは私も聴いてませんが、浪曲師の苦労物語だそうで、泣ける話なんじゃないかと。
11月19日(火)は静岡大学の大学会館です。
4コマ目の授業時間を使いますから、14:25開演。一応15:55には終了します。
こちらは古典「むつ間違い」。
貧乏武家の中間(ちゅうげん)の、ちょっとした思い違いからあれよあれよととんでもない大話になって、はらはらどきどき、最後は……。
歴史上の人物が出てきますが、そういうことは全く気にせず、大笑いし、感心して楽しめるお話です。
スノドは20人程度のこぢんまりとしたハコ。
ゆるゆる楽しみながら、交流も出来そうです。
大学会館は最大400人まで収容可能。
ちょっと距離がありますが、せっかく大学でやるので、いろいろレクチャーもあり。
それぞれ、工夫を凝らしてやっていただけることと、私も期待しております次第。
なにとぞ、沢山の皆さまのおはこびをこころよりお待ち申し上げてます。
*なお、演目は現在の予定です。変更の可能性がありますのでご承知おきください。
*大学での公演は、人文社会科学部学部長経費の助成を受けて、学内外の皆さんに無料公開しています。
学外の方も歓迎です。
ただし、学内は駐車場に全く余裕が無い状態なので、自家用車でのご来場はご遠慮ください。
過去のラインナップ……
来年何やるか……。
実は腹案あります。むふふ。
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