羽生結弦選手 応援ブログ~kosumo70

日々の出来事や、フィギュアスケート、羽生選手の情報や感想など。
楽しく羽生選手を語りたいと思います。

イタリアフォーラム・Neveitaliaポッドキャストより

2015-11-11 11:38:11 | 日記
 全日本ツアーです!
 申し込みは、きょうの12時~

 こちらになります。

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 Neveitaliaポッドキャストより

 フィギュアスケート専門ポッドキャスト『Tutti con Ambesi』から

 今回はマッシミリアーノ・アンベージさんに加え、イタリア・ユロスポ解説者の
 アンジェロ・ドルフィーニさん
 (イタリアのフィギュアスケート男子シングル元選手でコーチ)をゲストに迎え、
 先日行われたスケートアメリカでの羽生結弦選手とパトリック・チャン選手の
 戦略と得点内訳を詳しく分析・考察しています。

 とにかく専門的かつマニアックな内容で、ステップの名称、スピンの各ポジション
 の名称など、日本語で言われても分からない専門用語の羅列で何度も挫折しそうに
 なりましたが、何とか頑張って最後まで聴きました。

 でもさすがに長過ぎて逐次通訳は不可能なのでお二人の議論から要点を
 抜粋して要約します。

 ☆ 前回のポッドキャスト翻訳は英語や中国語に翻訳され、中国や英語圏の
  フォーラムやFBファンコミュニティにも投稿されていたようです。

  この素晴しい内容を大勢の人に知ってもらいたいと思って翻訳したので、
  すごく嬉しかったです。
  翻訳して下さった方に感謝します!

  ※ミラノ在住さんのコメントより↑

 「羽生結弦とパトリック・チャンの対決をX線分析する」

 視聴はこちら>>

 ※注 はマッシミリアーノさんの略称です。 はアンジェロさんの略称です。

 マ:この大会の結果は多くの論争を巻き起こしたが、おそらくチャンの
 優勝は妥当だったと思う。一番唖然とさせられたのはフリープログラムに
 おけるチャンと羽生の得点差だった。

 プルシェンコはチャンの得点は過大評価だった。
 特にショートで2つのジャンプ要素でミスがあったにも関わらず80点も
 獲得したのはおかしいと批判している。

 実際には2人とも2つのジャンプ要素でミスを犯したが、パトリック・チャンは
 少なくとも3アクセルの基礎点-3(GOE)-1(転倒の減点)は持ち帰ること
 が出来た。一方、結弦は2つのジャンプ要素が両方ゼロになってしまった。

 (ここで恐怖のザヤックルールについて解説)

 ア:おそらくあの場合、結弦にとってダメージを最小限に抑えられた
 ソリューションは3ルッツを単独で跳ぶことだった。

 コンビネーションに出来ないとCOMB扱いでGOE-3になるが、テクニカルパネルは
 通常、選手により有利になるような判定を下す。
 だから、あの場合、もしかしたら3ルッツがステップからの単独ジャンプ扱いに
 なり、2トゥループがCOMBでGOE-3になっていた可能性もあった。
 結弦はルッツもステップから跳んでいる。

 マ:結弦が4Tを失敗する場合、転倒かステップアウトで抜けることは
 まずなかったから、想定外のミスだったんだろう。

 ア:我々がコンピュータやテレビを見ながら議論するのは簡単だが、
 選手があの場面で咄嗟に判断するのは難しい。

 マ:2つのジャンプ要素でミスのあった羽生のショートのPCSが高過ぎると
 言う者がいたようだが、僕はこの意見には絶対同意できない。

 彼が冒したミスは演技構成点5項目の内、4項目には全く影響を与えない
 タイプのものだった。

 彼が滑った3A、ステップからの2T、コンビネーション3Lz-2Tの
 プログラムでは

 Skating Skills(スケート技術):そのままのクオリティ

 Transition/Linking Footwork(要素のつなぎ):全く影響なし

 Choreography/Composition(振り付け/構成):全ての振付けがそのままで
 変更されることはなかった

 Interpretation(曲の解釈):4Tが無くてがっかりさせられたかも
 しれないけれど、そう言うことで評価が左右される項目ではない

 唯一、影響する可能性があったのは、Performance/Execution(動作/身のこなし)
 だった。

 もし、ジャンプのミスが無ければ45から45.5点ぐらい出ていたのだろう。
 だからこれらの項目における選手のクオリティを評価するこの採点システム
 は正しく機能していたと言える。

 ア:羽生がチャンよりも演技構成点が高かったのは実にシンプルな理由からだ。
 よりスピードがあり、長い助走や待ち時間無しに3アクセルと4トゥループを
 跳ぶことが出来る。

 これは非常に大きなアドバンテージで、より洗練された
 密度の濃いプログラムを作ることが出来た。そして今後、演技構成点は
 もっと上がっていく可能性がある。

 マ:だから羽生結弦がショートで獲得した得点、73.25は妥当である。

 パトリック・チャンは先ほど言ったように転倒した3アクセルで4.50点持ち帰り、
 セカンドジャンプが3Tのコンビネーションを決めたので羽生を上回る得点を
 獲得することが出来た。

 チャンのGOEで目を引くのは転倒した3アクセルで‐1を付けているジャッジ
 がいることだ。
 転倒したジャンプは問答無用で‐3になるはずだから、これは議論しなければ
 ならない評価だ。ただし1人だったから最終的な得点には影響しなかった
 
 (得点は9人のジャッジの1番高い点と1番低い点をカットした7人のジャッジの平均)。

 ア:パトリックの3アクセルは入り方も特に難しくないし、通常転倒は
 マイナス3だから考えられない評価だが、おそらくジャックがボタンを
 押し間違えたんだろう。

 マ:そうとしか説明が付かない。
 -3が並ぶ中で1人‐1というのは嫌でも目を引く。
 パトリックの一番大きなミスは3ルッツがダブルになったことだ。
 彼のフリープログラムに注目すると、失敗のリスクを避けるために
 ジャンプ前のステップや難しいトランジションを極力取り除いたことが分かる。

 でもショートではステップからの単独ジャンプは必須要素だから、
 ルッツの前にステップを入れなければならなかった。

 そして失敗した。

 マ:スケートカナダのフリープログラムは非常にハイレベルだった。
 ソチシーズンと今回のスケートカナダのパトリック・チャンのプログラムを
 比較すると、あることに気が付く。

 彼はハイスピードでジャンプに入れるよう、ジャンプ前の複雑な
 トランジションやステップを全て取り除いた。
 ジャンプのスピードと高さと流れを重視することによって、
 質の高いスケーティングスキル、スピード、滑りの滑らかさが
 際立つ彼のスケートパッケージを確立した。

 ここでいう、スケーティングスキルとは、あくまでのスピードと
 滑らかさという観点についてだ。スケーティングスキル全体を考えた時、
 羽生結弦の方が僅かに上回っているかもしれない。

 勿論、パトリック・チャンのスピードは羽生結弦にはない。
 でもエレメンツ前の難しいトランジション、繋ぎの濃さという点では
 羽生結弦の方が断然難しいプログラムを滑っている。

 だから2人の選手の戦略は正反対と言える。

 基礎点で自分を遥かに上回る羽生結弦にどうやったら対抗出来るのか、
 パトリック・チャンは今大会で答えの半分を出して見せた。

 質の高いエレメンツを決めてクリーンなプログラムを完璧に滑り、
 可能な限り高い演技構成点を稼ぐという戦略だ。

 パトリックはプログラムの繋ぎをジャンプから離れた振付けの中にたくさん
 盛り込んだ。これにより、振付けがより豊かになった。

 ア:振付けに関してはパトリックのプログラムの方が、個性的で独創性があり、
 成熟しているように思った。だから5項目ある演技構成点の内、
 
 Choreography/Composition(振り付け/構成)は
 パトリックの方が高いのはうなずける。

 Skating Skills(スケート技術)と
 Transition/Linking Footwork(要素のつなぎ)はどうか?

 ジャンプの入りが難しく、クロスが少なく、フィギュアスケートの
 難しい足技が多く入っていると、スケーティングスキルの質が高いと評価される。
 これが、君が結弦の方がスケーティングスキルに優れていると言った理由だろう。
 評価の基準はスピードだけではない。

 彼が如何に難しいことを足で行っているか、そして扱いだり、
 クロスを入れずにスピードと滑らかなスケーティングを維持出来るこの選手の
 驚異的な能力は評価されなければならない。
 彼が行うクロスの数はカナダの選手に比べて断然少ない。

 GOEについて

 パトリックは助走のスピードを生かして高さと着氷後に流れがある、
 質の高いジャンプを跳ぶことに焦点を当てた。
 GOEで+2を得るには8項目ある条件

 (入りの工夫、空中姿勢、飛距離、着氷後の流れ、スピード等)の内、4項目を
 満たしていなければならないが、パトリックのジャンプはおそらくこれらの
 内の4つの条件を満たしていたと思う。

 羽生のプログラムの方が断然難度が高く、全てのジャンプの入り方が非常に
 難しくなっているが、入りの難しさはGOEの8つの条件の1つに過ぎない。
 勿論、羽生のジャンプも高さと幅があり、着氷後の流れもファンタスティコだが、
 例えば2本目の4Tのように着氷が完璧でなく、-1が付くと、GOEで差を付けられ
 ていくことになる。

 マ:羽生結弦が行っているジャンプ前の難しいトランジションはGOEだけでなく、
 演技構成点の以下の3つの項目の得点にも反映されるべきだ。

 Skating Skills、Transition/Linking Footwork、
 そしてChoreography/Compositionだ。

 だから彼は演技構成点のこの3項目で高く評価されるべきだった。

 ア:Choreography/CompositionとInterpretationではパトリックに
 軍配が上がった。

 Transitionは僕なら結弦に高い評価を出した。

 Skating Skillsは甲乙つけがたい。

 もはや好みの問題だろう。

 ただし、Choreography/Compositionについて言えば、実際には、4回転ジャンプ3本、
 3アクセル2本を全て異なる入り方で跳ぶ結弦のプログラムの方が、氷上で
 描かれる軌跡と振付けという点においてより豊かな構成だ。

 パトリック・チャンは4回転ジャンプ2本(実際は1本)だが、
 全く同じ軌道、同じ入り方なので多様性に乏しい。

 同じことが2本のルッツにも言える。

 マ:羽生結弦はパトリック・チャンより遥かに難しいプログラムを滑る。

 4Sと4Tの入り方は本当に難しい。

 ア:実はブライアン・オーサーは選手時代、大会の公式練習で他の選手との
 ジャンプ大会をやっていて、結弦のショートの4Tとよく似た入り方、
 全く同じ軌道の4Tを跳んでいた。

 だからショートのキス&クライでブライアンが「あの軌道は好きじゃない」
 と言っているのを聞いて思わずツッコみたくなった。

 「でもブライアン、君と同じ跳び方じゃない?」と(笑)

 マ:羽生のショートの4Tはカーブを描いて跳ぶ非常に難しい入り方だ。
 僕はあのジャンプのミスを何千回となく見返したが、今大会のリンク幅が
 通常より狭かったため、フェンスに近づき過ぎてパンクしてしまった
 のかもしれない。

 それにしても皆が疑問に思うだろう。

 こんなリスクを冒す必要があるのかと

 羽生のショート後半のカーブから入る4Tは振付けに完璧に組み込まれた、
 まさに無の状態から跳んでいるようにすら見えるジャンプだ。

 例えばパトリック・チャンのフリー2本目の4Tは非常に助走が長く、
 しかもトリプルになってしまった。

 Choreography/Composition、Transition、Skating Skills、

 それにGOEについてもこれらを考慮して評価すべきだった。

 これらの項目のクオリティを高めるために、より困難なエレメンツに
 挑戦している選手がここにいるのだから。

 ア:羽生は実に高難度で、多様性があり、独創性のあるエレメンツに
 チャレンジしようとしている。

 多くの選手が長い長い助走から跳ぶ4回転ジャンプでも結弦は難しい入り方を
 追及している。3回転ジャンプに関しては、非常に複雑な跳び方をしている。

 例えば3フリップは技術的に非常に難しいトランジションから即座に跳んでいる。
 このことは誰の目から見ても顕著だし、得点で正当に評価されるべきだ。

 結弦はフリップで+2を獲得したけれど、もっと高くても良かったと思う。

 マ:振付けに完璧に組み込まれたジャンプだから、GOEだけでなく、
 演技構成点の前述の項目でも評価されるべきだ。
 しかも興味深いことに、この入り方によって、結弦はフリップを完璧な
 エッジで跳べるようになった。

 ソチシーズンまでの彼のフリップのエッジはフラットだったが、
 今の結弦のフリップのエッジは文句のつけようがない。

 今大会、パトリック・チャンはスピードとクリーンな演技によって
 勝利した。でも他の大会で同じ得点が出るとは限らない。

 何故ならスケートカナダの後、この大会で起こったことはより仔細に
 分析されることになると思うからだ。

 そして幾つかの疑問が生まれるだろう。

 羽生結弦の演技構成点は特にTransitionを含む幾つかの項目で
 
 過小評価だった。

 Transitionでパトリック・チャンが羽生結弦を0.80点上回った

 今回の評価はあり得ない。

 本来なら逆だろう

 ア:実況中にも言ったけれど、フリー演技における2人の
 演技構成点の得点差は説明がつかない。

 正直、6.10点もの差が付くとは思わなかった。

 スピンについても結弦は元々スピナーでスピンの質には定評がある。

 一方、パトリックはスピンが得意な選手ではない。

 (ここで2人のスピンの各ポジション、構成、基礎点を細かく具体的に比較)

 しかし、今大会ではパトリックの方がスピンでも高い評価を得た。

 ルッツ転倒の影響で回転速度があまり速くなかった最後のスピンは

 ともかく、他のスピンでパトリック・チャンの方が得点が

 高かったことは正しい評価ではない。

 マ:ビールマンを入れている結弦のスピンよりパトリックのスピン

 の評価が高いという判定はどう考えても変だろう。

 ア:ステップシークエンスでパトリックの方が得点が高かったのは納得だ。

 上半身の使い方において、パトリック・チャンは羽生結弦より優れていた。

 だからステップシークエンスの+3は妥当な評価だろう。
 エッジの使い方もより正確で、おそらくステップシークエンスでは
 現在のフィギュアスケート界で最高レベルだと思う。

 マ:今シーズン、羽生結弦はステップシークエンスでレベル4が

 まだ取れていない。
 
 結弦の方が、体力を消耗するステップだし、上半身の動きに

 改善の余地がある。

 再びスケーティングスキルの話題に戻るけれど、

 羽生のフリーを分析すると右へ左へと満遍なく自由自在に
 移動しているのが分かる。

 一方、パトリック・チャンはリンクの片側にいる方が多い。

 ア:象徴的なのが結弦の2本目の3アクセルだ。

 イーグル、エッジをインサイドに変えてイーグル、片足でジャンプの
 回転方向とは反対向きに1回転半してからエッジの向きを変えて
 3アクセルを跳んでいる。

 ただ難しいだけでなく意表を突く独創的なジャンプの入り方で、
 スケーティングスキルの評価にも反映されるべきだ。

 マ:この入り方のジャンプにGOE-1を付けたジャッジがいた。

 正直、理解し難い評価だ。

 ア:確かに羽生のジャンプはパトリック程、全てが一糸の乱れもなく
 着氷が完璧という訳ではなかった。

 2本目の4Tで手を付き、この3アクセルの前、彼は一瞬バランスを崩しているが、
 何の問題なくコンビネーションにして跳び、着氷に乱れもなかった。

 どうやったらこんなことが出来るのか謎だが、結弦の驚異的な才能故に
 可能なことなんだろう。

 このジャンプに-1を付けるなんてすごい度胸だと思う。

 マ:いずれにして正当化するのが困難な評価だ。

 今大会、羽生結弦の弱点となったのは2本のアクセルが
 いつものクオリティではなかったことだ。

 ア:例えばチャンはスピードを上げるために3アクセルの前にクロスを
 数回入れ、長い助走から跳び、完璧に着氷した。

 一方、羽生結弦は非常に難しい入り方をしているので、リスクがあり、
 質の高いアクセルを跳ぶのが難しくなる

 (1本目の3アクセル前のステップをひとつずつ詳しく説明)。

 マ:結弦がジャンプの前に唯一クロスを入れているのは
 冒頭の4サルコウだけだ。

 問題は羽生結弦がミスのリスクが高くなるにも関わらず、
 彼のフィギュアスケートをわざわざ難しくしていることだ。

 例えばショートの後半に跳ぶ4Tはステップからの4Tではない。

 複雑なステップシークエンスからの4Tだ。
 当然、ミスするリスクは高くなる。しかもここにカーブも入れている。
 これはGOE+3をデフォルトにすべきジャンプだ。

 ここで、前回のポッドキャストで話した羽生結弦のメンタリティが
 浮き彫りになる。
 彼は他の選手と戦う前に自分自身と戦っている。
 
 彼はブライアン・オーサーがジャンプの入りをもう少し簡単に
 するようアドバイスしているにも関わらず、

 頑として超高難度の入り方に挑戦しようとする。

 バリーの大会では昨年なかなか決まらなかったルッツの入りを
 少し簡単にしていたが、今回のスケートカナダでは、また以前の
 難しい入り方に戻していた気がする。

 彼の辞書には『簡易化する』という言葉はないんだろう。

 ブライアン・オーサーが幾つかのジャンプの入り方をもう少し簡単に
 するよう彼を説得することが出来れば、羽生結弦は無敵になるだろう。

 羽生のフリーの基礎点が96.75なのに対し、4回転ジャンプ2本と
 仮定したパトリック・チャンの基礎点は83.32だ。

 12点も差があり、GOEだけで挽回するのは困難だ。

 ただし、羽生結弦があまりにも難しいジャンプの入り方に
 こだわり過ぎると、

 ミスのリスクが高くなり、パトリック・チャンや
 ハビエル・フェルナンデスやデニス・テンといった選手達に
 隙を突かれる可能性がある。

 ただし通常、羽生結弦はスロースターターで、
 特にフリーについて10月にハイレベルな演技を出来たことは今までなかった。

 今シーズンの彼が現時点でこのレベルだとすると、
 12月にファイナルで優勝する頃には、一体何を見せてくれる
 のかという期待が高まる。

 パトリック・チャンはソチシーズンに比べると

 3ルッツ/1ループ/3サルコウを3ルッツ/2トゥループ/2ループに変え、
 3サルコウを単独にし、2アクセルを無くした。

 基礎点は0.5点低くなったが、あまり得意ではなかったこの
 高難度コンビネーションを外すことにより、ストレスが少なくなり、
 クリーンなプログラムを滑れるようになった。
 基礎点は下がったものの、GOEと演技構成点でより高得点を稼ぐことが出来た。

 つまりパトリック・チャンはプログラムの難度を下げ、各エレメンツの
 クオリティを高めることで
 羽生結弦を始めとする、自分より基礎点の高いプログラムを持つ選手に
 対抗するという戦略を取った。

 今回は羽生結弦のショート自爆にも助けられ、この戦法が吉と出たが、
 次の試合で同じようにうまく行くかどうかは分からない。

 ア:羽生結弦がショートをクリーンに滑ったら、

 技術点は勿論、演技構成点でもチャンを上回るだろう。

 こうなるとフリーで挽回するのは難しくなる。

 マ:断っておくが、僕達はジャッジやパトリック・チャン、

 ましてや羽生結弦を批判するつもりはない。

 でも今回の得点について、羽生結弦とパトリック・チャンの技術点に
 おける点差は3点だったが、先ほどのスピンの話やパトリック・チャンの
 幾つかのジャンプの出来栄え点を考慮すると、

 少なくとも5~6点は羽生結弦が上回るべきだった。

 演技構成点について、幾つかの項目でパトリック・チャンが上回るのは分かる。

 でも先ほどの繋ぎの話から分かるように、

 TransitionとSkating-skillでは羽生結弦の方が高い評価を得るべきだった。

 勿論、パトリックのジャンプ以外の部分の繋ぎを濃くするという
 戦略は間違ってはいない。
 トランジションがより振付けと音楽に溶け込み、
 より強い視覚的インパクトを与えるという効果があった。

 いずにしても、羽生結弦のプログラムほど高難度のプログラムは
 今まで見たことがない。

 最後にまとめると、今回のスケートカナダの採点について詳しく分析し、
 妥当な点、納得出来ない点をクローズアップした結果、最終的な順位は
 おそらく妥当だったのだろう。

 僕達が強調したいのは、今大会と同じ演技が他の大会で行われた場合、

 同じ得点が出るとは思えないと言うことだ。

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 ☆ 今日のツッコミどころ
 (ミラノ在住さんより)
 
 マ:僕はあのジャンプのミスを何千回となく見返したが・・・
 ↑BIgBbえっ・・・マッシミリアーノさん、ジャンプ要素が
 2つノーカンになってしまったあの悲しいショートを何千回も
 見直したんですか???

 そして、ポッドキャスト放送1時間後にNeveitaliaのFBページに
 このような動画が!!!

 この続きは、ミラノ在住さんのブログサイト
 「惑星ハニューにようこそ」で
 ご覧になってください。

 ミラノ在住さん、こちらの記事どうしても皆様にもより多く
 読んでもらいたいという事で私のブログの方でも紹介させて頂きました。

 なんて、素晴らしいマッシミリアーノさん。
 あのショートを1000回も(動画)見たんですか・・?
 フィギュアスケートを見るにあたって、自分のお気に入りの選手を
 応援することは、あたりまえですがフィギュアスケートの技術を
 ある程度、私達も学ぶという事も大切な要素ですね。
 そこから見えてくるものから、また別の羽生選手の偉大な部分が
 理解できますもんね。いかに羽生選手の演技を生で観戦できるという
 贅沢な至福の喜び・・事前に知っておくべきかなと思いました。
 (また、見方がより何十倍も楽しく観戦できそうです)

 ミラノ在住さん、今回もお忙しい中翻訳してくださり
 有り難うございました。

 ミラノ在住さんのお話によると
 ポッドキャストは私は和訳しましたが、ブルーさんがNeveitalieフェイスブックの
 ユーザーや英語版ユヅフォーラムの人と協力して要約を英訳し、英語版フォーラム
 やFBにも投稿したようです。

 ちなみに上海の方が私の翻訳を中国語に訳して中国版フォーラムに
 投稿してくれました。
 聞き取り翻訳は自分で言うのも何ですが、かなりハードで相当な時間を
 要する作業です。
 私はまあ仕事で慣れていますけれど、ブルーさん達は翻訳や通訳を
 仕事にしているわけではないので、本当に大変だったと思います。

 (今回のポッドキャストは羽生君とパトリックの部分だけで80分ですよ!)

 よほどの情熱と愛情がないと、こんな大変な思いをして訳そうとは思わない。
 それだけ羽生君が国籍関係なく世界中のファンから愛されているんだと思います。

 ↑だそうです。
 羽生選手の技術は、世界の方達の方が遥かに目がこえてるという事でしょうか?
 日本のメディアの、ゆづ君扱いは・・目に余る過剰な煽りが目立ちます。
 (というか、あまり知識がないのかも知れませんね)

 以上です。是非、ミラノ在住さんのサイトにもご覧になって見てください。

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 そして・・・お次は~~
 皆様がいつも楽しみにしている

 イタリアフォーラムからミラノ在住さんが翻訳してくださいました。

 イタリア羽生結弦フォーラムより

 羽生結弦 スケートカナダ2015 FS 公式練習

 

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 公式練習2回目 ショート動画

 

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 (精神科の先生を呼んで)

 「他に付け加えることはないわ」

 「このプログラムを愛しているわ・・・言葉がない。

  何の力も入れていないように消える。ファンタスティコ。

  みんな、試合でこの演技をしたら、もうGP大会は終わりにして、

  すぐにバルセロナに直行しましょう!!

  私達のアモリーノ!!(=キューピット)

  でもクロスロールを無くすべきじゃなかったわ。

  ダメよダメ!!!

  彼はとても美しく、ブラーヴォで戦闘モードだった。

  リンクではライバル達と熱狂的ファン達の間にパニックが走ったと思うわ。

  阿修羅モードは誰も容赦しない」

 「本当にそうよおおおおお!!!後ろ向きクロスロースを無くすなんて!!!

  いずれにしても・・・言葉がないわ・・・モンスターだった!!」

 「みんなああああ!!!

  今シーズン、生き延びるにはどうすればいいの???

  私達は深刻な危険に瀕しているわ!!!

  練習でこんな有様の私達なのよ・・・

  本番は一体どうなってしまうのか???

  (精神科の先生を呼んで)

  私達の小さなエイリアンは、練習中に歴代最高記録を
  
  叩き出すことが出来るのよ。

  全く無比の存在ね!

  全てを灰にしてしまう威力を持つ眼差しと

  決然とした態度でリンクに立ったわね。

  全く昨日の練習は完璧だったわ。

  でも一言言っていい???

  私のクロスロールを返して!!!!!

  私のクロスロオオオオオオオール!!!(号泣)

  こんな風に削除するなんてひどいわ!!!

  私にはこれが必要なのに!!!(号泣)

  クロスロールのないあのステップシークエンスは

  星のない夜空、サクランボのないケーキ、

  プーのいないユヅのようなものよ!!!

  オータムクラシックであのステップシークエンスに

  レベル2を付けた全てのジャッジに警告するわ。

  隠れた方がいいわよ。

  もし見つけたらあなた達の最期だから!!!」(激怒)

 <ショート> 動画

 (Rai Sportマンマ解説版)
 ☆フォーラムのアイスプリンセスさんの動画です。

 Skate Canada 2015 Yuzuru Hanyu SP
 Ice Princess

 

 (号泣)
 
  2つのジャンプ要素が無効になってしまった・・・

 (4トゥループがダブルになり、ルールではステップからの
  単独ジャンプは3回転か4回転と決まっているので得点が加算されなかった。
  さらにルッツの着氷が完璧でなくて2トゥループを付けてしまったけれど、
  ステップからの単独ジャンプと同じジャンプをコンビネーションで
  跳んではいけないので、コンビネーションもゼロになってしまった)


  不幸中の幸いは3アクセルで+3を獲得してことね・・・

  73.25点で第6位よ・・・(涙)

  でもPCSは僅かだけれどパトリック・チャンを上回ったわね・・・

  表彰台まで7点差

  (上位3人の点差は0.5点だから1位までも同じような得点差)

  でもPCSが物語っているように、ジャンプの失敗以外は

  全てが素晴らしかった!!!」

 「ユヅ、一体何が起こったの????(泣)

  あのクワドは・・・

  彼の身体は跳ぶ準備が出来ているのに、

  彼の脳がまだ準備出来ていないように見えた。

  全てクリーンなプログラムが滑れるはずだったのに

  とても残念だわ。

  7点差を挽回出来ると思う?(笑)

  ようやく3Aが相応しい評価を得たわね!」

 「きっと大丈夫よ!フリーの基礎点は誰よりも高いわ。

  ニースでは6点差を挽回し、

  2014年のさいたま世界選手権でも私の記憶が正しければ

  確か6点強の得点差を挽回したはずよ。

  1位から3位の得点差はたった0.5点。

  大差を挽回しなければならない状況に追い詰められた時、

  彼はいつも虎になる。私は彼を信じているわ」

 「みんな、チャオ!!!

  未だにショック(それに睡魔)から立ち直れていないわ。

  なんてこと!!!

  練習では全てのジャンプが美しく決まって

  鳥肌もののプログラムを滑ったのに。

  でも実を言うと、こうなることを少し予感していたの・・・

  勿論ここまで悲惨なことになるとは思わなかったけれど、

  ミスをするんじゃないかと思っていた。

  これは何でも悪い方に考えてしまう私の良くない

  一面のせいなんだけれど。

  でもユヅはとても感情的だし、試合中にナーバスになることはあるわ。

  特にパトリックと対戦するということで、

  自分の実力を見せなければという思いに囚われて

  一層ナーバスになっていた可能性はある。

  でもユヅは窮地に追い詰められた方が自分の力を発揮出来る。

  だからあとは彼を信じるだけよ」

 「今考えているんだけれど

  コンビネーション4T-3Tを入れた方がいいんじゃないかしら?

  クワドで万が一転倒しても3Lzに3Tを付けられる。

  今の構成だと4Tがトリプルになってしまったら

  3Lz-2Tにしなくちゃならないけれど、

  クワドをコンボにすれば3T-3Tになって、3Lzを単独で跳べる」

 「この際、4サルコウにすれば、万が一抜けて

  ダブルやトリプルになっても問題ないわよね?」

 「みんな、今やっと帰宅したところよ。

  ショートプログラムについてのみんなの意見は

  まだ読んでいないけれど、私の頭に思い浮かぶがままに書くわね。

  この眠れない夜に私が感じた感情は不信だった。

  私のコメントは技術的には不正確かもしれないけれど、

  私が感じ取ったことを全て伝えたいの。

  ユヅの番が来るまで私は耐えて、待ったわ。

  チャンを見て少し安心した。

  彼のスケーティングの傑出したクオリティは

  認めざるを得なかったけれど。

  転倒があってあまりいい演技じゃなかったけれど、

  決して悪い印象ではなかったことは認めなくちゃならないわね。

  当然のことだけれど、チャンが演技を終えた時、

  ユヅルのスケートから私が感じる感情は、

  チャンが伝えるそれとは100光年ほどの隔たりが

  あることに改めて気付かさせられた。

  比較にならない。

  そしてユヅの番がやってきた。

  彼の表情から何らかの異常を感じたことを認めるわ。

  でも私はそれを緊張から来るものだと思った。

  極めて神聖な緊張。

  でも冒頭のアクセルを決めて・・・

  何という美しさ。優美なイーグル・・・

  そして4T・・・パンクした時、

  私は心が締め付けられるのを感じた。

  最初、私は彼の戸惑いを感じたけれど、その後、

  彼がコンビネーションでリベンジしたいと感じているような気がした。

  そしてコンボがやってきた。

  最初のジャンプは良かったように見えたけれど、

  着氷がこらえた感じになったから私はセカンドジャンプが怖かった。

  思った通りダブルになって・・・血が凍りついたわ。

  その瞬間は何も分からなかったけれど・・・

  いいえ、私にははっきり分かった。

  そしてマッシミリアーノとアンジェロも同じ疑惑を抱いて沈黙した。

  一瞬、私の思い違いであることを願ったわ。

  あの2Tはコンボをノーカウントにしたの?

  いいえ、もしかしたら違うかもしれないと。

  でもアンベージが不意に

 「彼はダブルトゥループを跳べるんだっけ?」と質問し、

  アンジェロが「いや、ダメだと思う」と答えた・・・

  そして沈黙が流れた。

  私には信じられなかった。

  ユヅが計算を間違うなんて!

  その後でユヅはステップシークエンスを始めるけれど、

  私にはアンバランスでテンポに合っていないように見えた。

  私には彼が茫然としていることが分かった。

  彼が音楽の前に回転を止めた時、私は喉がカラカラになるのを感じた。

  私は完璧だった公式練習を思ったわ。

  この男の子が毎日、血の滲むような練習をしていることを

  思うととても辛かった。心の底から残念に思ったわ。

  二人の解説者からも困惑と悲しみの入り混じった感情が感じられた。

  チャンですら困惑しているように思えた。

  だってユヅより順位が良かったのは、彼がいい演技をしたからではなく、

  ユヅがミスを連発したからだということを彼も知っているはず。

  試合の後、すぐにここに来て、コメントを書き込んで、

  みんなと交流したかったけれど・・・

  出来なかった。

  ただただテレビをすぐに消して、

  今晩の出来事について考えたかった。

  私はユヅが戦闘モードになっていることを確信しているわ。

  そう、彼は立ちあがる。

  私はただ彼に相応しくないネガティブな始まりになってしまったことが・・・

  彼の気持ちを思うととても辛いわ。

  つまりね、ユヅ、頑張って!私達はみんなあなたの味方よ!

  それにしても北アメリカの大会はユヅに不運をもたらすわね。

  リンクが小さいのよ・・・」

 「ラブリー、全文同意よ・・・

  私もステップシークエンスで違和感を覚えたわ。

  まるでステップを覚えていないようにすら見えた・・・」

 「そうね、きっと混乱していたのね。

  時に私達はユヅの感受性を甘く見ていることがあるわね。

  私はいつも彼をメンタルが強く、自制心があると思っているけれど、

  実際にはとても繊細で感情的なのよね。

  プルーメの言う通り、チャンの存在が彼を刺激したのかもしれないわ」

 「どうやらみんなショックからの回復段階らしいわね。

  私は頭痛が消えたところよ。

  昨晩はあの後、眠れなくなってしまって、

  まるで自分が試合で滑ったように朝の4時までベッドの

  中で悶々としていたわ!!!

  私も彼の名前がコールされた時から、違和感を覚えていたわ・・・

  リンクインの方法がいつもと違っていたし、

  位置に着く前にトゥループを跳んでいた。 

  些細なことかもしれないけれど、

  彼のような一流スポーツ選手は、自信と確信を確認するために、

  プログラム開始前のルーティンはいつも全く同じでなければならない・・・

  よりによって今回、彼が習慣を変えたことは妙だった・・・

  そして演技が始まって、ライストの音声がずれていたからかもしれないけれど・・・

  音より少し早く動き出したように見えて・・・

  いやな予感がしたの。

  そしたらやっぱり・・・

  彼は予想不可能だし、重圧を感じていないわけがない。

  でももう失うものはないから

  明日はきっと解き放たれたように滑ってくれるわ!」

 「ありがとう、私も回復しているところよ。

  リンクに立ったユヅルを見て胸騒ぎを感じたけれど、

  私のユヅリーテの症状のせいだと思った。

  パトリックがユヅルを「乾燥させた」けれど、

  彼も嬉しそうじゃなかったわね。

  当然よね、彼が上回ったのはユヅのミスのおかげなんだから。

  動画を見るとユヅは氷上に何か見つけたり、

  色んなことを心配し過ぎているように見えたわ」

 「みんな、私は心底泣いているわ・・・(号泣)

  そしてみんなと同じように、今夜目を閉じることが出来なかった!!!

  残念だけれど、私は彼が4Tでパンクして、コンボで

  何かやらかすことを予感していたの。

  だって私には彼が

 「今夜は歴代最高得点を塗り替えてやる」と思って

  リンクに出て行ったことがはっきりと分かったから。

  彼が自分自身に勝とうと気負い過ぎている時は

  必ず何かやらかすもの

 (でも大差を挽回しなければならない時、つまり他の選手に

  勝たなければならない時、スーパーポテンシャルを発揮する)

  私もユヅに今晩起こったことに思いを巡らせながら、

  一睡も出来なかった。

  しかも夢の中で彼が過去に失敗した時の

  シーンが走馬灯のように駆け巡って・・・(涙)」

  以上です。

 イタリアフォーラムの皆様も私達と同じ気持ちでいたんですね。
 当時の私のコメントでは、こんな事が書いてありました。

 「ちゃんと頭に入っていなかった。そこは僕の悪いところ」と羽生。
  今季初戦のオータム・クラシックで優勝し、試合勘は戻っていた。
  今大会に向け、体調もよかったが、思わぬ状況となった。
  それでも羽生は前を向いている。

 羽生は先に演技を終えたチャンの得点を聞いて
 「80点(80.81点)か、大丈夫、大丈夫」と思ったという。
 時事・・けーたんさんより 

 やはり、P・チャンを意識しすぎたのかな??

 続きの、阿修羅のごとく、挽回したフリー見てみたいです。
 ミラノ在住さん、翻訳して頂いてありがとうございます。
 次回のフリー凄い楽しみにしています!!!

 「惑星ハニューにようこそ」より

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 今日は午後でかけます。
 今日の記事は、その後載せますので・・

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コメント (12)
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