セイショウ坊のブログ

埼玉県飯能(はんのう)市 真言宗智山派・円泉寺住職です。
円泉寺ホームページにもブログがございます。

廃寺

2019-05-26 14:17:55 | 他の寺社
数年前、永代供養塔に納骨された方の元菩提寺が、建物を取り壊して廃寺(はいじ)となっていたそうです。



かなり離れたお寺さんの檀家となっていたわけですが、兄弟全てが関東など遠方に住むようになり、生まれ育った地はお年寄りの家があるだけになりました。典型的な過疎地のようです。

とにかく維持管理も出来ないほど檀家数が減り、本堂の痛みも激しく、取り壊し廃寺とするほかなかったようです。
お墓はあってもお寺が無い状態でしたので、元気な内にと引き墓を決意したのだそうです。

本堂を取り壊した後、プレハブを本堂にしたところもあります。
みっともなくても雪の重みにも絶えるプレハブなら、維持管理できますからね。
これは、ある寺のご住職に私がお教えした案です。檀家さんも恥ずかしいと思ったのでしょう、今はチャンとした本堂が建っています。

私も県内の山中にあるお墓の引き墓を手伝いましたが、その内二ヶ寺がかなり昔に廃寺となり、菩提寺が無い状態でした。



戒名も途中から宗旨違いになっており、葬儀は役場や学校などに勤める僧侶、神職に頼んでいました。
当寺に移すに当たり、無料で戒名を付け直しました。

ここ数十年でお寺が三割とも半分とも言われるほど廃寺になるそうです。
今は良いですが、将来の事を思うと不安になることもあります。


十三仏像

2019-05-24 12:43:17 | 仏像
当寺の十三仏さまです。
前々より祀られていた仏さまは、5体だけでした。バラバラになって箱に入れられていた仏さまも30年ほど前に修復しています。
全てをお祀りするために3年ほどかかり、六七年前に全部そろいました。



左上から初七日・不動明王、二七日・釈迦如来、三七日・文殊菩薩、四七日・普賢菩薩、五七日・地蔵菩薩。
中の左から六七日弥勒菩薩、七七日・薬師如来、百ヶ日・観音菩薩、一周忌・勢至菩薩、三回忌・阿弥陀如来。
下左から七回忌・阿閦如来、十三・十七・二十三・二十七回忌が大日如来、三十三回忌・虚空蔵菩薩です。

新しい仏像もありますので、仏さまに統一性がありません。
石像で庭に祀られている寺もありますが、仏像にこだわって正解だったと思います。

各回忌のご法事に、ご説明するのが楽になりました。


十三仏信仰の意義 宮坂宥洪 著 link


バラ園 めぬまアグリパーク 埼玉県熊谷市

2019-05-23 09:19:51 | 日記
先日、熊谷の「めぬま道の駅」にあるバラ園を見学に行きました。
今が盛りです。



道の駅 めぬま 埼玉県熊谷市弥藤吾720
地図



さつそく園内に入ると、圧倒的に女性がいっぱいでした。
平日ですから男性は仕事中でしょうね。



この像は荻野吟子ですが、日本最初の公認女医です。知名度は低いですが、渡辺淳一の花埋み(はなうずみ)、三田佳子さんの演劇、映画で知られるようになりました。
今も新たに映画が撮影されています。吟子役は若村麻由美です
地元での撮影は終わったと聞いています。





デジカメを持った人は、ほとんどいません。
皆さんスマホばかりです。







道の駅にはたくさんのバラを売っていましたが、私は紫陽花を買いました。



小さなお葬儀だけでも

2019-05-22 09:55:44 | 法要
数ヶ月前、ある檀家さんから相談がありました。
母親が危篤なのですが、葬儀を出せるだけの余裕がないとの話しでした。



勤務先が倒産して、再就職したばかりだそうです。
自分の出来る仕事は、海外に取られてしまい、やっと同業の会社に就職できましたが、まだパート扱いだそうです。
他の仕事を見つけるとしても、同じようなものだと話していました。
奥さんもパートに出て働いています。

子供は独立しても、お母さんの医療費も大変なようです。
入院している所に入っている葬儀社に見積もりを頼んだのですが、とても無理だと話していました。
立派な葬儀は無理として、苦労を掛けた母親に報いたいとの希望です。


私は知り合いの葬儀屋さんを紹介して、支払える範囲で全て終わるように致しました。

■場所は公益斎場。
■ご遺体は当寺の霊安室(無料です)。(通夜当日の出棺前に霊前で拝みました)
■通夜には私は行かず、希望する方だけがお線香を手向ける。
■食事と引き出物はなしとしました。ただし火葬中の食事は、コンビニのおにぎりとサンドイッチだけです。お茶は斎場にあります。

お寺でやったこともあります。




霊安室

私の地区は、今では通夜葬儀を行いますが、寺に入ったときは、通夜がありませんでした。親族と隣組だけが行っていたので、抵抗はありません。
しかし土葬から火葬になり、周りが必ず通夜を行っていますので、私からお布施はそのままで、通夜葬儀を行うことを提案してからは、右へならえとなりました。
今では昔から住職が通夜に来ていたと主張する人ばかりになりました。

その家の葬儀には私が行きましたが、お布施は内緒、葬儀屋さんは人件費で考えるなら赤字でした。
おばあちゃんの元気な頃を思い出しながら、葬儀を行いました。

新しい檀家さんは一日葬だけや、火葬のみを行ってから、永代供養、お墓の見学に来られる方が多くなっています。

このブログは檀家さんも読んでいますが、観て欲しくない内容です。