独自の授業を展開する菊池さん
日高川町の学校再編で、今年3月に閉校となる江川小学校(花光英香校長)は30日、元小学校教諭で教育実践研究家の菊池省三さんを迎え、示範授業と教育講演会を開催。菊池さんは、子どもたちを褒めることに重点に置きながら授業をすすめ、児童に「人を喜ばせることができるようになろう」、「コミュニケーションの力を新しい世界でものばそう」と伝え、この春に統合され新しい学校に通う児童にエールを送った。
菊池さんは、平成24年にNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」に取り上げられたことを機に「世界一受けたい授業」や「たけしのニッポンのミカタ」などに出演。30年以上の教員生活で培った教育実践を広めようと、全国各地で講演活動を展開している。
同校では、2年生5人と3・4年生10人を対象に授業。菊池さんは、最初にクラスを「明るい」「切り替えスピード」「やる気の姿勢」などと褒めながら児童との距離を縮めた。対話や話し合いをしながら授業を進め、児童の言動や態度を褒めて、意欲を高めた。
2年生では、イソップ寓話の「きつねとつる」の話を紹介し、「悪いのはどっち」と問いかけ、それぞれに分かれた児童が理由を考えて意見を出し合った。意見の内容に加えて「紙に書いていないことも、自分の言葉で言えるのはとても大事」、「言葉だけでなく身振り手振りもあり分かりやすい」などと児童の姿勢も評価。最後に「4月から多くの友達がいる学校に通うと思いますが、人を喜ばせることができる3年生になって」とエールを送った。
3・4年生でも同様に授業を行い、4コマ漫画の展開を児童が予想、登場人物の気持ちやどうすれば良かったかを考えさせ、コミュニケーションの重要性を説いた。「コミュニケーションの力を新しい世界でも伸ばそう。新しい友だちともコミュニケーションを取って、格好良く幸せに過ごして」と伝えた。
教育者向けの講演会「対話・話し合いを生み出す『第3の言葉』『第4の言葉』を考える」では、「一般性や常識を身に付けないと本当の個性が出ない」、「対話や議論で授業が始まるが、学級のインフラが整っていないと不満がでる」などと指摘。「教師とは褒める仕事。その子の価値を発見し、伝えることが重要」とアドバイスした。
その他の主なニュース
● 御坊市のはまゆうアマチュア無線クラブが小竹八幡神社に高額寄付
● 印南町が1日から証明書のコンビニ交付サービスを開始
● 御坊市シルバー人材センター 会員100人、延実人員5千人目前
● みはま支援学校が書架を製作し、うみまちリユース図書館に寄贈