ドイツ報告②
ベルリンから北部のロストックへ移動。旧東ドイツ地域にあたるメクレンブルク=フォアポンメルン州の都市です。ここではロストック大学と国家保安省シュタージ博物館などを訪問しました。歴史写真家Gerhard Weber氏が第二次大戦で崩壊した町並みから東ドイツ時代の町並みまでの写真と対比しながら町案内をしてくださいました。共同研究者のギゼラ・シュルツェ教授(オルデンブルク大学)が、東ドイツ時代の生活やシュタージに拘留された経験などを話してくださいました。その後、シュタージ博物館を訪問し「あらゆる手を使って人間性を崩壊させる」「罰と見返りの操作により情報提供者に仕立てていく」という国家の統治を目の当たりにしました。強制収容所にも通じる国家の人間管理装置の恐ろしさを実感します。
その後、ロストック大学では州教員組合(GEW)代表および州父母会代表へのインタビューを行いました。教育政策形成過程への教育参加や教師教育改革、教育上の自由、法的係争などを教えていただきました。教員組合からは法務担当の方も参加くださり、あらためてドイツ社会における教育と法、権利の密接な関係を感じることができました。
他に、1419年から続くロストック大学の歴史ガイドなども専門の方から受けることができました。インタビューにも協力していただいたギゼラ・シュルツェ氏やロストック大学教員のマイク・ヴァルム氏がドイツ料理のレストランまでご一緒くださり感謝に堪えません。また、ロストック調査からは獨協大学の安原陽平先生(教育法学)がご参加くださっており、非常に心強いです。