コン・モート

九十九里平野からよしなしごとを。

「Warm Breeze」 COUNT BASIE AND HIS ORCHESTRA

2022-07-01 13:03:40 | Big Band

「Warm Breeze」 COUNT BASIE AND HIS ORCHESTRA

「あたたかいそよ風」というタイトルにふさわしく笑顔の素敵なベイシー。

 

収録曲

1 C.B.EXPRESS
2 AFTER THE RAIN
3 WARM BREEZE
4 COOKIE
5 FLIGHT TO NASSAU
6 HOW SWEET IT IS
6 SATIN DOLL

メンバー

Count Basie:Piano
Freddie Green:Guitar&Shaker
Cleveland Eaton:Bass
Gregg Field,Harold Jones:Drums
Willie Cook,Harry"Sweets"Edison,Sonny Cohn,Dale Carley,Frank Szabo,Bob Summers:Trumpet
Mitchel "Booty"Wood,Dennis Wilson,Grover Mitchel,Bill Hughes:Trombone
Eric Dixon,Kenny Hing:Tenor Saxophone
Bobby Plater,Danny Turner:Alt Saxophone
Johnny Williams:Baritone Saxophone
Sam Nestico:Arrange&Conduct

「追悼盤」と銘打たれたCD。

1はトランペットの高音のソリが良いです。

2は少しダルそうな感じで、アンサンブルの絡み方が素敵です。

アルバムタイトルの3はゆったりしたテンポの曲で「温かいそよ風」のイメージ通りの曲です。

後は5の快速なテンポの中繰り広げられる、Willie Cookのトランペットソロが伸びのあるトーンを聞かせてくれます。

この曲はちょっと「エア・メイル・スペシャル」に似ているなと感じました。

最後の6では、バストロを始めとするボーンの使い方が面白かったです。

 2009年に他ブログに掲載しました。


「ロング・イエロー・ロード」 秋吉敏子=ルー・タバキン・ビッグ・バンド

2022-06-30 15:19:56 | Big Band

ジャケットも「双頭ビッグ・バンド」にふさわしいものです。
それにしてもお二人とも若い!

イメージ 2

収録曲

1 LONG YELLOW ROAD
2 THE FIRST NIGHT
3 OPUS NO.ZERO
4 QUADRILLE ANYONE?
5 CHILDREN IN THE TEMPLE GROUND
6 SINCE PERRY/YET ANOTHER TEAR

メンバー

BOBBY SHEW,JOHN MADRIRD,STU BLUMBERG,LYNN NICHOLSON,DON RADER,MIKE PRICE:TP
CHARLIE LOPER,JIM SAWYER,BRUCE PAULSON,BRITT WOODMAN:TB PHIL TEELE:BASS TB
DICK SPENCER:AS,CL,FL GARY FOSTER:AS,SS,FL,CL JOE ROCCISANO:AS
LEW TABACKIN:TS,FL,PICCOLO TOM PETERSON:TS,ALTO FL,CL BILL PERKINS:BS,ALTO FL,BASS CL
PETER DONALD,CHUCK FLORES:DRUMS GENE CHERICO:BASS
TOSHIKO AKIYOSHI:PIANO TOKUKO KAGA:SINGER

凄いメンバーです。

私でも名前を知っていた、ボビー・シュー、マイク・プライス(彼はシャープス&フラッツに在籍していました。但し、秋吉さんの評価は低かったようですが・・・)

私はスイング系の曲が大好きなので、秋吉さんの曲はスリリングで緊張感を持って聴きました。
それでも、聴いている内に曲によってはビートに乗って体が動いてきました。

「LONG YELLOW ROAD」はドラムのフィルインが良かったのと、途中のサックスのソリが日本的な響きでよかったです。

「THE FIRST NIGHT」はイントロからのフルートの音色、B・シューのフリューゲルのソロが動き・音色とも良かったです。

「OPUS NO.ZERO」は、普通のビッグ・バンドではあまりないテンポの変化がまず新鮮です。
それにイントロのボーンのソリ、後半ではバリサクの短めのアドリブから種々のサックスのソロその後のサックスパートのソリが素晴らしい技術の高さを聞かせてくれます。

プロとは言え、「すんげー!!」といった所です。

「QUADRILLE ANYONE?」では素晴らしいバリサクのソロが聴けます。
ここまで行くと、もうバリサクも立派なソロ楽器です。

たしかこの奏者のB・パーキンスは曲によってバリサクを替えている人です。
他の曲でもそうですが、ここでもL・タバキンの素晴らしいテナーのソロが聴けます。

好みの問題もあるでしょうが、タバキンのフルートの音色も私は大好きです。

「CHILDREN IN THE TEMPLE GROUND」は5拍子の独特の緊張感が良いです。
題名からして日本的な曲で、民謡がベースになっていますが、それと5拍子の取り合わせが良いです。

「SINCE PERRY/YET ANOTHER TEAR」のメドレー曲では、タバキンの早いフレーズを難なく吹きこなす系の技術の高さと、スローな曲でのメロディックなソロ、その両方が堪能できます。

 

アレンジが良くて、メンバーのレベルが高いと、ここまでビッグ・バンドの醍醐味を味わう事が出来ます。


「ファーマーズ・マーケット・バーベキュー」 カウント・ベイシー・ビッグ・バンド

2022-06-28 14:32:00 | Big Band

「ファーマーズ・マーケット・バーベキュー」 カウント・ベイシー・ビッグ・バンド

1982年の録音です。

収録曲

1 WAY OUT BASIE
2 ST.LOUIS BLUES
3 BEAVER JUNCTION
4 LESTER LEAPS IN
5 BLUES FOR THE BARBECUE
6 I DON'T KNOW YET
7 AIN'T YHAT SOMETHING
8 JUMPIN' AT THE WOODSIDE

かなりバラエティに富んだ選曲です。

メンバー

Count Basie:Piano
Freddie Green:Guitar
James Leary:Bass
Gregg Field:Drums
Bob Summers,Sonny Cohn,Dale Carly,Chris Albert:Trumpet
Bill Hughes,Dennis Wilson,Grover Mitchell,Mitchel"Booty"Wood:Trombone
Kenny Hing,Eric Dixon:Tenor Saxophone
Johnny Williams:Baritone Saxophone
Danny Turner,Bobby Plater:Alt Saxophone

ドラムがB・マイルスからG・フィールドに替わりました。
この人の演奏は、何かの時にテレビで見ました。

とても堅実なプレイをする人ですが、私の趣味としてはマイルスの方がビッグ・バンドのドラマーらしいと思います。

「ST.LOUIS BLUES」では短い部分ではありますが、ピアノトリオの演奏も入っています。
なかなか楽しそうです。

「BEAVER JUNCTION」では金管のミュートの素晴らしい音色が楽しめます。
ミュートが違うのか、とにかく良く響きます。

こういう音がなかなか出せないのですが、そこは流石プロという所です。

このアルバムで特筆すべきは「I DON'T KNOW YET」です。
何とF・グリーンが作曲しています。

これも意外ですが、かなりノリの良い曲でした。


INSIGHTS

2022-06-23 13:10:13 | Big Band

「インサイツ」 秋吉敏子&ルー・タバキン・ビッグ・バンド

以前から、NHK・FMのライブを録音したものは持っていました。

そこでは「インサイツ」の中の何曲かを演奏していました。

その時も強烈な印象でしたが、今度CDを購入し聴いてみて、やっぱり凄かった・・・

ビッグ・バンドでもスイング系が一番好きな事に変わりはありませんが、秋吉さんの曲の持っている力に強く惹かれます。

収録曲

1 STUDIO J
2 TRANSIENCE
3 SUMIE
4 MINAMATA
PEACEFUL VILLAGE
PROSPERITY & CONSEQUENCE
EPILOGUE

メンバー

 スティーヴン・ハフステッター、ボビー・シュー、マイク・プライス、リチャード・クーパー、
 ジェリー・ヘイ:トランペット
 ビル・ライケンバック、チャーリー・ローパー、ブリット・ウッドマン、フィル・ティール
 :トロンボーン
 ディック・スペンサー、ゲイリー・フォスター:アルト・サックス
 ルー・タバキン:テナー・サックス&フルート トム・ピーターソン:テナー・サックス
 ビル・パーキンス:バリトン・サックス
 ピーター・ドナルド:ドラムス
 ドン・ボールドウィン:ベース
 秋吉敏子:ピアノ
 観世寿夫:謡曲
 亀井忠雄:大鼓
 鵜澤速雄:小鼓
 ミチル・マリアーノ:歌
 堅田啓輝:鞨鼓

和楽器が入っているのが大きな特徴です。

「STUDIO J」は元々はピアノトリオの曲だったそうです。

バド・パウエルが絶賛したそうです。

その曲を秋吉さんがビッグ・バンドにアレンジしなおしたものです。

「TRANSIENCE」ではビル・パーキンスのバリサクのソロが素晴らしいです。

他の作品でも彼は素晴らしいソロを聞かせてくれますが、音色・技術共に凄いです。

「SUMIE」は元々はタバキンのフルートのソロのための曲です。

個人的にはタバキンのフルートの音色は好きです。

テクニックは勿論ですが、ちょっとアタックの強い吹き方で情熱的なソロを聞かせてくれます。

参考までに、この曲はシャープス&フラッツも演奏していました。

「MINAMATA」は壮大な音楽劇のような曲です。

「水俣病」という恐ろしい公害に蝕まれた村がテーマとなっています。

「水俣」は教科書でも扱いました。

助産婦さんが自分の取り上げる赤ん坊に障害を持つ子が増えていったり、死産になったり、それを苦にして助産婦をやめたりします。

当初原因が分からず、それを確定したのが赤ん坊のへその緒に蓄積されていた「有機水銀」から特定したというものだったと思いま

す。

こういった素材をビッグ・バンドで取り上げるのは困難が伴うと思いますが、和楽器を使ったり歌を入れたりして表現しています。

秋吉さんが自分の表現手段である音楽、特にビッグ・バンドで「水俣」の問題を正面から取り上げた事には頭が下がります。


THIS TIME BY BASIE

2022-06-22 08:20:01 | Big Band

50年代・60年代のヒット曲を、クインシー・ジョーンズがアレンジしたものです。

収録曲

1 THIS COULD BE THE START OF SOMETHING BIG
2 I LEFT MY HEART IN SAN FRANCISCO
3 ONE MINT JULEP
4 THE SWINGIN' SHEPHERD BLUES
5 I CAN'T STOP LOVING YOU
6 MOON RIVER
7 FLY ME TO THE MOON
8 WHAT KIND OF FOOL AM I ?
9 WALK DON'T RUN
10 NICE'N'EASY
11 THEME FROM"THE APARTMENT"
12 THE HUCKLEBUCK
13 OH,PRETTY WOMAN
14 OH SOUL MIO
15 SHANGRI-LA
16 AT LONG LAST LOVE

本当に良く知られているポップな曲ばかりです。
人によっては、「これはジャズじゃない!」

などど言う人もいますが、そんな事は関係ありません。
私はベイシーが演奏する、良くスイングするポップスの曲も好きです。

何をやってもベイシーはベイシーの味です。
逆に、こういったポピュラーな曲のでも、そこら中にベイシーらしさが出ていて楽しいです。

勿論、クインシーのアレンジが素晴らしい事もあります。

「THIS COULD BE THE START OF SOMETHING BIG」

サックスのソリが素敵な曲で、ちょっとだけ「マジック・フリー」に似ています。

「 I LEFT MY HEART IN SAN FRANCISCO 」

究極のご当地ソングだと思います。
このアレンジとほぼ同じものを演奏した事がありますが、どうしてもベイシーのように聞こえません。

「WHAT KIND OF FOOL AM I ? 」

マーシャル・ロイヤルのアルトが絶品です。節回しが素晴らしいです。
彼の楽器は独特で、枝管の下にオクターブのキーが付いていました。

「THEME FROM"THE APARTMENT" 」

ベイシーの情感たっぷりのピアノが素敵でした。

何をやっても、ベイシーの色にしてしまう、そこもベイシーの素晴らしさですね。