夜間は雨が降っていなかったのに、2日目朝6時、歩き始めるとまた雨。そこで尾根歩きはやめて、巻道を三俣山荘へ直行しました。うす暗い道端に、チングルマの赤い綿毛が彩りを添えていました。
巻道は雨の中。ほとんどはガスで見通しがききませんでしたが、時おりガスが切れて周囲の山が見えることもあります。この朝も1度だけ槍の穂先が雲間にのぞきました。
三俣山荘には9時に着き、2階の展望レストランで黒部源流の水で入れた美味しいコーヒーを一杯。小雨模様が続く中、10時少し前に山荘を出発。この朝も鷲羽岳をあきらめ、黒部源流の谷へと下ります。
残雪の谷を岩苔乗越に向かうと何やら下の方で声がします。振り返ると、双六から三俣山荘への巻道で知り合った3人の娘さんたちが手を振ってくれていました。
彼女達は祖父岳を巻いて雲ノ平へ直行するようでした。こちらは高天原へ最短の道をとり、岩苔乗越へ。途中双六山荘が作ってくれた弁当を食べ、乗越着は13時少し前となりました。
ここは四差路となっていて、高天原へはまっすぐ反対側の岩苔小谷へと下ります。この頃から雨はやみ、時おり青空も見えるようになりました。
谷の向こうには薬師岳が雄大な姿を見せ始めます。谷の上部は高山植物の花畑になっていて、様々な花が彩り豊かに咲いています。
その中で、ウメバチソウの白い小さな花が目を引きました。すれちがう人もいない、静かな山道を2時間ほどひたすら下ると、水晶池入り口に着きました。荷を置いて、15分ほどで池を往復。
水晶池の静かな湖面に、水晶岳が青空を背景におおらかな姿を横たえていました。ここから1時間ほどで高天原山荘に到着。
小屋の前からは、すっかり広がった青空を背に、水晶岳の姿が立派でした。4時を過ぎていたので温泉は夕食後ということにして一休み。秋田から来た年配の男女3人組や、休暇でやってきた雲ノ平山荘、三俣山荘スタッフの若い人たちとひと時の歓談を楽しみました。
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