田園 里山 野鳥そしてアルプスの山々

日進市と近隣の里山、春から秋にはアルプスの山々を歩いて感じたこと、考えたことなど・・・

折戸川のヌートリア

2012年06月12日 | 野生動物

折戸川の、野方橋から神明社に至る一帯は、野鳥や野生動物がほかの場所より少しだけ濃いところです。イソシギ、カワセミ、カルガモの巣も、おそらくこのあたりに多いと思われます。

      野方橋から神明社間・折戸川沿いの道  左:5月6日    右:6月3日

5月の初めまで、雑草の丈はくるぶし以下でしたが、このところは急速に丈が伸びて、胸までの草をかき分けて歩くこともあります。

5月28日朝のウォーキングのとき、ここで1匹のヌートリアを見かけました。向う岸でしたが、かなり近づいても逃げることなく、一心不乱に川岸の草を食べ続けています。

その様子をYouTubeにも投稿しました。

    http://youtu.be/-fWvwl_SRQQ

ヌートリアは南米産の大型のネズミの一種。体長は40 ~ 65 cm くらいになります。その毛皮は保温性に優れているので、第二次大戦中に軍服に利用することを目的とし、ヌートリアが大量に輸入され、飼育されるようになりました。戦後は需要がなくなったので処分されましたが、一部が野生化し、今日に至っています。

繁殖力が強く、草食で稲などの農産物を荒らすため、「特定外来生物」に指定されて、状況によっては捕殺の対象となっているようです。一方では、ヌートリアが日本に入ってきた経緯などを考慮し、「暖かく見守っていこう」という団体もあります。こうした外来種について、兵庫県立・人と自然の博物館のスタッフの方は、「いない方がよい生き物」という考え方もありうるがその場合でも「個々の生き物の命は同じだけの重さを持つのだと知って対応するべき」と、慎重な意見を述べられています。「人間の都合だけで、安易に新たな帰化動物をつくり出さないことが大切」とも言われており、説得力があります。

YouTube などを検索すると京都の鴨川にもヌートリアがたくさんおり、観光客が与える餌に集まってきて「人気者」になっている状況もあります。環境省は外来種による被害を予防するための三原則として、(1) 日本に「入れない」、(2) 飼っているものを「捨てない」 、(3) 他の地域に「拡げない」、を掲げています。「拡げない」ためには、人に慣れ、かわいいからといって、安易に餌を与えるような行為は慎んだ方が良いように思われます。

現在ヌートリアが多く生息している地方は岡山県と関西方面です。3月9日付のブログにも書いたように、日進で頻繁にヌートリアを見かけることはありません。今回折戸川で出会う前には、この3年間、岩崎川、天白川で3~4回、高松池で1回泳いでいる姿を遠くから見た程度です。ヌートリアが増加している様子は今のところありません。今後も慎重に見守っていきたいと思っています。

   

 

 


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