日程:2016年12月18日(日)夜行日帰り
天候:
行程:御殿場口太郎坊0:00-長田尾根・標高3,500m付近8:15(強風のため撤退)-御殿場口太郎坊13:25
行動:単独
冬山シーズンに入る前に恒例?の富士山自主トレ。
山での心・技・体の調整を図るには、うってつけの「道場」。
これまで何回もトライして、冬の剣ケ峰まで到達できたのは「2002年1月」と「2015年2月」と二回だけ。
前日の土曜は家の所用で忙しく、夕方から現地入り。
季節がら職場で風邪が流行っており、自分も一年の疲れがドッと出て少し扁桃腺が腫れている状態。調子はイマイチだ。
しかし、特にやめる理由も見つからず、いつものように御殿場口太郎坊に車を停め、日曜午前0時に出発。
前回2月の時は出だしからラッセルでどうなることかと思ったが、今回はまだ12月とあって雪は少ない。
結局、二ツ塚と宝永火口の間、標高2,300mぐらいまでは雪は無し。アイゼン不要で到達する。
その分歩きやすくスピードアップできたかのように思ったが、火山灰が固く凍ってヘンにビブラムとの相性が悪く、それほどペースは上がらなかった。
幸い今日は月明りで、夜半でもヘッデンが要らないくらい。
光と音の無い世界を一人で黙々と歩いていると歩いているのか眠っているのかわからなくなってくるが、それでも時折、巨大な尾を引いたホウキ星が夜空をブワッと掠め、ハッと目が覚める。
宝永火口が近づいた辺りで、アイゼン装着。
今回は使い込んで爪が丸くなったBDのサイボーグではなく、つい最近ヤフオクでGetした新品同様のPETZLバサックをチョイス。
やはりギンギンに尖った爪は安心できる。
朝方になると気温もグッと冷え込み、登山靴の中の爪先が痛くなってくる。
やがて待望の夜明け。太陽の光が一気に元気を与えてくれる。
しかし、やがて無情の風が吹き下ろしてくる。
今回、事前の天気予報(tenki.jp「山の天気」)では北西の風、風力は標高4,200mで18m/sとギリギリの選択だった。
自分の目安として、冬富士で安心して突っ込めるのはせいぜい15m/s未満。できれば10m/s以下が望ましいが、そんな日と休日が重なることは滅多に無い。
体調不良もありペースも上がらず、長田尾根の標高3,500m辺りで上からの吹き下ろしに掴まり、思案の末、今回はここまで。
せめて頂上の縁まで行って「コップのフチ子」ならぬフチおじさんになりたかったが、結局その後、風はますます強くなり、ヘンな色気を出してたら、危うく退却のタイミングを逃すところだった。
ガチガチのアイスバーンというほどではなかったが、下りは一部、後ろ向きのダガーポジションで降りてくる始末。
やはり富士山は甘くない。
まぁいいトレーニングになりました。
で、今回のもう一つの目的として、先日買ったアクションカメラ"SJ4000"がどれだけ冬山の厳しい条件下で使えるか。
私は普段の山では、デジカメをザックの左側ショルダーベルトに固定したポーチに入れているが、冬山ではいくら防水耐寒仕様のものでもそのまま外気にさらしていれば、電源をONにした時点であっという間にバッテリーが消耗し使えなくなってしまう。
ただでさえ小容量バッテリーのアクションカメラでこれは鬼門だったが、内側のウエアの内ポケットにホッカイロを貼り、そこからカメラを出し入れしたところ連続13時間行動でもほとんどバッテリーはフル充電表示のままだった。(むしろ頻繁に電源のON/OFFを繰り返したり、行動途中で映像チェックのため再生したりすると消耗を加速するようだ。)
ということで、製品テストはまずまずの成績で合格。
適当に撮ったスナップ動画を繋ぎ、新春話題の山岳映画「MERU/メルー」をパクって、映画予告編・風に仕上げたのがコチラ。
←大画面、大音量で見てやってください。
自分ではけっこうイイと思ってるんですが、いかがでしょう?