KU Outdoor Life

アウトドアおやじの日常冒険生活

八ヶ岳・大同心 南稜&雲稜

2017年10月09日 | アルパイン(無雪期)

日程:2017年10月8日(日)~9日(月)
天候:両日とも
同行:ヒロイさん(我が社の山岳部)

 10月初めの三連休は会津の沢(早出川ガンガラシバナ)の先行予約が入っていたが、あいにくの微妙な天気。
 年休も加味して調整したが、初日が雨、最終日に泳ぎがあってなおかつ横浜まで500kmのドライブは、時期的、体力的にも辛過ぎるということで今回は見送り。
 幸い後の二日間は天気が好転するということで、急遽メンバーを替え、手軽な八ヶ岳へ転進することにした。
 
 今回行くのは大同心。
 11年前の同時期にも登っているが、パートナーのヒロイさんは雲稜は初めて。
 まぁショートルートでは5.10aのリードは手堅くこなしているので、そこそこ楽しめるでしょう。

10/8 大同心南稜(肩まで3ピッチ、Ⅲ級)
行程:相模大野7:00-美濃戸口10:30~50-赤岳鉱泉13:00~20-大同心基部14:30-南稜15:00~16:30-赤岳鉱泉17:20(テント泊)
 
 小田急の相模大野に集合。
 そのまま圏央道から中央道へ入ろうとしたが、朝から相模湖手前で既に15kmの渋滞。
 こりゃダメだと急遽、東名へ転進し御殿場、大月経由で美濃戸口へ。意外と早く、ストレスフリーで到着した。
 しかし、今度は美濃戸口の駐車場が既に満杯。近くをウロチョロし、結局その辺の適当な場所に駐車して何とか出発にこぎつける。
 
 八ヶ岳は久し振り。これまで西面も東面も飽きるほど通ってきたが、ほとんどが冬なので、こうして緑が青々としているとけっこう新鮮に感じる。
 10月に入り、そろそろ寒いかなと思ったのだが、今日は暑い。
 防寒対策をしっかりするように伝えてしまったので、相方のザックは一泊二日にしては重そうだ。

 
 
 八ヶ岳山荘から北沢に入り、赤岳鉱泉へ。
 中途半端な時間なので今日はこのままマッタリ過ごし、明日に備えてゆっくり休んでもいいかなと思ったが、聞くと彼女は「まだまだ元気」とのこと。
 それならばと、さっさとテントを立て、そのまま偵察がてら大同心へ向かう。
 
 硫黄岳方面へ少し登り、標識のある所からロープを潜り、大同心稜へ。
 途中、左岸から右岸へ涸沢を渡るが、踏跡はしっかりしていて迷うところはない。
 登るにつれ、次第に傾斜は急になるが、1時間ちょっとの登りで大同心の基部に到着した。
 少しガスも出てきて、時間的にもギリだったが、南稜の肩までなら3ピッチなので行けると判断。
 グレードも簡単なはずなので8mmロープ1本で行く。

 
 
 1ピッチ目 Ⅲ+ 私のリード
 八ヶ岳特有の礫岩をセメントで固めたような壁で、下から見るとどこでも登れそう。
 実際、ホールドはしっかりしているが、あまりにボコボコ出ているので、強く力をいれるとポロッと取れてしまうんじゃないかと心配になる。
 下から見ると緩傾斜だが、登るラインによっては意外と立った感じになる。
 35mほど延ばしたところでロープの流れも悪くなり、ハンガーボルトの支点でピッチを切る。

 
 
 2ピッチ目 Ⅲ ヒロイさんリード
 最初は、この取れそうで取れないボコボコ・ホールドに戸惑った様子で慎重だったが、順調にロープを延ばす。
 上部では登っているパーティーのコールが聞こえるが、ガスっていて回りの様子がわからない。
 ビレイしていると次第に寒くなってきたが、そのうち彼女からコールが届く。

 
 
 3ピッチ目 Ⅱ 私のリード
 傾斜は緩くなり、リッジはそのままドーム下の肩まで続いているが、リッジ右側面に草付きの踏跡がある。
 ロープの流れを考えると、草付きの方を行った方がいいので、そのまま歩いて「肩」で終了。
 あれ?もう終わりか。アップにならないほど、あっという間に終わってしまった。
 陽も暮れてきたので、最後のドームは明日のお楽しみにとっておこう。

 
 
 下りは大同心ルンゼ。
 傾斜は緩いが、脆い所があるので、ロープの回収、落石も考えて、短く2ピッチに分けて懸垂下降。
 ロープやガチャ類を適当な場所にデポして、黄昏の大同心稜を下る。  

 
  
 その夜の夕食は全て彼女が用意してくれた。・・・といっても彼女は自称・料理がダメということでレトルト・カレー
 しかし、それはそれでおいしくいただく。ごちそうさまでした。
 日頃の睡眠不足もあって、この夜はたっぷり10時間眠った。たっぷり眠れることは幸せだ。
 
 
 
10/9 大同心正面壁・雲稜ルート(5ピッチ、5.8~9)
行程:起床5:30-出発6:40-大同心基部7:40-雲稜ルート取付き8:10-大同心の頭12:30~50-赤岳鉱泉14:30~50-美濃戸口16:45
 
 朝、起きると快晴無風。夜露があったが、気温はそれほど低くない。絶好のクライミング日和だ。
 赤岳鉱泉のベンチで朝食を済ませ、明るくなり始めた頃に昨日と同じく大同心稜を登り始める。
 既に先に出発したパーティーがいたので、もしかしたら順番待ちかも。まぁ、こちらはマイペースで登ろう。
 
 昨日ほとんどの装備は上にデポしたので、アプローチは楽チン。
 大同心の基部に着くと、年配の男性二人組がいた。先ほど鉱泉で見かけた若いニイちゃん二人組とは違う。
 順番からして当然、その二人組に先行してもらうが、見ているうちに少し不安になる。何だか準備がとても遅いぞ。
 彼女の希望で、今日も奇数ピッチを私、偶数ピッチを彼女がリードすることで、スタート。

 
 1ピッチ目 5.8 私のリード
 予感は的中し、先行のおじさんたちはやはり遅く、二人が最初のピッチを抜けるまでかなり待たされてしまう。
 雲稜ルートは西面で、午前中は陽が当たらないため、ある程度着込んでいたのにすっかり身体が冷え、指先もかじかんでしまった。
 おじさんたちは昔ながらのアブミ突破していたが、ウチらはもちろんフリーで。
 中間部が少し被っているが、少し左から攻めれば特に難しくはない。
 被りモノが苦手な彼女も、フォローながらここはすんなり上がってきた。

 
 
 2ピッチ目 5.9 ヒロイさんリード
 見た目、傾斜はそれほどなく簡単そうに見えるが、一段上がったオープンブック状のスラブが核心といえば核心か。
 たしかにガバだらけの大同心にあって、ここだけちょっとスッキリしている。
 リードの彼女は残念ながらA0使ってしまったが、ここは右側のカンテを頼りに足はスメアを効かせてステミングで行けばOK。
 その後はそつなくこなす。

 
 
 3ピッチ目 Ⅲ+ 私のリード
 やや右に斜上する浮石の多いピッチ。
 私も一回棚の上に乗っていた平たい石をロープが触れて落としてしまった。後半の凹角は快適。

 
 
 4ピッチ目 Ⅳ- ヒロイさんリード
 出だし凹角。その後、「肩」まで右方向にトラバース。
 途中でピッチを切ってもいいからと送り出したが、彼女は特に戸惑うことなく順調にロープを伸ばしていった。
 それでもトラバースの部分は足元が泥で滑り易く、ちょっとイヤらしかった。
 ドーム下の「肩」でまた時間待ち。大同心ルンゼにいた講習グループから「ガンバッテー!」と熱い声援が届く。

 
 
 5ピッチ目 5.9 私のリード
 先行のおじさんたちが抜けるのを待って、ラストピッチ。
 中間部の薄被りが第二の核心か。
 一か所、足を置く所が滑り易い部分があるが、ホールドは豊富。
 ここをクリアし、一呼吸レストして最後の垂直のリッジを一気に行く。
 最後のビレイ点に着き、フォローの彼女を迎える。
 登っている様子は見えないが、やはり途中で足が滑ったようで、下の方で「テンション!」とか言ってるような?
 まぁ、聞かなかったことにしよう。
 それでも最後までアブミを使わず登ってきたのは立派。そこから大同心の頭まで少し上がって無事完登。

 
 

 先行のおじさんたちはサッサと降りていったので、大同心の頭ではウチらだけでしばらく貸切。秋の空が気持ちいい。
 
 下りは昨日と同じく大同心ルンゼを下降。
 最後にまた先行していたおじさんたちと会ったので挨拶する。お疲れさまでした。(こちらもアオってしまって、ごめんなさい。) 
 赤岳鉱泉のベースを撤収して下山する。


 帰りはまたしても中央道が大渋滞・・・・・・35km!(って、ブルゾンちえみか!)
 御坂一ノ宮で高速を降り、御坂→御殿場→箱根経由で帰ってきたが、思ったより早く、意外と早く帰ってこれた。
 
 とりあえず「大同心へ連れて行く」と彼女への公約は果たせた。さぁ次はどこへ行こうか。



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