このところ、すっかり目が弱くなって本から遠ざかっていたが、ついに老眼鏡デビューし、読みかけの本を一気に片付ける。
まずは海難もの三作。
① 「たった一人の生還-たか号二十七日間の闘い」佐野三治・著
② 「37日間漂流船長」石川拓治・著
原本は「あきらめたから生きられた」(武智三繁・遭難者本人の著作)
③ 「ザ・サバイバル」平島正夫・著
92日間、太平洋をヨットで漂流した諸井清二氏のドキュメンタリー。
①はヨットが沈没し、ライフラフト(救命イカダ)で漂流。海に放り出された時点では仲間がいるが、日が経つにつれ次々と死んでいく。
②は半壊した小型漁船で一人で漂流。最後は水も食糧も尽き、自分の小便で命をつなぐ。
③は自走不能となったヨットで漂流。こちらも一人。日数こそ長いが、キャビンは無事で水と食糧は何とか確保できているのが救い。
仲間の死、餓えと渇き、孤独・・・とそれぞれ精神を追い詰められていく内容は異なり、その過酷さは単純には比較できない。
学ぶべきところが多く、必読の書。
石川拓治さんの本は読んだことがあります。確か船に栄養ドリンクの買いだめがあり、それで水分をとってしのいで、最後はコンロを使って海水から水を作ったと記憶しています。哲学的でとても精神力が強い方だなって思った記憶もあります。
他の本もよさそうですね。読んでないので、機会があれば読んでみたいと思います。
そうですね。三冊一気に読んでしまったので、何となく内容が混同してしまったのですが、武智さんの場合、コンロが使えたのですね。
そう考えると一番悲惨だったのは、やはり「たか号」の佐野さんのケースかなぁ。
何にしても海の遭難の場合、周りにまったく島影が見えない大海原に突然一人で漂流することになったら並の人間なら一週間で発狂すると他の本で読んだことがあります。
山の事故、それも脱出行となると大抵怪我をした上でのサバイバルとなるので単純に比較はできませんが、まだ「地に足が着いている」だけ幸せかもしれません。