KU Outdoor Life

アウトドアおやじの日常冒険生活

2015シャモニーの旅10 エギーユ・ルージュのハイキングとモンタンベール

2015年08月10日 | 海外

10日目(8/10)
天候:一時
行程:シャモニ(バス)レ・プラ(ロープウェイ)フレジェール(リフト)ランデックス(1h15m)ラック・ブラン(30m休憩、1h15m)ランデックス(2h)コルニュ峠(1h)プランプラ(ロープウェイ)シャモニ(登山電車)モンタンベール-メール・ド・グラス

 シャモニ滞在も後半戦。
 天気予報では8/11-12が好天なので、この二日間をトリノ小屋ベースでツール・ロンド、ロシュフォール山稜とする。
 で、本日は調整日として別行動。マルチでも行ければ良かったが、juqcho氏も爪先を痛めクライミングシューズを履くのが厳しい状態だし、いくらクサレ縁でも二週間ずっと一緒じゃ彼も疲れるだろう。
 
 ということで、今日は各自、自由行動。
 juqcho氏はスイス国境に近いバルム峠、私は人気のラック・ブランからコルニュ峠経由でブレバンまで、エギーユ・ルージュを一気にトラバースするコースへ行ってみる。

 バス、ロープウェイ等を乗り継いで標高2,000mほどのランデックス駅までは二日目と同じ。もう市内交通もすっかり慣れた。

 

 ランデックスからは東へ。まずはラック・ブランへ向かう。
 トレイルは多少の登り下りがあるが、全体的にはトラバース。
 良く整備され、ところどころシンプルな道標やケルンが道を示してくれる。
 
 時折マーモットが岩陰から姿を現すが、かなり臆病なようでカメラを向けるとすぐ隠れてしまい、なかなか写真を撮ることができない。
 昨年のケニア山でも多く見かけたが、こちらの方が身体は大きいかも。

 コースは歩きやすく、展望は素晴らしく、本格的に山を登らない人でもこのコースだけで十分思い出になるだろう。
 途中、カリフォルニアから来たというニイちゃんと写真を撮り合い国際交流。

  

 
 やがてラック・ブラン(Lac Blanc=「白い湖」の意)に着く。
 その名のとおり太陽の光によって水の色が限りなく白に近いブルーとなり、どこか日本の温泉のようだ。
 畔にはカフェ・レストランを兼ねた小奇麗な小屋があり、何ともいい雰囲気。こんな所で働けるならトイレ掃除でもいいから雇ってもらいたい。

 

 で、カナダの氷河湖でも見かけたが、当然こういう所では目立ちたがりというかオバカな奴がいて、ここでもパンツ一丁になって沐浴を始める奴がいた。
 天気は良いが、ここは標高2,000m。風邪ひくなよ。

 

  

 ラック・ブランでゆっくり休んだ後、今来た道をランデックスへ戻る。
 途中、若い日本人カップル、その後で単独の若い日本人女性と会う。
 もちろん最初はお互いに「ボン・ジュール!」と声を掛けるが、次の瞬間には「ん、もしかして・・・?」「日本の方?」とすぐわかってしまうから面白い。
 
 単独の女性は昨年天候不順で登れなかったグレポンを再び狙うそうで、四日間ほどガイドを確保しているらしい。
 昨年に較べたら今年の天気は良過ぎるほどだが、天気が良くても雪と岩の状況が悪ければ登れないのがヨーロッパ・アルプスで、どうなるかはわからない。
 とにかくGood Luck!

  

 ランデックスからブレバン方面へさらに進む。
 途中、枝道に入ってしまい、進むにつれ3級ぐらいのクライムダウンが出てきて、どうも様子がおかしいと引き返す。
 
 戻ったところで、地元のファミリーらしいパーティーに聞き、正規ルートへ。
 二日目に登ったグリエールのロワー・バットレス、そしてランデックスの岩場には、今日も数パーティーが取り付いている。

  

  

 トレイルはそのままグリエールとブレバンの間にあるコルニュ峠(Col de Lac Cornu)に突き上げる。
 途中、ハイカーに混じってトレランの人たちもチラホラ。
 コルニュ峠からはシャモニーと反対側の下界が見渡せ、高山帯の池がいくつか見えた。
 ここからゴールのプランプラへは、山腹を斜めにトラバースする形でトレイルが続いている。

  

 プランプラはパラグライダーのテイクオフ・ポイントになっており、しばしフライトを見学。
 料金はタンデム・フライトでジャスト100ユーロ(約14,000円)。飛行時間はせいぜい15~30分。
 以前、バリ島でパラ・セールをやった時は値切って2,000円ぐらいで飛んだことがあり、そう考えるとちょっと高いな。
 ロープウェイに乗ってシャモニーへ下りる。

 町に下りてきてまだ若干時間があったので、ジュースやフルーツを買って、そのままモンタンベール行きの登山電車に乗る。
 マルチパスを買った以上、フルに活用したい。

 小学校の遠足グループと一緒だったようで、車内は賑やか。リアル「世界の車窓から」を楽しむ。
 
終点のモンタンベール駅は、山壁の縁に建っている。

 ここからメール・ド・グラス氷河へは階段で歩いて行くこともできるが、ロープウェイでショートカットすることもできる。
 マルチパスが使え、そろそろ疲れてヒザが痺れてきたのでロープウェイを使う。
 最後は階段の通路を高さにしてさらに100mほど下って、ようやく氷河に降り立つことができる。

  
 モンタンベール駅(左)と、1990年の氷河の位置を示す案内板(右)。現在の氷床の位置は遥か下だ。

 地球温暖化の影響はここでも深刻で、氷河は年々縮小、後退しており、登山電車の終点から氷河までの高低差も広がってきている。
 観光のための整備をしなければならないので、周辺は今も工事の真っ最中だ。
 氷河の先はトンネルで、ライトアップされた氷の回廊となっているが、正直これはまぁどうってことない。

  

 往路を戻って、再びシャモニーへ。
 駅の裏側が共同墓地となっていて、有名なガストン・レビュファの墓を探したが、よくわからず。調べてから、また来よう。

 帰りにオフィス・ド・ツーリズムに寄り、ベルナデッドさんに確認。
 ・トリノ小屋に明日行くが、パスポートは必要か?→イタリアなので、もちろん必要!(でも実際には提示は求められなかった。)
 ・レビュファのお墓は墓地のどの辺にありますか?→入口から正面に進んで、大きな十字架の所を右に曲がって右奥の一段高いエリア。
 ・ワッペン買ったんだけど、縫い付けてくれるお店ありますか?→郵便局の向いの小さな路地にあります。ちょっとわかりにくよ。
 
ベルナデッドさんは本当に何でも知っている。Merci!

 ホテルに戻り、風呂&ビール。明日からのパッキングを確認してから就寝。
 いろいろ見て、なかなか充実した一日だった。ただ今日のこのコースを歩いたら、ハイキングはもういいかな。



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12 コメント

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こんにちは。 (ゆうこ)
2015-08-31 15:06:17
あら、湖で泳いでいる人居たんですか。
私が着いた時は居なかったです。

モンタンベールまでの電車は私は昨年乗ったのですが
悪天でなぁーにも見えず
ただの真っ白でした(T_T)
今年こそ
車窓が見られる天気で
ガイドを予約していない日を選び
乗りたかったのですが
そうゆうタイミングの日が有りませんでした・・・・・
返信する
こんにちは。 (現場監督)
2015-09-01 22:25:26
ゆうこさん、こんにちは。
もしてして、あの日擦れ違った方でしょうか?
(グレポンは、いかかでした?)

ラック・ブランはいい所ですねー。それに較べるとモンタンベールはイマイチ。やはり地球温暖化でメール・ド・グラスがスケール・ダウンしているのが痛々しいですね。
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Unknown (ゆうこ)
2015-09-02 18:31:40
そうです、あの時すれ違った者です。
と言う自己紹介を
1番はじめに書き込んだつもりだったのですが
どうやらそのコメントは届いていなかった様で
失礼しました。

あの翌日は慣らしとして
シャモニーから車で20分『セザリーズ』(←と私には聞こえた)と言う岩場で
ガイドとフリークライミング。
翌日は、エギーユ・デュ・ミディにて、
『コスミックバットレス』って言うルートかな?
(コスミック山稜の途中に出た)
その日に「グレポンNGにして行き先変更しよう」と
ガイドに提案されました。
行動中しょっちゅう岩雪崩の音が聞こえていて
「グレポンも同じだから」って。
そして結局その翌日は変更された行き先
プラン・ド・レギーユ『パピヨン』と言うルート。
その翌日はどこに行っても悪天の為
レ・ズーシュのクライミングジムへ。
そんな感じでガイドとの4日間は終わりました。
別れ際に「グレポンは7月の方が状態が良い」と
ガイドに告げられました。
今かいっ!!
返信する
そうでしたか。 (現場監督)
2015-09-02 22:44:49
ゆうこさん、こんにちは。
残念ながら最初のカキコミはやはり届いてなく、こちらも失礼いたしました。

グレポンは残念でしたね。
でもあの日、私がモンタンベールからメール・ド・グラスに降りてみた感じでもやはりグレポンとかボロボロな感じでしたね。取付く前のアプローチから大変そうで、ドリュの方からもガンガン落石落ちてましたよ。

パピヨンはペイニュのと違うんですかね。私も余裕があればパピヨン稜とかブレバンのフリゾンロッシュとかも行ってみたかったです。

グレポン、また行くしかないですね!応援してます!
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そうです。 (ゆうこ)
2015-09-20 09:35:15
ペイニュ→「Aiguille de Peigne」の事ですかね。
そう、それです!
日本語のガイド本には「プラン・ド・レギーユ」と書いてあったもので・・・
返信する
おっと気が付きませんで・・・ (現場監督)
2015-09-26 00:22:37
ゆうこさん、こんばんは。

プラン・ド・レギーユはミディ・ロープウェイの中間駅辺りのことかと思います。ペイニュに向かうアプローチの起点ですね。日本語のガイド本て、レビュファの本ですか?

パピヨン岩稜やコスミック・バットレスを登っている写真があるならぜひ拝見したいですねー。
返信する
こんにちは。 (ゆうこ)
2015-09-27 12:38:33
私が見ていた日本語の本は
『ヨーロッパ・アルプス』と言う
「ブルーガイド・ワールド」と言うシリーズの本みたいです。
実業之日本社と言う会社が出版しています。

写真は有りますが
mixiしかやっていなくてブログもヤマレコもやっていないし
お見せ出来る機会が・・・

ところでシルバーウィークはどこかに行かれましたか?
私は
室堂→五色ヶ原→薬師岳→折立に行きました。
室堂や薬師岳は賑わっていましたが
五色ヶ原は空き空きでした。
空いてて良かったのですが
もうちょっと混んでいる事を予想していたので
驚きました。
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Unknown (現場監督)
2015-09-27 22:47:07
ヨーロッパ・アルプスのガイドブックでも日本語で登山ルートまで解説してあるものは意外と少ないですよね。
今度、そちらの本も捜してチェックしてみます。

グレポンに行くっていうから根っからのクライマーかと思ったら、普通の山歩きもされるんですね。(私もですが・・・)
私は今回ヨーロッパに行く前から膝痛で、シルバーウィークも遠出は自重。日帰りで湯河原に行ったぐらいです。

ゆうこさんは外岩だとどの辺りによく行かれますか?
もしどこかでお会いしたら声かけてくださいな。
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Unknown (ゆうこ)
2015-09-30 20:24:33
外岩は
ゲレンデだと、小川山や甲府幕岩、佐久周辺のマイナーな岩場など。
マルチは、錫丈とかも。
湯河原は行った事無いのです。
地元、上州の赤城山も行きます。
赤城山は庭です(笑)
沢登りは全くしません。

膝に悩まされている人は多いですね。
私もひどくはないけど
違和感を感じる時有ります。
それをかばうともう片方の足の膝にも負担が掛かったりで
中々難しいですね。
お大事に。
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Unknown (現場監督)
2015-10-03 16:10:40
ゆうこさんは群馬ですか。
谷川岳、最近は行ってないですね。

今年は膝が悪く、甲府幕岩も行っていません。
10月三連休は小川山の予定ですが、もしそれらしいオヤジを見かけたらお声がけください。
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