清酒 東の麓 蔵人日記

山形県の地酒「東の麓」を醸造する職人のブログ

火入れ

2006年12月12日 | 日記

本格的に仕込が始まりました。お正月の数日を除き、2月まで休み無く仕込みの予定を組んでいます。

当社の仕込みは、半仕舞いと呼ばれる仕込の体系をとっています。日本酒の仕込みは基本的に三段仕込で、初添え仕込み、踊り、仲仕込み、留仕込み、の四日間で一本の醪が出来ます。その組み合わせで二日に一本の留仕込みになるようにしたのが、半仕舞いと呼ばれるものです。

最初に仕込み発売した「あらばしり」(大好評です)と共に、普通酒(精撰用)も仕込みましたが、今日はその出来立て原酒を火入れしました。火入れとは、生酒に熱を加え殺菌し、酵母や酵素の活性を止める作業のことです。

今年の当社目標の一つに、「火入れを早く」をあげています。酒質は日々変化していますが、特に生酒の場合は顕著です。熟成から劣化といわれる状態になると、酒質をどう矯正したとしても、元の良い状態に戻せないと考えます。ならば劣化しないうちに火入れして、良い状態のものを貯蔵するのが良い筈です。普通酒の貯蔵は、冷蔵設備のある施設に入れてはいませんので尚更です。

蔵人は皆、地元の人ばかりです。その蔵人たちが普段飲むのは普通酒です。普段飲む酒だからこそ美味しくしようと頑張っています。

もちろん、その他のお酒も美味しくしようと頑張っていますよ

                              蔵人S