１０年前の服

物持ちのいい私は、１０年以上前に購入したものがけっこうある。

中学校の時に買ったシャープペン、高校時代のペンケース、二十歳の頃の服などなど。

今でも現役で使っているのです


でも、その中でなかなか捨てられず、ただ持っているだけのコートが一枚。

二十歳のころ、私がかっこいい女にあこがれていた時代のコート。

丈が長めのジャケットコートは細身でウエストが少し絞れているデザイン。

色は黒に近いカーキ色で、マニッシュの雰囲気。


そのコートを久しぶりに羽織ってみた。

その姿を見た、私のだんなさまは驚いていました。


そのころには、様になっていたと思っていたコート。

でも、今の私は、かわいい系になってしまった。

それがわるいことではないのだけど、そのコートと私はちぐはぐな感じになっていたらしい

それだけ変わったってことなんだなぁって実感。


確かに、色つかいにも気をつけていて、自分なりに似合う色を着るように心がけている。

二十歳のころのように、頑張って、風を切って歩くような私はもう居ない。


１０年経って、その変化がよくわかるね。


年をとったってことかもしれないけど、今のわたしの方が、二十歳のころの私より、もっと好きになんだ。


やっと、このコートとさよならできそう。


そしてこのコートを手放すと同時に、いい女になろうと肩肘はって突っ張ってきた、その頃の私ともさよならするような気がする。

さようなら、二十歳のころの私。


今のこの私と、今のこの時代を楽しんで生きるね。