天満の立ち飲みはビール大びん330円。
発泡酒じゃない本物のビール。うらやましいだろ?
枝豆80円、キュウリの浅漬け120円も泣かせる。
ハムカツ240円。
ホルモンも唐揚げもうまい。これも300円前後の良心価格。
「朝から飲めて」と、羨望を偏見にすりかえて天満や十三の立ち飲み族を見下す連中もいる。この世には夜勤仕事の人間がいることなんて、考えてみたこともないんだろうな。
お天道様があがってしまったら、酒でも飲まねば眠れたものでない。特に日が長いこの夏の季節などは。「夜勤など泥棒のすることや!」という若き日の永田耕衣のことばは、けだし名言であった(あの人、よく三菱製紙高砂工場のナンバー3の部長まで出世できたな)。
工事現場で夜勤の仕事をしていたころのことを思い出す。朝5時過ぎに仕事が終わり、家の近所の吉野家でビールと牛皿を頼み、日本酒もつけて、最後は朝定食を食べて、家に帰るのは毎朝7時過ぎだった。テレビを見ながら寝酒にウイスキーを飲んで、朝の連ドラのころに眠りに落ちた。仕事始まりは夜の8時。夕方5時に設定したアラーム時計が鳴る前の4時すぎに、下校途中の小学生たちの笑い声でいつも目が覚めた。下校中の生徒のなかには、縦笛を練習している子がいた。「きらきらひかる」まではきちんと吹けるのに、「おそらのほしよ」のところでいつもつまづでしまう。また最初からやり直し。
あの子は、「きらきらひかる」を最後までちゃんと吹けるようになったのだろうか。しばらくして、私は昼勤のみの現場に移り、あの子の縦笛を聞くことはなくなった。組合で夜勤の仲間の話を聞いていると、あの子のことを思い出す。
さて、その日の天満飲みは、4人でビール5本、アテを何皿かアテを頼んで、2780円なり。ふだんの居酒屋の1人分より安い。天満の立ち飲みは、きょうもわれわれ労働者の味方だ。
発泡酒じゃない本物のビール。うらやましいだろ?
枝豆80円、キュウリの浅漬け120円も泣かせる。
ハムカツ240円。
ホルモンも唐揚げもうまい。これも300円前後の良心価格。
「朝から飲めて」と、羨望を偏見にすりかえて天満や十三の立ち飲み族を見下す連中もいる。この世には夜勤仕事の人間がいることなんて、考えてみたこともないんだろうな。
お天道様があがってしまったら、酒でも飲まねば眠れたものでない。特に日が長いこの夏の季節などは。「夜勤など泥棒のすることや!」という若き日の永田耕衣のことばは、けだし名言であった(あの人、よく三菱製紙高砂工場のナンバー3の部長まで出世できたな)。
工事現場で夜勤の仕事をしていたころのことを思い出す。朝5時過ぎに仕事が終わり、家の近所の吉野家でビールと牛皿を頼み、日本酒もつけて、最後は朝定食を食べて、家に帰るのは毎朝7時過ぎだった。テレビを見ながら寝酒にウイスキーを飲んで、朝の連ドラのころに眠りに落ちた。仕事始まりは夜の8時。夕方5時に設定したアラーム時計が鳴る前の4時すぎに、下校途中の小学生たちの笑い声でいつも目が覚めた。下校中の生徒のなかには、縦笛を練習している子がいた。「きらきらひかる」まではきちんと吹けるのに、「おそらのほしよ」のところでいつもつまづでしまう。また最初からやり直し。
あの子は、「きらきらひかる」を最後までちゃんと吹けるようになったのだろうか。しばらくして、私は昼勤のみの現場に移り、あの子の縦笛を聞くことはなくなった。組合で夜勤の仲間の話を聞いていると、あの子のことを思い出す。
さて、その日の天満飲みは、4人でビール5本、アテを何皿かアテを頼んで、2780円なり。ふだんの居酒屋の1人分より安い。天満の立ち飲みは、きょうもわれわれ労働者の味方だ。