新・私に続きを記させて(くろまっくのブログ)

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大阪の水を全世界に なにわ友あれ〈6〉

2011年11月26日 | 大阪
 小泉教授の著作を愛読してきた。しかし「不味い!」(新潮文庫)には、一点、訂正してほしいことがある。

 それは不味いものリストに、「大阪のホテルの水」があげられていること。

 たしかに、大阪に移り住んだ1995年はその通りだった。あの水のまずさには絶句した。特に夏場は、臭気というより、まさに沼気。有機物が腐敗・発酵したメタン臭だったね。風呂に入るのさえ往生した。小泉教授はこの臭源を、藻のにおいだと指摘しておられた。

 しかし2001年から翌年にかけて、事態は変わる。柴島浄水場で高度浄水処理がスタートしたのだ。いまではこの問題はすっかり解消された。

 小泉教授のこの本の刊行は2007年で、いまも増刷もされているのは、どうしたわけなのだろう。西原理恵子が、「大阪の水はまずいから飲むな」と発言して、抗議を受けたのも、結構前の話だ。せめて一文追記がほしい。もう大阪の水はまずくない。おいしくて安全です。

 「大阪は悪い」というテンプレートを繰り返すのはやめてほしい。こころからのお願いだ。大阪もんも、たいがいにせえ。政治家や公務員のせいだけにできるのか。「まあ、ええやないか」で解決を先送りにしてきたツケが、回ってきただけだよ。往生せい。

 大阪、よくなったところもあるし、あいかわらずのところもあるし、だめになったところもある。課題の一つひとつを見極めるところからスタートしないとね。

 ここで紹介したいデータがある。 
 
 「猪瀬直樹さんと平松邦夫 さんの大阪市水道局職員の給料を巡るツイートやりとり - Togetter」
http://togetter.com/li/27912

 「大阪市の水道局の年収平均1000万円……それで 海外へ進出すると言っているが、その前にバカ高い年収をどうにか」とツイートした猪瀬副知事に、平松市長反論した。そのツイートまとめである。

 詳しくはリンク先を読んでほしい。平松さんは「大阪市水道局職員平均678万3千円」と反論した。

 民間よりはいいね(うらやましい)。いろいろ言いたいことはあるよ。

 しかし平松さんがおだやかに、データをもって反論していることに、私は感心した。

 東京都副知事(しかもノンフィクション作家)ともあろう人が、間違ったデータをもとにツイートする。しかし、平松さんは怒らなかった。相手は猪瀬さんひとりではない。フォロワーだけで2万人もいるのだ。「大阪市は悪者」という刷り込みを訂正するには、これほどいいチャンスはない。

 「大阪市職員の平均給料は削減を進めており今年4月に政令市になった相模原を除いて全国18指定都市中、18番目です。是非ご自身のデータ更新をお願いします。大阪市を悪者にしていればいいというお気持ちがおありとは思えないのですが、この間懸命に努力しています。」(平松市長)

 どうかその古いデータを更新してほしい。私もそう願う。

 橋下府知事と平松市長が決裂したのも、水道事業の統合だった。

 二重行政の解消はたしかに必要だろう。

 公共サービスで大切なのは、適切で一律の料金で住民にサービスを提供することにある。

 4人家族の平均的な1カ月の水道使用量(20立方メートル)の料金が、能勢町では4552円、吹田市では1937円と、2倍以上も格差がある。こうした地域格差は解決してほしい。

 しかし橋下流の民営化が、この問題を解決できるだろうか?

 過去の民営化では、赤字ローカル線は廃止され、過疎の村は切り捨てられてきたではないか。

 大阪市民みんなの共有財産である水道水の技術を、府民と全国の人すべてに。そして安全でおいしい大阪の水を求めている人たちは、世界中にいるということ。貧困や飢餓、戦争や紛争の解決にだって役立つ。効率だけを求める企業なんかに、譲り渡すわけにはいかないのだ。
 

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