とは言う物の、どうあるのが正解なのか良く判らない。絞りユニットに乗っているのはモータ(4線)とエンコーダ(3線)である。モーター側は、DCモーターだろうが、ステッピングモーターだろうが、とりあえずコイル分の抵抗値が見られるはず。エンコーダはどう見えるかな?フォトカプラー見たくLEDとセンサーの組み合わせ?
まあ、なんとなくこんな予想をして、フレキの先端をテスターにワニワニケーブルと虫ピンをくっつけた物で、ヘッドルーペを掛けて、抵抗値をチェックして見る。
モーター側の4ピンは、1か所だけ導通が有ったが、他は無。う~ん2か所有るのが正しそうなんだが、、、、
エンコーダ側は、1か所だけ半導体モードで方向性を持ってオンする。後は抵抗値でも半導体モードでも反応なし。これは何となく正しい様な気がする。
とするとモーター側がおかしい様に見える?もう一度モーター側の端子を当たって見るが今度は一つも導通しない!あれ、おかしいな、、、、さっきは導通が有ったのに、、、
と思って、片側をモータの端子に接続して、各端子を当たるがどれにもつながって無い!
え!そりゃないだろ!なんで??と思って良くフレキを見ると、
『キャノンよ、お前もか!』である。見事にフレキの途中で筋がはいっていて、モータ側の4線が断線気味になっている。
↑折りたたまれている部分に筋が入って断線している
以前にカシオのZ500~700シリーズの有名な白飛び不良と同じで、レンズ内部の絞りに行くフレキが、同じ様に切れている。
良く見ると、シャッター側は、フレキに保護用の黒い物が貼られているが、絞り側は無いから弱いのだろう。
↑右のシャッターユニットはフレキに黒い保護シート?付き
ちなみに昔バラしたS90のフレキも同じ様にシャッター側は保護してあるが絞り側はフレキそのまま。S90/S95では問題ない方式だが、S100では、広角側を24mmにした事も有って、ズーム倍率が上がっているので、内筒の可動範囲も広くてストレスが大きいのだろう。
↑左がS100用、右がS90用絞りユニット
これがちまたで騒がれているPowerShot S100のリーコル、レンズエラーの原因かちょっと考えてみる。
メーカが書いている高温多湿条件下では、フレキの樹脂部分が温度で曲がり易くなっている状態で、鏡筒が動いた時の折りたたみ動作での曲げ角が通常より急角度に成り易い状態となる。
内部のパターン銅泊にとっては、通常より折り曲げ角度がきつくなると、かかるストレスが大きく成って断線につながり易いと言うのは、メカニズムとして納得が出来る。
また、WEBで見た、あるユーザーのレンズエラーの発生状況は、動画撮影中にズームを動かしたら突然レンズエラーに成ったとの事で、一回交換した後も、同じ動作の途中で2回目が発生したとの報告がある。
ズームした時に切れたと考えると、ズーム時に鏡筒は伸び縮みするから、絞りユニットも前後してストレスがフレキにかかり、最後のとどめをさしたと言うメカニズムもつじつまが合いそうだ。
↑上の様に、問題のフレキは、レンズが縮むと急角度で畳まれて狭い所へ収容される構造
実際の所、直接このフレキ切れが、今回のメーカー回収の原因かどうかは、私自身は、このレンズエラー品1台しか見ていないので何とも言えない所ではあるが、かなりいい線いってるような気がする。
ちなみに、キャノン製品で良く自主回収の案内を見かけるが、キャノンさん程大会社に成ると、ちゃんと修理部門からの情報が品証部門にフィードバックされていて、同一故障の発生率が一定値を超えると、部品や設計の追加検証を社内で行うシステムに成っていると思われる。
↑Canon HP より引用
なおかつ同一故障の発生率がさらに高い値の基準を超えると、自主回収をする選択肢が対応の中に含まれてくるシステムに成っているのではないかと予想する。
つまり今回のシリアル29~41までの機体では、発生率がこの基準を超えているので自主回収となったと予想される。
しかし、シリアル番号で29~41が改修対象と言う事は、43で始まる本機は、なんらかの対策部品のはずなのだが、これが対策部品なのだろうか?
↑Canon HP より引用
考えられるのは根本的な対策部品が間に合わないタイミングで、従来品に何らかの選別試験を実施して多少ストレス耐性の高い物を選別して使用したパターンも考えられる。
選別方法が完璧ならこれでも良いのだが、所詮暫定対策なので、不良の根本部分は取り切れていない可能性は高い。単に未対策品の中から少し強い物を選びだしただけで、保証期間の1年間は持っても、2年後には切れると言う事もあり得るだろう。
とりあえず選別品を使う事で同一モードでの故障率がぐっと下がるから、たぶん自主改修する自社内の基準の故障率を下回る事に成れば、自主改修対象から外す事もメーカーとしては妥当ともいえる。確かに自社内での自主回収基準の故障率を満足していれば、メーカの品証部門も首を縦に振らざるを得ないかもしれない。
とまあ、メーカさんの事情がこんなもんじゃないかと予想はした物の、結局の所この42とか43とかで始まるシリアル辺りは、どうにも貧乏くじを引かされてる臭い。
まあ、自主改修なので、改修を行う故障率の基準も各メーカで、自社の信頼を確保できるラインをどこまでと考えているか、たぶん各社色々な根拠をベースに規定しているのだろうから、同じ様に不良が多くても改修に成るメーカと成らないメーカーが有るのは仕方ない所である。
うちのブログ記事にもある、カシオのZシリーズの白飛び不良やダイニチのファンヒータの不良もかなり発生している様だが自主回収には成って無い事を考えると、キャノンは比較的良心的な方ではないかと私自身は感じている。
さて、改修に関する世迷い言(あくまでくっしーの予想でしかないので)はこんな所にして、問題のフレキ切れをどう対処するかである。カシオのZシリーズでは、余り部品のフレキを使って、フレキをつなぐと言う作業をしたが、Zシリーズの問題のフレキは0.5mmピッチだったから何とかなったが、今回はモーター側が0.3mmピッチ、エンコーダ側は0.2mmピッチと、もう当時からだいぶ老眼の進んだくっしーにはとても対抗できるピッチでは無い。
↑モータ側が0.3mm、エンコーダ側は0.2mmピッチ
と言う事で、ダメ元でメーカーのお客様相談室の問い合わせフォームから、部品入手が出来ないか問い合わせを出してみたので、しばらく回答を待つ事にしよう、、、
ちなみに、問い合わせは、出来れば、1):フレキ+エンコーダ、2):1)+モータ、3):絞りユニット(CM1-7205-000)の順で入手できないか?と、フレキ切れが今回の改修の主要因か?と言う2点である。
ちゃんと部品出してくれるかな、、、、以前にIXY30(30Sじゃない古い機種)のフレキが出ないかキャノンに聞いた時は、レンズユニットでしかないと言われて諦めたけど、せめて絞りユニットなら、改修で一杯使ってるから出そうな気もするが、、、、
2014.3.11(3/24)
PowerShot S100 ジャンク修理1 本体分解編
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