米作り奮闘記 高齢舎(田中ファーム)

還暦を迎え、ラストチャレンジは米作りです。孤軍奮闘、手探りの米作りは、どうなるでしょうか。

用水路の掃除  住吉池

2014年10月04日 | 稲作
米作りに絶対欠かせないのが水です。

現代は殆どの田んぼに用水路が整備され、日照りでも起こらない限り潅漑用水を確保できます。

住吉池は、130ヘクタールの田畑を潅漑する用水池として江戸時代から利用されてきました。

噴火口跡なので流入する川が無く、薩摩藩のお声掛かりで池よりも標高が高い寺師川と黒葛野川から取水、池まで用水路を作りました。

総延長は2,800mになりますが、殆どが手作業で掘ったトンネル部分です。

毎年10月1日に、地域の代表者らで一斉清掃を行います。

今回は総勢15名、手始めは寺師川の取水堰の清掃です。

続いて、トンネル内部の汚泥を除去する作業を行いました。

一人ずつレーキを手に、ヘルメットに装着したライトの灯りを頼りにトンネルの中に入ります。

手掘りのトンネル内は、岩がゴツゴツとして大人が行き来するのがやっとの幅です。

昔の人たちの身長なら合ったのでしょうか、高さも無いので頭を下げ腰を折り曲げて奥へ進みます。

水面下に溜まった汚泥はレーキで掻い出し、トンネルの所々に作られた排水堰へ水の勢いを利用して流します。

温度は涼しく汗ばむ程度ですが、窮屈な姿勢で瓦礫も混じった汚泥をガリガリ掻い出すのは大変です。

腰への負担は強烈で、一段落して排水堰に辿り着き、地上に出て背伸びをするとホッと安堵する瞬間でした。

午前中に3ヶ所のトンネル清掃を済ませ、午後からは4ヶ所目に取り掛かりました。

ここは、水路より数十センチ高い住吉池に水を流し入れるため、ユニークな逆勾配のトンネルになっています。

排水堰を閉めて水量を増やしてから一気に開け、流れ出る水の勢いで堆積していた大量の汚泥を描き出ました。

トンネルを終えると、草払い機で荒れ地の草刈り。

最後に、黒葛野川の取水堰と水路を清掃しました。

かなりの年配者も作業に加わっていましたが、こうした陰のご苦労が地域の米作りに役立っています。