魂に会う


ホール・オブ・ホールズはオルゴールなどに代表される自動演奏楽器のミュージアムです。比較的新しいものから、骨董品レベルのオルゴールまで沢山の所蔵品があります。



実はここを訪れた時、お客さんは我々だけ(笑)。一人男性がいらっしゃいましたが、後程これらの楽器をメインテナンスする技術者という事が判りました。写真は、自動演奏楽器としては珍しく野外設置を目的としたもので、ブラスバンド並みの演奏をします。この楽器が作られた頃は、当然今の様なビルなどは街に存在しなかった訳ですから、3kmの彼方までその演奏は響き渡ったといいます。



これは、世界に数台しかないといわれている笛を演奏する少年。演奏は、ふいごにより作られた風圧で行われ、演奏に同調して指も動きます。



なかなかの美男子ですね(笑)。演奏は、ロール紙にあけられたパンチの様な穴を機械的に読み取っての動作により行われるそうで、沢山の曲が用意されたのだそうです。



珍しいバイオリンの自動演奏楽器。三台のバイオリンを一台に見立ててバイオリンが動く事によりリング状の弓に当たって音が出るという仕掛け。よく見ていると、ビブラートの制御まで行っていて、なかなか見飽きる事がありません。









たまたま我々しかお客さんがいなかった為に、スタッフの方と話は弾み、いつもなら限られる演奏時間を全く無視して、色々な楽器を聞かせていただきました。そして、CABEZÓNは以前から気になっていた自動演奏楽器の事を聞いてみました。


「昔、演奏者の演奏その物を再現できる
ピアノの話を聞いた事があるのですが・・・」



すると、スタッフが



「ありますよ、こちらへどうぞ」








これが今は亡き有名な音楽家達の演奏を生で聴く事が出来るという自動演奏ピアノ・・・。まずは、ラフマニノフ「星条旗よ永遠なれ」、力強いタッチが確信に満ちた音楽の世界を感じさせます。そして、聞き終わったところでスタッフが


「ジョージ・ガーシュウィンのラプソディー・イン・ブルーもありますよ。
長いですけどお聴きになりますか?ご本人による連弾の記録です。」



ジョージ・ガーシュウィン本人のタッチやペダル操作まで細かく記録されたロール紙が飲み込まれて行く・・・



作曲家としてだけではなく、ピアノ奏者としても卓越した技術を持っていたといわれるジョージ・ガーシュウィンが、目の前で演奏を始めた。最初のトリルで一気に引き込まれて行く世界、、、




何という自由さだろう


何という流暢さだろう


そして、何という豊かな表現だろう




聴けば聴く程引き込まれて行く




自分はピアノの前から動けなかった




そして・・・




思わず、目から汗が出てきやがった







特別な計らいをしてくださったスタッフの方に感謝申し上げます。



Editor CABEZÓN


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