もうはっきりとした記憶が無い、それだけ長い年月が過ぎてしまった・・・・
事故のニュースで、乗客名簿のテロップがエンドレスで流れていた。
私はこの前の年の3月に、6年勤めた会社を辞めて郷里の鹿児島で暮らしていた。
「そういえば、毎年この日に帰省してたなー」と思いながら、ただテレビの画面を眺めていた・・・
「あっ!」乗客名簿のテロップが何周した頃だろう?愕然とすると同時に身体が震えた!
以前の会社の同僚が・・・・しかも二人。 I さん と D 君 なんて事だろう!何故?!
I さんは同期入社で2歳年上、温和な性格の優しいひとだった。
D 君は1年後輩で、無口だけどしっかり者だった。 二人とも20代なかば、
二人は会社の電算室のプログラマーで、言わば会社の頭脳とも言うべき存在だったのです。
私は課は違ったけど、同じフロアーの同じ部屋で1年ほど机を並べ仕事をしました。
これから、人生の一番輝ける時を過ごすはずだったのに・・・・
どんなに恐かっただろう! どんなにか無念だったろう!! 私はあの悲しみの日を絶対に忘れない!!
遠い遠い、遙かに遠い空の果て・・・ 「あの頃のように、ふたり仲良くやってますか?」
「毎年のことだけど、今夜の酒は涙の味がします・・・・」
「I さん、D 君、俺は・・・俺はもうこんな歳になってしまいました。」