滅多にコンサートをされない上路さんの激レアなコンサート。
コロナ禍前に2人でお茶したとき、「演奏会はあまりやらないけど、その分演奏の質には自信があります」とお話されていたのを鮮明に記憶しておりますが、そのお話に違わぬ素晴らしいコンサートでした。
私が興味を持っていたモーツァルト、お茶会の時に話に出たシューベルト、そして上路さんの研究していらっしゃるスクリャービン。
モーツァルトの装飾音について、上路さんは論文を書かれていました。以前のオンラインコンサートの時、モーツァルトを演奏されており、その装飾音や解釈にとても共感し、ぜひ生で聴きたい!と思っておりました。さて、そのモーツァルト。期待に違わぬ素晴らしさでした。あぁ…モーツァルトってこんな演奏したのかもしれないなぁなんて思いながら聴いていたのですが、現在のモダンピアノであの装飾をするのは大変ではなかろうかと思いました。モーツァルトが一気に超絶技巧に(笑)モーツァルトの時代にタイムスリップしたような音楽でした。
次に演奏されたのはシューベルト。即興曲D899全曲。これ全曲弾くだけスゴいなぁなどと私は思ってしまうのですが(笑)1曲目の出だし。全ての始まりであるビックバンであったり、舞台の幕開けなどと言われる頭ですが、これから何が始まるのだろう?という音。そこから巧みなペダルで世界を創りあげていました。
3番は私も今年何度か演奏した曲であったのでワクワク。55小節目のところが同じ解釈(と言ったら失礼だけど)でなんだか嬉しくなりました(笑)
後半は全てスクリャービン。上路さんがライフワークとしている作曲家。非常に若い時代の作品から。「幻想ソナタ」と名のついたこの作品、私は初めて聴いたのですが、スクリャービンってこんな曲書いてたんだ!と驚いたと同時に、その演奏の素晴らしさにも驚きました。前半からギアが1段階上がったよう。
その後は4番、7番、10番のソナタを。
私なんかからすると弾けるだけで凄いと思ってしまうのですが(笑)なんと言いますか、演奏者の理解力と演奏が繋がったからこそ生まれた立体的な音楽だったなぁというのが素直な感想。だからこそ、と言うかスクリャービンの思想的な部分にとても興味が湧きました。プログラムノートにもそのようなことが少し書いてありましたが、いずれどこかで上路さんの言葉で説明されたいと思いました。
演奏会はあまりやられないどのことですので、今後も機会は少ないかと思いますが、上路さんのコンサートがあれば可能な限り行きたいと思いました。いつかオール・スクリャービンなんかも聴いてみたいですね。そう思うほどに素晴らしいスクリャービンの演奏でした。終演後、帰路では1人であったもののかなり興奮状態でした(笑)
じゃバイバイ(^_^)/~~
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます