ライフ&キャリアの制作現場

くらし、仕事、生き方のリセット、リメイク、リスタートのヒントになるような、なるべく本音でリアルな話にしたいと思います。

107.仕事を辞めたくなったら

2019-05-12 13:42:32 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 新年度が始まって、約1か月が過ぎました。新たに社会人になった人、新たな役割や環境の中でスタートした人など、気持ちを新たにされた人も多いでしょう。まずまず順調な人やまだこれからとがんばっている人がいる一方で、さっそく壁にぶつかって戸惑っている人も少なくないのかもしれません。

 キャリアコンサルタントとして転職相談を受ける時、よく聴く話があります。「仕事の内容や労働条件が、思っていた内容と違っている。」「職場の人間関係や雰囲気が良くない。」「仕事が合わなくてやりがいがない。」など、転職したい理由です。それらは、多くの場合、仕事や職場に対する不満です。

 確かに、労働条件や職場環境などに大きな支障があって、転職を望むことがやむを得ない場合もあります。俗に言う「ブラック職場」かもしれません。しかし、そのような職場でも、がんばっている人はいないでしょうか。また、仕事のやりがいがないと言えるほど、仕事を覚えようとしたでしょうか。無理や我慢を強いるつもりはありませんが、不満の原因を他人や環境のせいにしているだけでは、別の所へ移っても同じことを繰り返すだけかもしれません。

 景気の回復に伴い求人情報も増えて、売り手市場となっている昨今ですから、適職を探したり、自分の可能性を広げたりするチャンスもあるでしょう。ただ、その前に、今の仕事に就くまでにかけた時間や動機を振り返り、今の仕事で出会った人や、得られた知識、経験の中にプラスの面はないか考えてみてはどうでしょうか。友人やご家族、できれば上司にも相談して、気持ちと頭の整理をしてからでも遅くないのではないでしょうか。これまでの事も、これからの事も、できるだけポジティブに考えられるようになって、今の仕事や周りへの影響にも配慮できるようになった時が、良いチャンスかもしれません。
 
・・・以上は、私が昨年4月にある雑誌に投稿したコラムです。10連休が終わり、5月も半ばになり、ふと思い出し投稿しました。(ブログ掲載につき運営企業様の了解を得ています。)
 <ワークネットコラム:おしごとコラム>
https://www.work-net.co.jp/column/corporate/
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105.気づかい

2019-04-23 23:02:01 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 新年度がスタートしたこの時期、周囲の人の動きを観察する機会も多い。転勤や転職で職場に来た人、近所に引っ越してきた人、社会に出たばかりの若者など。職場の会議や研修、趣味やプライベートな集まりなどで新たな顔ぶれに会うこともあるだろう。
 
 最近、周囲で気づかいの足りない大人を見かけることが度々あった。一つは、共用スペースを長時間占有しながら後片付けもしないビジネスマンの会議。会議中には、周囲にかまわず大きな声で携帯電話で話すことも。周囲に憚らず身内だけで盛り上がり、社内情報が洩れていることに気づかない。居酒屋でたまに見かける若手サラリーマン集団に似ている。もう一つは、持ち時間を守らないセミナー講師。気負いもあったのかもしれないが、決まったセミナー時間枠の中で、自分の持ち時間をオーバーするということは、他の参加者の持ち時間を削ることになり進行にも支障が出かねないという事に思いが至っていない。

 表現はきついが、前者は公共トイレなら汚してもかまわないのかということ。後者は、自分のためではなく参加者のためのセミナーということを忘れていないかということ。そして、いずれも周囲や他人への気づかいが足りないと感じた。

 気づかいとは、特別なことをしなくても、ちょっと周囲を見回して自分の置かれた状況や立場を考えてみたらできることではないかと思う。日ごろから挨拶や声かけをして、相手の存在を認める姿勢を示す。目上の人には敬語を使う。世話になったらお礼を言う。迷惑かけたら謝る。こんな事もできない大人が増えているのか、私の見方が厳し過ぎるのか。


気づかいも行き過ぎると気疲れするが、さりげなくが程よいかもしれない。「人に気づかいのできない奴はどんな仕事やってもダメだ」とビートたけしが言っていた。もっともだと思う。つい気づかいを忘れた時は、思い出してその次は忘れないようにしたい。

 

 
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104.相談員の第一印象

2019-04-15 22:45:31 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 民間企業であれ行政相談窓口等の相談員であれ、初対面の相手から個別相談を受ける時に、自らの第一印象に気を使っている人はどのくらいいるだろう。その場にふさわしい服装だけでなく、挨拶、表情、マナー、姿勢や態度、声や言葉づかいなど。
 
 相談に来る人は、第一印象でその相談員が信用できるかということを感じたり判断したりしていることが多い。よって、相談員は相談者がなるべく話しやすい雰囲気づくりや、相手を尊重するマナーによって、関係構築を心がける。特別なことをしなくても、挨拶や基本動作を怠らなければよい。例えば、相談室にやって来る相談者に対して、こちらが座ったまま迎えたり見送ったりしない。立って迎える。立って見送る。ドアの開け閉めはこちらがする。名前を名乗る。ため口で話さない。そんなことあたりまえだと思う方も多いだろうが、果たして現実はどうだろう。

 先日、東北地方のある市役所で、窓口業務の職員のマスク着用を原則禁止したというニュースを聞いた。マスクが必要な体調の職員は、後方業務の担当にするらしい。事務的な手続きの窓口ならまだしも、一対一の個別相談の場で、相談員がマスク着用のままで表情がわかりにくかったり、声が聞き取りにくかったりすると、相談者が不安、不快になることは十分考えられる。

 こう言うと、風邪気味だから仕方ないじゃないかと弁解されることがある。確かに、現場や本人にやむを得ない事情があるのかもしれない。しかし、常時マスク着用では自分の都合を優先しているだけで、相手を尊重する意識が足りないのではないか。例えば、ホテルや銀行などのサービス業の職員がマスク着用のまま接客しているだろうか。

 「相談に乗ってやってる。自分が何とかしてやる。」そんな不遜な意識や態度で、相談者をがっかりさせたり裏切ったりするのは失礼だ。ちょっとした動作に、自身の仕事に対する姿勢や本心が表れる。

 
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103.会社づくりは人づくり

2019-03-31 23:31:04 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 「夢なき者に理想なし。理想なき者に計画なし。計画なき者に実行なし。実行なき者に成功なし。故に夢なき者に成功なし。」「夢を持つことは勇気がいること。その夢が利己心や損得勘定から野心に変わった時から夢はブレて行く。」「うまく行った時は、おかげ様。悪い事は、自ら反省。」

 先日、八天堂の社長の講演を拝聴する機会があった。内容は、自らの経験から得た経営哲学や先人の処世訓、有名な経営戦略の理論なども織り交ぜられていたが、その情熱的な話しぶりに胸を打たれた。

 社長の話の中で、私が一番印象的だったことがあった。「会社をつぶしかけた私に最後までついてきてくれたのは、私があまり仕事ができないと思っていた社員達だった。」つまり、あまり要領は良くないかもしれないけれど、仕事に愚直にこつこつと向き合って、困難から逃げなかった(逃げるところがなかった?)社員ということだ。だから、社長は業績が回復しても驕らず地道に、社員を恩人のように大切にする姿勢を貫いている。「会社づくりは人づくり」という理念を本気で思い続けて、小さなことから実行し続けている。

 よくありがちな格好の良い成功談や上から目線の精神論にはない共感があった。それは、社長が大きな挫折や苦悩を乗り越えても、まだ会社づくりは道半ばとおっしゃり、粉骨砕身の思いで社員一人一人を大切にする姿勢が感じられたからだろう。

 社長はこうも言った。「経営には羅針盤となる戦略や数字も大事。」当然のことだ。しかし、どんなに綿密な戦略やきれいな経営デザインなど作ってみても、それらを実行するのは社員である人間だ。絵に描いた餅に終わらせないためには、理念や思いの共有と、特にリーダーの夢、情熱、行動が必要。もうひとつ。どんな仕事も、お客様という「人」からの目線や「人」への気遣いを忘れたら、画竜点睛を欠くことになるのだろう。大切なことを思い起こせた講演だった。
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101.手づくり、手さぐり、手加減なし。

2019-02-24 14:02:20 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 「手づくり、手さぐり、手加減なし。」私たちがセミナーや研修の企画、運営、講師をする際の基本姿勢である。自主企画の場合だけでなく、依頼や委託を受けた場合も同様。主催者の意向をくみ、運営スタッフ等とできるだけ打ち合わせしながら、参加者(お客様)にとって楽しくためになる場づくりを心がけてる。

 「手づくり」とは、既成のテキストや格好いいレジュメやスライドを用いて一方的に話すだけでなく、できるだけ参加者目線に立って臨機応変に巻き込みながら、よりライブ感のある雰囲気づくりに努める姿勢。「手さぐり」とは、前例やプログラムを踏まえながらも、その通りにするだけではなく、より分かりやすく楽しくするための工夫を厭わない姿勢。「手加減なし」とは、どんな仕事でも引き受けた以上は、参加者に誠実に向き合い、質疑応答や必要なアドバイスは極力その場で行い、全力で取り組む姿勢のこと。講師の立場なら、研修会に呼んでもらった「ゲスト」ではなく、主催者やスタッフとより良い場づくりに努める「ホスト」の役割を意識する。あるいは、その時間をより有意義な場にするファシリテーターの役割を心がける。主役はあくまでも参加者であることを忘れずに、手抜きせず、マナーやルールも守るのも当然。

 このような姿勢で仕事をしていると、参加者の理解や共感を得られやすい。そして、評価は主催者の反応や参加者アンケートから読み取るようにしている。特に、アンケートに書かれたコメントからは、自信を深めたり反省を促されたり、気づきがある。自己満足にならないよう謙虚に受けとめて、仕事に生かすようにしている。

 一仕事を終えて、「今度はいつあるんですか?」「またぜひやってください!」と、初めての参加者や主催者からこのように言ってもらえたら、一層の手ごたえと喜びを感じる。この基本姿勢を大切に守り高めたいと思う。


 

 
 

 

 

 
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100.人生100年時代の社会人基礎力

2019-01-31 17:45:16 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 「人生100年」と言われても、正直なところ実感はない。私の場合100年の半分余りの人生だし、この先数十年生きたとしても、その先のことなどイメージできない。想像してみたところで、今の想像以上に大きく世の中が変わっていることだろう。50年前、鉄腕アトムはあくまで空想アニメの話だったが、AIが身近に感じられるようになった今、空飛ぶペッパー君が現れても不思議ではない。そのような技術革新が目覚ましく進む一方で、日本では少子高齢化が進み人口減少社会が現実となることは間違いないのだろう。

 昨年、経済産業省が作成した「人生100年時代の社会人基礎力について」という報告書を見ていて、これからの時代は「公助、共助、自助」があるとすれば、「自助」の部分がますます大事になってくると改めて思った。できるだけ長く職場や地域社会で、自立して働いたり役割を担ったりしながら生きて行くためには、必要なヒューマンスキルをもう一度磨いておかないと、自分らしい暮らしや人生はままならないと感じた。

 私は今、ファイナンシャルプランナーやキャリアコンサルタントとして、研修企画、講師、個別相談等を行うことで人材育成や対人支援にかかわっているが、このような分野は将来AIに取って代わられて仕事がなくなるという意見もある。一つの見方として耳を傾ける必要はあるが、仕事の本質を理解していない評論家的な意見に右往左往する必要もない。どんな仕事でも、環境の変化や人のニーズに対応できなければ淘汰されるだけのことと考えるからだ。そして、競合や過渡期を経て、全体として適切な質を持った人材が必要な数だけ残ればよいと思う。

 そもそもあと何年生きるかなんてわからないのだから、仕事もくらしも雑念に惑わされず、一日一日をできるだけ大事に積み重ねて行く方がよい。その力になるヒントは、これまでの自分の人生や身近な人の生き様の中にもあると思う。
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98.一緒に働きたい人

2018-11-04 11:38:58 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 「一緒に働きたい人」はどんな人かと考えてみた。職場の上司や先輩なら、尊敬できる人や面倒見の良い人か。それでいて責任感があり公平な人か。同僚なら、誠実で前向きな人か。部下や後輩なら・・・。私はサラリーマン時代、そもそも一緒に働きたいとか働きたくないとか、あまり考えなかった。職場の人間関係は選べないから、わがままを言ったら仕事はできないからだ。
 それでも、職場は人の集まりだから、なるべくなら周囲に「一緒に働きたい人」が多い方が働きやすい。自分自身も「一緒に働きたい人」と周囲から思われた方が居心地も良いだろう。一人一人に役割や責任があり、個人の成果が問われることはあっても、組織の一員として働く以上、職場での人との関わりや協調は欠かせないから。
 このブログを読んでいただいている方がもし就職活動をされているなら、応募先の面接担当者から「一緒に働きたい人」と見てもらえそうか、考えてみよう。「大丈夫」と思えるなら、それで良い。特に、正社員や長く働くことを目指している場合は、その視点は必要と思う。
 それほど難しい事ではない。自分がどう見られているか、採用担当者になったつもりで想像してみるとよい。仕事に対する適性や能力、意欲はもちろん大事だが、採用担当者の視点はそれだけだろうか。
 採用したい人材に関する企業アンケートでは、「コミュニケーション能力」が常に上位にある。「コミュニケーション能力」とは、幅広く曖昧な概念だ。挨拶や気遣いができる人。自分の意見を言うだけでなく人の話も聞いている人。八方美人ではなく、誠意が感じられる人。私は、そんな人と長く一緒に働きたいと思う。また、そういうことを人に求めるだけでなく、自分自身もそうあろうと心掛けたい。忙しいとつい忘れていることがよくあるが。職場の人間関係は、仕事の効率や成果にも影響しがちだし、ひいてはキャリアをも左右する可能性があると思う。
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97.職場の風通し

2018-08-28 23:17:24 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 「風通しの良い職場」とはどんな職場だろうか、自分の職場はどうだろうか。働く人々にとって関心の高い問題だが、その基準や評価はよくわからない。一番の理由は、人事異動などによって人が変われば職場の雰囲気も変わるし、特に上司の影響は大きいからだろう。あるアンケート調査では、上司と部下のコミュニケーションに何らかの問題があると答えた職場が半数以上だった。また、同じ風でも、人によって涼しいと感じたり、寒いと感じたり、何も感じなかったりと、感じ方や価値観も人それぞれだから。

 一般論だが、風通しも含めて職場環境整備やコミュニケーションの改善は、基本的にリーダや管理職の責任(安全配慮義務)が大きい。とは言え、会社は全ての事情をくみ取ることはできないから、風通しが良かろうが悪かろうが、まずは自分の役割や仕事に忠実に向き合う姿勢が大切だ。ただ、その職場に長く在籍し権限を有する立場の者などに、その職責を曖昧にし組織を私物化するかのような不公正な兆候が見られる時は、事実関係を確認したうえで冷静に周りに相談したり援助を求めることが必要だ。私物化の対象は、人、物、金、情報、時間など。これらのうちの一つでも兆候があればイエローカードだ。例えば、身内贔屓、備品や場所の占有、カラ出張、情報漏洩、サポタージュなど、犯罪要件に該当する場合すらあるかもしれない。「そんなつもりはなかった。」では、責任ある立場の者としては倫理的にも許されない。最近は情報社会でありコンプライアンス意識も高まっているので、内々に処理することはまず不可能だ。

 職場の風通しは心の窓を開ければ改善するかもしれないが、腐敗した部分は除去しないと周囲のモチベーションが下がる。組織は冷徹だ。風通しの変化は、結果的に自分にとって良い転機となるかキャリアの挫折となるかわからないが、忍従は組織の中で必ずしも美徳ではないと思う。
 
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95.グループアプローチ

2018-08-11 22:41:41 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 先日、ある公的機関のキャリア支援関連のセミナーでグループアプローチを取り入れた。個別相談による支援と合わせて、自己理解支援や仕事理解支援に有効な場合がある。

 比較的大人数のセミナーだった。参加者の年齢層は20代から70代まで。大多数は初めて参加した方々だった。テーマは、仕事の価値観に関することなど。時間は約2時間。単なる意見交換の場ではなく、簡単な個別作業の後、ファシリテーションによって各自が仕事の芯になる価値観に気づいたりヒントを得たりすることを目的とした。パートナー講師と二人態勢でファシリテーターを務めた。

 正直なところ、始めるまではうまく場を回して行けるのかと不安もあった。しかし、始まるとほぼ全員が席を立ち、動き、用意した様々な形の色画用紙やマジック、クレヨンなどを使って作業に取り掛かった。シンプルなもの、手の込んだもの、カラフルなものなど様々な「作品」ができ上って行った。そして、各自の「作品」を5、6人のグループメンバーでシェアしてもらった。真剣に、笑顔で、メンバーそれぞれの話にうなずいたり、拍手を送ったり。最初緊張気味だった参加者も、自分の話を初対面の相手にも聞いてもらい、他人の話を聞くうちに、和やかな表情になり場の空気は温まって行った。

 起業予定者、移住希望者、個人事業主、主婦、就職活動中やシニアの方など様々だったが、特に組織から離れている方々の中には、自分の考え方や価値観を誰かに認めてもらいたいという思いを持っている方が多いと感じた。自分の考え方と違っていても、「そういう考え方もあるんだ」と認める。新たな発見があれば素直に取り入れる。

 グループアプローチの効果を実感し、ファシリテーターの役割を再認識したセミナーだった。それから忘れてはいけないことは、「参加してよかった」と言ってもらえる場づくりの準備とスタッフとの協働だと思う。

 

 
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94.地道な仕事に癒される

2018-07-12 10:20:55 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 梅雨の長雨と災害報道の連続に何となく心が萎えて、このコラムの『78.変わらない姿勢』に書いた串焼き店に気分転換のつもりで行ってみた。先日からの記録的豪雨により、近隣地域でも多大な災害があったが、自分の生活圏では幸い大きな被害はなく、事業所や店舗等もほぼ通常業務を行っていた。

 店に入ると、「はーい、いらっしゃーい。」と変わらない元気な声。自分の顔が少しほころぶ感じがした。とりあえず飲み物から頼もうと、カウンターのお品書きを手に取ろうとすると、高さ15センチほどの卓上型のPOP広告が目に入った。地酒の冷酒の小瓶で、銘柄も酒蔵もあまりなじみがなかったが、好きな純米大吟醸生貯蔵酒だった。よく見ると、「400年余の伝統の技で醸した最高の一品」との誇らしげなキャッチコピーが控えめに書いてある。値段はお手頃。さっそく連れと二人で一本頼んでみることにした。

 うまく表現できないが、「すっきりと飲みやすくて上品な味わい」と言った感じだった。その店は、日本酒をあまり置いていない店なので、もう一本注文しながら店主に聞いてみた。「おいしいお酒ですね、こういう冷酒も置くことにされたんですね。」店主が言った。「そうですか、それは良かった。手売りで、置いてくれって(営業に)来たんで。」店主に頼んだ。「これからも置いておいてください。ワイングラスにも合うと思う。」

 伝統の技で作られた日本酒とワイングラスはミスマッチな感じもするが、初めて飲んだ時の印象を、「手売り」で店にやってきたという営業マンに伝えたいと、そして暖簾を守り続けてきた酒蔵に行ってみたいと思った。地味でも地道に地域に根差して働いている人々に思いを馳せると、萎えていた気持ちが直った。店主や店員のひたむきな姿勢と快活な声、伝統の技の一品を作り売る人々への想像、たっぷりとニンニクをつけた串焼きで元気づけられたひとときだった。
 
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