出張の帰り、JR西日本のターミナル駅で、ある光景に目が留まった。時間に余裕があった私は、若い駅員に切符を見せながら、食事のために改札を出ようとした。若い駅員は、途中下車が可能な切符か慎重に確かめながら小さなゴム印を押し、「どうぞ行ってらっしゃいませ。お戻りの際はこちらの改札をご利用ください。」と、てきぱきとした対応だった。
食事を済ませた私が同じ改札に戻ると、先ほどの若い駅員が到着列車から改札に流れてきた人波に、「おはようございます・・・おはようございます・・・おはようございます・・・」と、適度な間隔で大きな声で普通礼(約30度)をきちんと繰り返していた。表情は少し硬かったが、実習中で緊張しているのかもしれないなと思いながら私は見ていた。
人波が途切れた頃、今度は初老の着物姿のご婦人が、行き先や時刻を示す電光掲示板を見ながら乗車する電車を確かめていた。すると、そのご婦人に先ほどの若い職員がすっと近づき声をかけた。その様子をしばらく見ていて、私ははっとした。それは、若い駅員が軽くひざを曲げて腰を低くし、ご婦人とほぼ同じ目の高さで同じ方向(電光掲示板)を見ながら案内をしていたのだ。よくある光景と言ってしまえばそれまでだが、「お客様目線に立つ」とか「お客様目線を大切にする」には、このような姿勢から始めることが大切だと思った。誰しも口で言うのは簡単だが、身につけるには日ごろからの心がけも必要と思う。
研修で身につけたのか自然な動作だったのかはわからないが、この駅員にはお客様目線に近づこうとする気持ちや、基本動作を丁寧に確実に身につけること、そしてサービス精神を忘れずに、公共交通機関を支える一員としてのキャリアを積み重ねて行ってほしいと勝手に思った。
自分自身を振り返ったとき、内心忸怩たる思いが起きた。心がじんわりと熱くなったささやかな光景だった。
食事を済ませた私が同じ改札に戻ると、先ほどの若い駅員が到着列車から改札に流れてきた人波に、「おはようございます・・・おはようございます・・・おはようございます・・・」と、適度な間隔で大きな声で普通礼(約30度)をきちんと繰り返していた。表情は少し硬かったが、実習中で緊張しているのかもしれないなと思いながら私は見ていた。
人波が途切れた頃、今度は初老の着物姿のご婦人が、行き先や時刻を示す電光掲示板を見ながら乗車する電車を確かめていた。すると、そのご婦人に先ほどの若い職員がすっと近づき声をかけた。その様子をしばらく見ていて、私ははっとした。それは、若い駅員が軽くひざを曲げて腰を低くし、ご婦人とほぼ同じ目の高さで同じ方向(電光掲示板)を見ながら案内をしていたのだ。よくある光景と言ってしまえばそれまでだが、「お客様目線に立つ」とか「お客様目線を大切にする」には、このような姿勢から始めることが大切だと思った。誰しも口で言うのは簡単だが、身につけるには日ごろからの心がけも必要と思う。
研修で身につけたのか自然な動作だったのかはわからないが、この駅員にはお客様目線に近づこうとする気持ちや、基本動作を丁寧に確実に身につけること、そしてサービス精神を忘れずに、公共交通機関を支える一員としてのキャリアを積み重ねて行ってほしいと勝手に思った。
自分自身を振り返ったとき、内心忸怩たる思いが起きた。心がじんわりと熱くなったささやかな光景だった。