とある神社の近くにある公園を散策していた昼下がり
公園のタブの木の堂々した姿に魅せられて、森の奥に入って行きました
道は丘の上に続いていて、途中で小さく狭く、道の踏み跡もわずかになっている。
行く先の見当はついているので、そのまま進み、丘の上に出ると趣味の農園や梅が
点在し、向かいにマンションのような建物が建っていて、綺麗な河津桜が満開に
なっている・・・
その桜に見とれていたら、 近くを上品なおばあちゃんが通りかかりました
それで、思わず道を尋ねる私
「すみません、下の公園から上がって来たのですが、ここはどこになりますか ?」
なんという無茶な質問だこと・・・(笑)
すると、そのおばあちゃん・・
「まあ、なんて元気な方なんでしょう、いいですね。お若いのね~」
と・・‥微笑みながら話をはじめられました。 明るく朗らかなお人です
目の前にある建物は老人ホームとの事
自分はそこに住んでいる事、 そして、88歳になっている事、
87歳まで、自分はまだ若いと思っていたけど、 88歳になって、やっと
老人の自覚が出来た事
遠く離れた所に住んでいて夫を亡くし、 家は処分し、老人ホームに移った事
食事は自分で作っている。 散歩は日課にしないと足が弱る
自分は亡き夫の年金で暮らせるからいいけれど、今の若い人達は大変ね~と
明るいおばあちゃんのおしゃべりを聞くのも楽しいものです
立ち話だったので、 近くのベンチに座ってもらって、色々な話を聞きました
すぐに時間は過ぎて、 空気も冷たくなってきたので、
「また、逢えたらお話をしましょうね」と言いながら、お別れしました
来た道と反対側の大きな道を案内してもらい、そこを下りながら振り返ると
おばあちゃんが手を振っています
私も手を振ります
初めて出会った、おばあちゃんなのに、楽しい時間でした
ただの散歩がこんなに穏やかな会話の時間になるなんて・・・
普段とは違う場所を歩くのもいいものです
思わず、亡き母が恋しくなる・・・
子と母と 語りたい頃 母は亡く