止めるまで ~ 中百舌鳥スタンディング行動
~ ガザ虐殺を 20250120
私たちは、堺市民有志の呼びかけで、イスラエルによるガザ大虐殺に抗議し、このジェノサイドを止めるために、毎月2回、今年から第1・第3月曜日に、曜日を変更して堺市内4か所で同時行動を行ってきました。
今日はやっと、ついに、暫定ではありますが、誰もが心から願い続けていた停戦合意のニュースをお伝えできます。
イスラエルは、停戦合意が発表されてからも、激しい空爆を続け虐殺を続け、ネタニヤフ首相は、停戦前から戦争再開をちらつかせる発言をしています。イスラエルが本当に約束を守るのか、先行きは不透明で、まだ予断は許しません。ですが、イスラエルとパレスチナ双方が合意したことは事実です。ぜひとも、これが恒久的な停戦となることを、そして1日も早い復興を願うばかりです。ただそれは、容易なことではありません。
ガザでは、すでに少なくとも4万6000人以上が殺害され、何万人もがガレキに埋もれ、10数万人が負傷して薬も治療のあてもない状態でいると伝えられています。これはパレスチナ当局の発表ですが、この数字は、大幅に過小評価されているということが何度も指摘されています。
インフラ施設・設備が、とくに医療関連施設とそのシステムがほとんど破壊され医療関係者が意図的に殺害され、拘束され拷問死に追いやられてきました。そうやって医療インフラが崩壊し、正確な集計ができなくなっていることが最大の理由です。
イギリスの医学雑誌ランセットに掲載された、ロンドン大学、イエール大学などによる調査では、死者数は推定6万4000人を超え、これはパレスチナ保健省の公式発表より41パーセントも多いのです。
しかも、発表されている犠牲者数には、餓死や治療できないことによる関連死が含まれていません。餓死者が急増しています。大雨と厳しい寒さの中で凍死も続出しています。手当てをすれば助かる命が、通常なら命に係わるはずのない軽微なケガや病のために多くの命が次々に失われ、それら関連死を含めれば、犠牲者数は20万とも30万人以上とも推定されています。
封鎖されているために他国へ逃れることもできないガザの人々は、何度も強制的に退避することを迫られ、安全区域だと言われていたところも難民キャンプさえもが次々と爆撃されてきました。
街中に下水があふれ、ゴミがあふれ、衛生環境は悪化の一途をたどり、水道も電気もない生活が1年以上も続いています。真冬に暖房器具もなく、あったとしても電気も燃料もないために使えません。数日に一度のわずかな食事しか口にできない人々が増えています。空腹は凍死のリスクを高めます。だから、体力・抵抗力の弱い幼い子どもたちが真っ先に犠牲になり次々と凍死しています。
急速に広がる飢餓と、寒さと、病と、そして爆撃の恐怖にさらされながら、雨水を飲み、本来ヒトの食べ物ではないものを、家畜のエサや道端の雑草まで食べつくし、死体をあさっていた野良犬や野良猫まで捉えて飢えをしのいでいると伝えられています。
イスラエルによる虐殺はエスカレートし、意図的に子どもたちを狙って殺し続けていることが、現地の医師や国際支援組織のスタッフによって多数証言されています。文字通りのジェノサイド、民族浄化の残酷極まりない作戦が続けられてきました。
ガザ全土に、一刻も早く十分な水と食料と医薬品、そして生活必需品を届け、医療スタッフをはじめ支援活動組織が活動できるようにしなければなりません。
ガザは、アメリカとその同盟国が供給し続ける新兵器の実験場となり、イスラエルは、人々を大量に殺し続けているだけではなく、人々が生きるために必要な基盤を全面的に計画的・組織的に破壊してきました。
すでに、住宅、道路、電気・水道施設などのインフラのほとんどを破壊しました。医療システムそのものを破壊し、農地を破壊し、基幹産業だった漁業も破壊しました。有毒物質が、土壌と地下水と大気を汚染し、汚水処理施設や廃棄物処理施設も破壊され、想像を絶する環境破壊が進んでいます。戦争は最大の環境破壊です。
さらには、教育の破壊、文化の破壊、歴史的遺産の破壊、そのことを世界に伝えようとするジャーナリストの殺害も組織的に計画的に進められてきました。イスラエルは、ガザとパレスチナの存在そのものを、パレスチナが存在した歴史そのものを、抹殺しようとしてきました。パレスチナの人々の驚異的な抵抗によって、その目論見は失敗です。ですが、人々の暮らしは徹底的にズタズタに引き裂かれました。
停戦が実現し、恒久停戦に進んだとしても、復興には何十年もかかります。そして殺された人々は戻ってきません。手足を切断された人々の体は元には戻りません。その大半は子どもたちです。
米国は仲介するフリをしながら、口先では「人道」を語りながら、大量の武器と弾薬をイスラエルに供給し続けてきました。その米国では、あのトランプ元大統領が返り咲き、今日がその就任式です。誰よりもイスラエル寄りだと言われるトランプ大統領の下で何が起こるか予測がつきません。イスラエルが建国以来繰り返してきた殺戮が、再び繰り返されないように、国際社会は、警戒を緩めず注視しなければなりません。
そして皆さん、ガザで起こったことは、日本の置かれた状況と決して無関係ではありません。奥深いところでつながっています。主流メディアがほとんど報じないために、私たち国民が知らないうちに、安倍政権から始まった大軍拡は、歴代政権にも引き継がれ、沖縄・南西諸島をはじめとして、急ピッチで大規模な軍拡政策と戦争準備が進められています。日本を、戦争のできる国にするための多くの法律が、少数与党になる前に、すでに国会を通過しています。
イスラエルを全面的に支援するアメリカという国は、世界中に軍事基地を持ち軍隊を展開している国です。各地で対立を煽り、火種をまき散らしています。2023年の調べでは、世界中で902の米軍基地があることが分かっています。そのうち日本にどれくらいの米軍基地があるかご存知でしょうか? なんと98もあります。世界中にある米軍基地902の1割以上が日本にあり、そのうち約7割が沖縄に集中しています。
ご存じのように、その沖縄で2023年12月に起こった米兵による16歳未満の少女に対する性暴行事件は、政府によって半年以上も隠蔽され、何の対策も取られない中で、次々と米兵による性暴力事件が起こっています。加害者の米兵も、米軍も、日米両政府も、被害者とその家族に対して、沖縄県民に対して、いまだに一言の謝罪さえしていません。
しかも、この事件への一連の抗議活動が行われている最中の、昨年11月に、またしても沖縄で米兵による性暴行事件が起こっていたことがつい最近1月になって発覚しました。有効な対策が全く講じられていないことの証明です。
1月24日の金曜日、11時から、米領事館前で抗議行動があります。平日の昼間ですが、可能な方はぜひご参加ください。
米軍基地がある限り、政府が自国民を犠牲にしてでも軍備拡大を優先し、米軍におもねり、米兵の犯罪を隠蔽する限り、沖縄に平和は訪れません。沖縄だけではありません。日本全国にある米軍基地のほとんどすべてにおいて、米軍関係者による性暴行事件は「プライバシー保護」を盾に隠蔽されていることが分かっています。米軍基地周辺で、多くの被害者が泣き寝入りを強いられているのです。
「プライバシー保護」とは、年齢や住居や学歴など本人特定につながる情報を伏せることで、中傷やいやがらせなどの二次被害を防ぐことであって、事実そのものを隠蔽することではありません。事実の隠蔽は被害者ではなく加害者を擁護し、犯罪を助長することにつながります。事実が明らかにされない限り、被害者に寄り添うことも、抗議の声を上げることも、警戒心を喚起し対策を講じることもできません。そうやって、政府は米軍による性暴力・性犯罪を野放しにしてきたのです。
米軍基地がある限り、この理不尽をなくすことはできません。基地建設が、戦争準備が、米軍基地の存在そのものが、沖縄県民、私たち国民の人権を、尊厳を踏みにじっています。
米軍は日本の国民を守ったりしません。戦争挑発を繰り返し、実際に戦争が始まれば、自衛隊を指揮下に置いて自分たちは安全な後方から指揮し、命令し、日本と日本の国民を盾に、前哨基地として使う、それがアメリカの基本姿勢です。国民を守るためには、政府は、米軍と一体となった軍備増強をやめて、対話と友好関係を築くことを真剣に追求すべきです。
沖縄・南西諸島をはじめ、日本各地で進められている急速な軍備増強、戦争準備は、沖縄を戦争の標的にすることであり、それは日本全土を巻き込むことになります。今、止めなければ、取り返しのつかないことになりかねません。パレスチナの惨劇は、近い将来の日本の姿かもしれません。
ガザの惨状が二度と繰り返されないように、日本が戦場にならないために、日本が戦争の加害者にも被害者にもならないために、共に声をあげましょう。私たち自身と、子どもたちの未来を守りましょう。日本が世界に誇るべき平和憲法にふさわしい国であることを、心から望みます。(大阪府堺市中百舌鳥駅街頭にて)