ベネズエラ・ラテンアメリカ短報No.114
( 2024年10月17日報告)
(コロンビア: 新たなクーデター策動 要約)
・ コロンビア初の左翼大統領グスタボ・ペトロが2022年8月に就任して以来、右翼と米帝によるクーデター策動が繰り返し行われてきた(表面化した主なものとしては23年5~6月のものと24年2月のものがある)。そのたびに、ペトロ政権を支持する人民の運動によって策動は阻止されてきた。 / ペトロ大統領の就任以降、政治的経済的改革、反政府ゲリラとの和平交渉、ベネズエラとの関係改善が急速に進んだ。それらを阻止しようとする反革命策動が継続的に行われている。
・ 今回は、9月段階からクーデター策動が表面化。 / 全国選挙管理委員会(CNE)が、2年前の大統領選挙での違反容疑でペトロ大統領に対する調査を数か月前に開始し、この10月はじめ、不正の告発と起訴状の提出へと進んだ。 / たびたび警告を発してきたペトロ大統領は、10月8日、クーデターの試みについて新たな警告を発して、人民に結束を呼びかけた。ペトロを支持する人々がCNEを批判し、人民がクーデター反対の大規模なデモを展開。 / 現状は一定の小康状態。
・ CNEの調査と起訴は違法である。CNEが選挙違反を調査し告発できるのは、憲法で選挙後30日以内と定められている。また、CNEに現職大統領に対する調査の権限はない。それには下院の承認が必要だが、下院承認はない。 / ペトロ大統領の正当性を否定するキャンペーンで不安定化を推進しようとしており、単にクーデター策動の口実づくりであるのは明らかである。 / ペトロ大統領殺害計画も暴露されている。
・ オリガーキーの手中にあるコロンビアの主要メディアは、大統領の信用を失墜させる激しいキャンペーンを行なっている。 / この2年間、大統領に対するデマやキャンペーンを繰り返してきた。証拠も示さず、間違いが証明されても訂正しないのである。
・ 今回のクーデター策動は、近年ラ米で多く繰り返されてきた「法戦(lawfare)」であると指摘されている。「法律(law)を武器とした戦争(warfare)」で、クーデターを合法化しようとするものである。 / これまでラ米カリブの多くの国で繰り返されてきた。各国の反動的寡頭勢力と、覇権の衰退の下でもラ米カリブを「裏庭」として統制下に置いておこうとする米帝が、繰り返し策動しているのである。
・ 10月9日、ALBA―TCP(米州ボリバル同盟)がクーデター策動を非難。 / 10月10日、ベネズエラでコロンビアの状況に対処するための「学術・政治フォーラム」開催。
・ コロンビアでは、長い内戦を背景に、社会運動家・活動家が数多く殺害されてきたが、それにイスラエルが深く関わっていた。イスラエルのエージェントがコロンビアの殺人部隊・準軍組織の訓練と大量虐殺計画の立案に加わっていたのである。 / そのような背景の下で、5月に、イスラエルとの国交断絶。その直後にパレスチナに大使館開設へ。
・ ペトロ政権が発足して数か月後、23の反政府武装グループとの間で対話と交渉を開始。最も主要なFARC(コロンビア革命軍)との停戦・和平を実現。それに続いてELN(民族解放軍)との和平交渉も前進し停戦合意までは達成。だが、右翼からの妨害活動でたびたび中断し、まだ交渉中。
【なお、コロンビアについての報告は22年8月のペトロ就任の時以来なので、その後の主だった記事も収録。】
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(コロンビア: 新たなクーデター策動)
Orinoco Tribune October 16, 2024 By Carmen Parejo Rendón – Oct 14, 2024
Lawfare, Smear Campaigns, and Lies in Colombia
(コロンビアにおける‶法戦(lawfare)″、中傷キャンペーン、そして嘘)
コロンビアでグスタボ・ペトロが勝利して以来、彼の政府の道のりは容易ではなかった。大統領が提案した社会改革(選挙プログラムに含まれていたもの)のほとんどすべてが、他の政治勢力によって覆された。 / ペトロ大統領に対する政治戦争、メディア戦争が始められた。コロンビアのメディアは少数の手に集中し、そのほとんどはオリガーキー(寡頭政治家)の手中にあった。そして、Caracolやその他のメディアを所有するPrisaグループ(スペイン)などの多国籍通信会社は、この国の資源に対するコントロールを失うことを恐れ、大統領の信用を失墜させる激しいキャンペーンを開始した。 / ペトロに対する公然の戦いの中で、コロンビアのジャーナリストたちは、国際的な極右メディアに倣い、2年間、大統領に対するデマやキャンペーンを放送してきた。彼らは証拠も示さず、間違いが証明されても訂正しない。 / このシナリオの中で、ついに10月8日にペトロの大統領選挙運動に対する告訴を策定するという全国選挙管理委員会(CNE)の決定に至ったのである。 / コロンビア憲法は、選挙期間中に選挙運動と投票の両方で発生したとみなされる異常事態の調査をCNEが開始できるのは選挙後1か月以内と定めている。この場合、2年が経過している。 / CNEが調査を求めている経済献金は、実際には選挙運動に関係するものではなく、選挙連合に参加していた政党のひとつである「Colombia Humana」が受け取った資金である。 / この意味で、コロンビアの政党助成金に関する法律が定めるところによれば、「Colombia Humana」党が受け取ったとされる金額は、ペトロ自身が明らかにしたように、選挙戦の資金調達とは無関係の事実、つまり選挙戦の勝利を祝う党のために使われた資金に相当するため、不正はない。 / CNEの矛盾のひとつは、選挙から2年も経っているので、いかなる種類の調査を開始する権限もないことである。同様に、CNEには現職大統領に対する調査を開始する権限もない。下院が調査を承認する必要があるが、現時点では下院の承認はない。 / これらの事実を考慮すると、コロンビア右翼がペトロを打倒し、国内の社会改革を阻止するキャンペーンの次のステップは「ロー・フェア(lawfare)」になることが直感的にわかる。【法戦(lawfare): 法律(law)を武器とした戦争(warfare)】 / この「法戦」のメカニズムは、ラテンアメリカに限ったものではないが、近年このメカニズムが最も効果的に発展したのはこの地域である。 / ざっと見てみると、メキシコシティ市長だったロペス・オブラドールに対するロー・フェア、ブラジルでのジルマ・ルセフの解任とルラ・ダ・シルバの投獄、アルゼンチンでのクリスティーナ・フェルナンデスに対する司法攻撃、エクアドルでのラファエル・コレアに対する包囲、またホンジュラス、パラグアイ、ボリビアで起こったように、このツールを使ってクーデターを「合法化」したケースなど。 / ペトロに対する攻撃の基礎には、自らの特権に疑問を投げかけるいかなる社会改革も拒否するコロンビアの寡頭政治がある。その上に、ラテンアメリカの統合に対する恐れがある。ラ米統合は、各国の寡頭勢力と国際的な支配者による攻撃に対して政治的主権を守るための重要な要素である。そして、頂点にあるのは、米国の国際的覇権がますます深く疑問視される中で、米国が「裏庭」とみなす地域を統制下に置いておく必要性に他ならない。
Orinoco Tribune October 13, 2024
President Petro Is Not Alone: Colombia Marches Against Coup Attempt
(ペトロ大統領は一人じゃない: コロンビアはクーデター未遂に反対してデモ行進)
コロンビア人民は、右翼がグスタボ・ペトロ大統領に対して実行しようとしているクーデターに抗議するため街頭に出た。「#MarchoContraElGolpe」(「私はクーデターに反対してデモ行進します」)というスローガンを掲げ、コロンビア左翼のさまざまな政治・社会勢力がボゴタのボリバル広場に集まった。
Orinoco Tribune October 10, 2024
‘The Coup Has Begun’: Colombia’s President Petro Warns of Attempts to Depose Him
(「クーデターが始まった」: ペトロ大統領、退陣させようとする試みについて警告)
ペトロ大統領のコメントは、10月8日、国家元首を調査する憲法上の資格を持たないコロンビア全国選挙管理委員会(CNE)が、2022年大統領選に向けて設定された制限に違反した疑いで、彼に対する調査を開始し起訴状を提出することに同意した数分後になされた。 / CNEがペトロを捜査すると公表されると、政府連合に近いコロンビアのさまざまな政府関係者や政治家たちはすぐにその決定に疑問を呈した。
teleSUR October 10, 2024
Venezuela: Academic and Political Forum Meeting to Address the Situation of Colombia
(ベネズエラ: コロンビア情勢に対処するための学術・政治フォーラム会議)
ベネズエラのイバン・ヒル外相は、10月10日、カラカスで「コロンビア情勢に関する政治・学術フォーラム」の設置を主導した。このフォーラムは、二国間関係に焦点を当て、この国の安定に貢献し、グスタボ・ペトロ大統領に対するクーデターの脅威に立ち向かうことを目指している。
teleSUR October 10, 2024
Colombia Seeks to Participate in the Belt and Road Initiative
(コロンビア、「一帯一路」構想への参加を目指す)
10月10日、コロンビアのルイス・ムリーリョ外相は、コロンビアと中国が「一帯一路」構想へのコロンビアの加盟交渉のための作業部会を結成したと発表した。 / ラテンアメリカの20カ国以上が「一帯一路」構想に参加しているが、コロンビアはまだ参加していない。ただし、同国は重要なインフラおよび鉱業プロジェクトを中国企業に委託している。 / ムリーリョ外相の中国訪問は、グスタボ・ペトロ大統領が1年前に中国を訪問したのに続くもの。ペトロ大統領は、習近平国家主席と二国間関係を「戦略的パートナーシップ」のレベルに引き上げることで合意した。両氏は貿易、開発、科学、教育に関する問題について12件の協力協定に署名した。
teleSUR October 9, 2024
Colombia: ALBA-TCP Reiterates Denunciation of Attempted Coup D’état
(コロンビア: ALBA-TCP、クーデター策動の非難を改めて表明)
10月9日、「米州ボリバル同盟・人民貿易協定(ALBA-TCP)」は、コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領に対するクーデター策動の非難を改めて表明した。
teleSUR October 9, 2024
Electoral Investigation Against Colombian President Is Part of An Ongoing Coup
(コロンビア大統領に対する選挙調査は進行中のクーデターの一環)
極右勢力はグスタボ・ペトロ大統領の正当性を否定することでコロンビアの不安定化を推進している。 / 10月9日のteleSURのインタビューで、ジャーナリストのルイス・アルフォンソ・メナは、コロンビアのエリート層がグスタボ・ペトロ大統領に対するクーデターを画策していると非難した。 / 「国家選挙評議会(CNE)がペトロ大統領に対して開始した手続きは違憲かつ違法であるだけでなく、まったく時期を失した(untimely)ものでもある」と、大統領選挙資金の不正疑惑に関する捜査開始に言及して同氏は述べた。 / 「法律では、この種の不正行為に関する苦情や申し立ての提出期限を30日と定めている」とメナは指摘し、ペトロが就任してから2年以上が経過していることを想起した。 / 同氏は、また、憲法裁判所がラ・グアヒラ県の社会的緊急事態など、重要な問題に対処することを目的としたペトロ政権の多数の法律を無効にしていることを想起した。 / 10月8日、CNEのセサル・ロルデュイ会長は、ペトロ大統領に対する正式な調査を開始した。選挙当局は、ペトロ大統領、選挙運動責任者のリカルド・ロア、および同氏のチームの他のメンバーが選挙資金規則違反の疑いで責任を問われるべきだと考えている。CNEは、彼らが支出限度額を超え、禁止されている資金源に頼ったと疑っている。
Peoples Dispatch October 08, 2024 by Zoe Alexandra
Gustavo Petro warns that CNE investigation into campaign financing is part of coup plot
(グスタボ・ペトロ、CNEによる選挙資金の調査はクーデター計画の一部だと警告)
コロンビアの全国選挙管理委員会(CNE)は、10月8日、選挙資金の不正疑惑でグスタボ・ペトロの2022年大統領選キャンペーンを調査し告発することを決議した。CNEは、グスタボ・ペトロ、彼の選挙運動責任者リカルド・ロア、キャンペーンの他の3人のメンバー、および政治運動「Colombia Humana」と「愛国連合(UP)」党を調査すると発表した。この発表はCNE会長セサル・ロルデュイによって行われた。 / CNEの決定を受けて、グスタボ・ペトロ大統領はXに「クーデターが始まった」と書いた。彼は、さらに、「CNEは共和国大統領を調査することは決してできないし、その権限もない。これはクーデターの始まりだ。大統領の不可欠な司法権が侵害され、法の支配と国民投票と民主主義の尊重が破壊された」と述べた。
Orinoco Tribune September 20, 2024
Petro Warns of Coup Brewing in Colombia
(ペトロ大統領、コロンビアでのクーデター勃発を警告)
グスタボ・ペトロ大統領は、キンディオ県アルメニア市でクーデター計画が持ち上がっていると報告した。アルメニア市は資金力に恵まれていて、保守党所属の実業家で政治家のエフライン・セペダ上院議長を大統領に就任させようとしている。 / 非主流メディアの代表者との会談で、大統領は、政府に対する差し迫った脅威と考えていることの詳細を明らかにし、これらの試みには多額の資金が関わっていると指摘した。ペトロ大統領は、ボリビアのルイス・アルセ大統領に対する軍事蜂起未遂事件やペルーのペドロ・カスティージョ大統領弾劾事件など、ラテンアメリカ諸国における最近の出来事について言及した。また、クーデター計画者たちは彼の殺害を計画しており、「命令はすでに下っている」「あとは実行するだけだ」ともコメントした。 / ペトロ大統領は、さらに、代替メディアの重要性について語った。 / 大統領は、覇権的メディアに対する反抗的な姿勢を継続する中で、その発言を行なった。 / ペトロは、ここ数週間のトラック運転手のストライキを、1973年9月11日にチリで実行されたサルバドール・アジェンデに対するクーデターと比較した。
Peoples Dispatch September 19, 2024 by Pablo Meriguet
Colombians mobilize in support of pension reform and against “institutional” coup that would seek to remove Gustavo Petro (コロンビア人民は、年金改革を支持し、グスタボ・ペトロ大統領の解任を企てる「制度的」クーデターに反対して結集)
コロンビア大統領は、野党が法的手段で大統領を解任し議会議長に交代させようとしていると警告した。 / 9月19日、数千数万のコロンビア人民が全国の町や都市の広場に集まり、民主的に選出されたグスタボ・ペトロ政権を打倒しようとするコロンビア右翼の試みを拒否し、同政権の年金改革への支持を表明した。最新の陰謀は、9月12日に国家元首によって糾弾された。ペトロ大統領は、政府を転覆させて現在共和国議会の議長であるエフライン・セペダ・サラビアに取って代わる計画が進行中であると説明した。 / この計画は、ボリビア、ブラジル、ペルーで実行されたクーデターに似ている。
teleSUR 16 de septiembre de 2024 (スペイン語)
Asamblea popular culmina en Colombia expresando su apoyo a Gustavo Petro
(コロンビアでグスタボ・ペトロへの支持を表明する人民集会が最高潮に達する)
ボゴタの国立大学での会合に出席した人々は、クーデター疑惑とコロンビア大統領暗殺計画の告発に直面して、コロンビア大統領への団結を示した。 / 社会集会の主催者らは、9月19日、国家元首を支援しその改革を擁護するための動員を呼びかけた。
teleSUR Published 23 May 2024
Colombia Begins the Process to Open Embassy in Palestine
(コロンビア、パレスチナに大使館開設の手続きを開始)
木曜日(5/23)、グスタボ・ペトロ大統領は、コロンビア外務省が国内にパレスチナ大使館を開設するために行うプロセスについて説明した。 / ルイス・ムリージョ外相は、「パレスチナに大使館を開設する手続きが始まった」と述べた。 / コロンビア外交使節団をラマッラに設置する決定は、5月2日に、イスラエルとの国交が断絶したことを受けて行われた。 / また、コロンビアが長年にわたりパレスチナを国家として承認し、最近ではパレスチナの人々を守るために南アフリカとともにハーグの国際司法裁判所でイスラエルを国際法違反で起訴したことにも注目すべきである。 / コロンビアは、パレスチナを国連で本格的な国家として認め、世界機関が提案する二国家解決策を認めてもらうというラテンアメリカの要求を主導してきた。
Orinoco Tribune MAY 15, 2024 By Dan Cohen – Oct 16, 2023
The Secret History of Israel’s Role in Genocide in Colombia
(コロンビアでの大量虐殺におけるイスラエルの役割の秘密の歴史)
かつて同盟国であった2国の間で外交の論争が勃発しているので、私が2021年に発表した、コロンビアにおける殺人部隊(death squads)の訓練と大量虐殺計画の立案におけるイスラエルのエージェントの役割に関する暴露記事を再掲する。
【コロンビアの社会運動家・活動家が数多く殺害されてきたが、それにイスラエルが深くかかわってきたことを暴露している。約2万5,000語の超長文。略】
Orinoco Tribune MAY 2, 2024
Colombia To Break Diplomatic Relations With ‘Israel’
(コロンビア、「イスラエル」との国交断絶へ)
グスタボ・ペトロ大統領は、水曜日(5/1)、パレスチナ人3万4568人以上を殺害し7万7765人を負傷させたガザ地区での大量虐殺行為を理由に、「イスラエル」との国交を断絶すると発表した。
INTERNATIONALIST 360° on FEBRUARY 19, 2024 Carlos Cruz Mosquera
Colombia’s Right Is Trying to “Soft Coup” Gustavo Petro
(コロンビアの右翼はグスタボ・ペトロを「ソフトクーデター」しようとしている)
20カ月前まで200年連続で国家を独占してきたコロンビアのエリートたちが、左翼のグスタボ・ペトロ大統領の政権運営を妨害しようとすることは予想されていた。コロンビア人の大多数が求めた変革のプロセスを弱体化させようとするこの努力には、誤報キャンペーンから議会での政策阻止まで、あらゆるものが関わっているが、進歩的プロジェクトを転覆させようとする、より直接的で洗練された戦略もあった。 / ブラジルの法制度がルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァとディルマ・ルセフに対して、アルゼンチンの法制度がクリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネルに対して成功裏に行使された後、コロンビアのエリートたちはペトロに対して同じことを行おうとしている。成功すれば、コロンビア初の左翼政権の敗北を意味するだけでなく、米国とラ米カリブの資本家階級にとって大きな勝利となる。
Plensa Latina February 4, 2024
Support for Colombian president after allegations of coup d’état
(コロンビア: クーデター疑惑後、大統領に支持)
グスタボ・ペトロ大統領は、フランシスコ・バルボサ検事総長が企てたクーデター未遂を糾弾した後、多方面から支持を受けた。
teleSUR Published 2 October 2023
Maduro Stresses Need To Boost Colombia-Venezuela Trade
(マドゥーロ大統領、コロンビアとベネズエラの貿易促進の必要性を強調)
ニコラス・マドゥーロ大統領は、月曜日(10/2)、ベネズエラとコロンビアは、両国民のニーズを満たすために生産を高める強力な基盤にならなければならないと述べた。 / 「コロンビアとベネズエラの平和と恒久的な結合は、強力な経済基盤を築くことによって今日築かれようとしている」とマドゥーロ大統領は語った。9月25~28日にカラカスで開催されたコロンビア・ベネズエラ・マクロ商談会について言及した。 / このイベントでは1,200以上の商談が行われ、コロンビアから530社、ベネズエラから410社の計900社が参加した。 / 「コロンビア・ベネズエラ・ビジネス・マクロ円卓会議2023」は、国民の基本的なニーズを供給し、両国の経済・貿易の発展に貢献するための16の基本的な生産部門における戦略的関係を確立することを目的としていた。
【23年2月に両国大統領が国境で会談し、新貿易協定に調印している。】
Peoples Dispatch September 29, 2023 by Peoples Dispatch
Colombian Indigenous and social organizations march against violence in Bogotá
(コロンビアの先住民および社会団体がボゴタで暴力反対のデモ行進)
抗議者たちは、また、コロンビアの社会的現実を変革しようとするグスタボ・ペトロ政権が議会で提示したさまざまな社会改革への支持を表明した。 / 9月25日から27日にかけて、コロンビアの10県から15,000人以上の先住民が首都ボゴタに到着し、パラミリタリーの暴力によって先住民コミュニティが直面している人道的危機に国家政府の注意を喚起した。
Peoples Dispatch August 09, 2023 by Laura Capote
Gustavo Petro’s first year: Social and environmental justice and regional integration
(コロンビア: グスタボ・ペトロの1年目: 社会的環境的正義と地域統合)
2023年8月7日、グスタボ・ペトロ政権は1年を迎えた。 / ペトロ大統領就任の年の特徴は、高等教育の無償化、農地改革、ベネズエラとの外交関係再開、医療、労働規制、年金の改革の試みであった。 / 国内、地域、そして国際的な要素が、この12ヶ月の政権運営を特徴づけてきた。これらの要素には、変革への政治的意志、政府の改革によって自分たちの利益が影響を受けると考える経済部門が主導する反対運動、農民、先住民、貧困にあえぐ多様な人々が、社会正義のプロジェクトによって、まったく目に見えない状況から政府政策の表舞台に登場したという事実などがある。 / (以下、小見出しと主要な内容) 成果と今後の改革【農地改革が一定の進展】 / 社会正義を伴う全面的平和【ELNとの和平の進展 / 社会正義と並んで環境正義は政府の第二の柱】 / グラン・コロンビアのボリバル的夢と地域統合【ベネズエラとの国交回復 / CELACの強化に積極的に参加しUNASURに復帰】
Peoples Dispatch July 25, 2023 by Peoples Dispatch
Paramilitary violence takes more lives in Colombia
(コロンビアで準軍組織の暴力がさらに多くの命を奪う)
この1週間で、先住民指導者1人、社会指導者1人、FARCの元メンバー1人が暗殺され、新たな虐殺で3人が殺害された。 / グスタボ・ペトロ大統領の左翼政権によって和平に向けて大きく前進し、活動家を標的にした殺害が減少したにもかかわらず、パラミリタリー(準軍組織)の暴力による被害が続いている。
teleSUR Published 21 July 2023
Petro Proposes a National Agreement to Propel Colombia Forward
(ペトロ大統領、コロンビアを前進させる「国民的合意」を提案)
木曜日(7/20)、コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は、社会改革を達成し、“進歩”に向かうための「国民的合意National Agreement」を議会に提案した。 / ペトロ大統領は、独立記念日に新議会(2023-2024年)を開会する際、「今こそ共和国議会を巻き込んだ国民的合意の時だ」と述べた。 / 演説の中でペトロは、世界的な気候危機に焦点を当て、その後、平和、農地改革、麻薬との闘いなど、この国が必要としていることを述べた。 / 農地改革の必要性 ペトロはまた、コロンビアを前進させ、暴力の主要な問題のひとつである土地所有権に対処するために、大規模な農地改革を提唱した。 / 「農地改革はコロンビアの主要な問題が土地であることを示している」と彼は述べ、このステップを踏むことが「国内市場を拡大し、農業から労働力を解放し、工業化のための基本的な条件を築く」ことになると強調した。
teleSUR Published 20 July 2023
Colombians Mobilize in Support of President Gustavo Petro
(グスタボ・ペトロ大統領を支持するコロンビア人民の動員)
「労働者中央会(CUT)」は、コロンビア人が独立記念日を祝う木曜日(7/20)に、グスタボ・ペトロ大統領を支持するデモ行進を呼びかけた。 / このイベントには「コロンビア教育者連盟(FECODE)」などの団体も参加する。市民は午後2時にボゴタのボリバル広場に集まる。 / コロンビアの首都を象徴するこの場所から、労働者たちは、議会で労働、年金、医療規制を改革する法案を提出するペトロへの支持を確認する。
Peoples Dispatch June 21, 2023 by Peoples Dispatch
Labor reform bill faces setback in Colombia
(コロンビアで労働改革法案が挫折に直面)
この法案は、右翼活動家らがグスタボ・ペトロ政権に抗議する小規模な集会を開催したその同じ日に棚上げされた。 / コロンビア議会下院第7委員会は、6月20日、グスタボ・ペトロ大統領とフランシア・マルケス副大統領率いる同国初の左翼政権が提出した労働改革法案を棚上げした。委員会は、議会の最終日である火曜日(6/20)にこの法案について採決する予定だった。 しかし、定足数に満たなかったため投票は行われなかった。 / ペトロ大統領は議会での法案の否決を嘆いた。 / 大統領は「変革政府は働く男女の利益を放棄しない」と強調した。 / 数人の進歩派指導者や労働組合活動家は、同国の伝統政党や保守層がこうした改革の推進に賛成していないため、この日に起こったことは大統領自身が非難していた「ソフトクーデターの一部」であると警告した。
Peoples Dispatch June 07, 2023 by Zoe Alexandra
“We will not give in to blackmail”: Colombians defend government and progressive reforms
(「我々は脅迫には屈しない」: コロンビア人民、政府と進歩的改革を防衛)
コロンビアの右翼は、進歩的なグスタボ・ペトロ大統領の政府に対して攻撃を開始した。 / グスタボ・ペトロ政権が提案した労働、年金、医療改革を支持するため、コロンビア全土で数千数万の人民が街頭に立った。CUTやCTCなど国内の主要労働組合連合が呼びかけたこの動員は、右派政治家や主流メディアが繰り広げている政府に対する不安定化キャンペーンに対応するものでもある。
【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2023.06.10 Saturday)に全訳あり】
teleSUR Published 7 June 2023
Colombia Marches In Support Of President Petro's Reforms
(ペトロ大統領の改革を支持するコロンビアのデモ行進)
ボゴタ、バランキージャ、メデジン、サンタマルタ、カリの各都市で大規模なデモが行われた。【「ブエノス・アミーゴス」(2023.06.12 Monday)に全訳あり】
teleSUR Published 7 June 2023
Colombian Conservatives Seek Soft Coup Against President Petro
(コロンビアの保守派、ペトロ大統領に対するソフトクーデターを目指す)
保守派は、反民主主義的な目的のために法律を操作することに加え、ペトロの権威を弱めるために警察や軍隊の中で密かに働いている。 / 水曜日(6/7)、400人以上の世界的に有名な進歩的政治家や知識人は、極右勢力がグスタボ・ペトロ大統領に対してクーデターを起こそうとしていると非難した。
teleSUR Published 7 June 2023
Colombians to March in Support of President Petro's Reforms
(コロンビア人民、ペトロ大統領の改革を支持し行進へ)
コロンビアの主要な労働組合によって招集されたこの動員は、右翼による政治的不安定化の試みを拒否するものである。 / 水曜日(6/7)、社会諸組織はコロンビアの主要都市で行進し、グスタボ・ペトロ大統領と彼の医療・労働・年金改革への支持を表明する予定である。 / この動員は、「コロンビア労働者連合(CUT)」、「コロンビア労働者連盟(CTC)」、「コロンビア教育労働者連盟(FECODE)」によって5月31日に発表された。 / 学生、女性、農民の団体は、水曜日のデモ行進への参加を確認したほか、ペトロに対する「ソフトクーデター」を試みているように見えるコロンビアの右派が行う不安定化行動に反対することを宣言した。
Peoples Dispatch May 12, 2023 by Peoples Dispatch
Colombian President Gustavo Petro warns of coup plot against him
(コロンビア: グスタボ・ペトロ大統領、自身に対するクーデターの企てに対して警告)
水曜日(5/10)、コロンビア軍の退役軍人が、大統領に抗議し罷免を要求するためにボゴタに集まった。 / ペトロは、「La W」ラジオでの討論で木曜日(5/11)に退役陸軍大佐ジョン・マルランダがおこなった扇動的な発言に言及している。退役軍人の動員は、「予備軍が腐敗した大統領を排除することに成功した」ペルーの歩みをコロンビアが踏襲していることを示すものだ、とマルランダは述べた。さらに、「ここでは、ゲリラの戦闘員だった人物を排除するために全力を尽くす」とも述べた。 / 5月10日、約3,000人の退役軍人がボリバル広場に集まり、グスタボ・ペトロ大統領の政権と国家安全保障政策に反対した。彼らは、特に、ペトロ大統領の「完全和平」計画を問題視した。政府は、この計画に基づいて、国内の多数の異なる武装グループと和平交渉を行い、いくつかの停戦を確立している。 / 退役軍人はまた、ペトロと「歴史的盟約」の議員たちが推進する医療保険制度改革や労働改革などの進歩的な改革を批判した。退役軍人の多くは「アウト・ペトロ!」と要求し、彼が元ゲリラ集団のメンバーであることに特に反対を表明した。 / このような状況の中、退役大佐の犯罪的な発言は、進歩的な勢力の間で、ペトロに対するクーデター計画の可能性に対する深刻な懸念を呼び起こした。 / ペトロが直面する主要な課題の1つは、歴史的にコロンビアの歴代右翼政権の同盟国である米国、コロンビアの腐敗と犯罪の構造に深く絡み、左翼を抑圧し排除する歴史的政策の要である米国の、巨大な軍隊機構にどう対処するかということである。
Orinoco Tribune MAY 2, 2023
Sharp Turn in Colombia Towards Emergency Government
(コロンビアで緊急政権への急転換が進む)
4月25日、「SAE(コロンビア特別資産協会)」が管理するLa Caleraの土地から1,000ヘクタールの肥沃な土地を90世帯の農民に引き渡した自治体Zarzalでの衝撃的な演説で、大統領は、まずもって、土地政策を破壊する議会の決定を非難した。その決定は議会における地主の力を示している。 / 「政府は今、緊急事態を宣言しなければならない」とペトロ大統領は語った。「緊急事態」とは、昼夜を問わず、政府のチームが、食料の価格を下げる方法、農民に土地を提供する方法、より多くの食料を植えさせる方法、したがって価格を下げる方法に取り組むことだ。 / 中道主義は終焉を迎えつつある 【中道政党からの閣僚たちが農地改革などのペトロの政策に反対したことが述べられている。】 / 保守党、自由党、U党との「連立政権」の終了を大統領が宣言した。 / 左へのシフトにより、政権のプロフィールをより明確に定義し、真の変革の道へと導くことが可能になる。また、ペトロ大統領が提案しているように、労働者、カンペシーノ、中産階級の街頭や歩道での動員にもすべてがかかっている。
【大統領を支える労働者・人民の闘いが高揚するかどうかが焦点。】
junge Welt 2023.4.28 Von Frederic Schnatterer
Petro geht in die vollen
(コロンビア: ペトロが満を持して前進)
コロンビア大統領、7人の閣僚を交代させ連立解消を宣言。背景には、中央の改革プロジェクトに対する封鎖的な態度がある。 / 水曜日(4/27)、コロンビアの左翼大統領グスタボ・ペトロは、一度に7人の閣僚を交代させた。ペトロは、ツイッターを通じて、新内閣は「何百万人ものコロンビア人が投票した変革の道」を継続すると発表した。新政府は今後、「コロンビアの大多数の市民と国民に奉仕する社会変革のアジェンダ」のために努力を重ねることになる、と。 / ペトロと協力関係にあったいくつかの政党が、彼の健康改革に反対票を投じようとしていたことが知られていた。 / 政党連合「歴史的盟約」の議席数が約25%にすぎないペトロにとって、自らの計画を押し通すことの困難さはここ数カ月で増している。直近では、小規模農家への土地分配を規制するはずだった「国家開発計画」の2つの条文が、議会で否決された。労働改革や年金改革など、政府の中心的な他のプロジェクトも停滞している。
Orinoco Tribune APRIL 27, 2023
Colombia’s President Petro Appoints New Cabinet
(コロンビアのペトロ大統領、新内閣を任命)
4月26日に発表された声明の中で、コロンビア大統領は、「今日、政府のプログラムを強固にするための新しい内閣が作られる」と述べている。 / ペトロ大統領は、国民に宛てた書簡の中で、自身の政府が「何百万人ものコロンビア人が投票した変革を実行するためのロードマップを確立した」と改めて強調した。 / 「歴史的盟約」に亀裂が入る ペトロ大統領のこの主張は、水曜日(4/26)午後に下院で医療改革を生み出した国会審議の分裂を受けたものである。 / ペトロの同盟政党である保守党、自由党、ラ・ウー党は、下院の第7委員会ですでに第一段階として承認されていたこの改革に背を向けた。 / しかし、大統領のイニシアチブは、政党から処分される危険を冒した自由党のマリア・エウヘニア・ロペラ代議士の賛成票のおかげで、可決された。
Peoples Dispatch February 15, 2023 by Peoples Dispatch
Colombians hit the streets in support of Petro’s progressive reforms
(コロンビア: ペトロの進歩的な改革を支持し、人民が街頭に)
2月14日、数十万人のコロンビア人が全国で街頭に出て、グスタボ・ペトロ大統領が推進する経済・社会改革への支持を表明した。 / 火曜日(2/14)、ペトロ大統領は、野党が拒否している社会改革を実施するためには国民の支持が必要だと述べた。彼は、労働と年金に関する改革を提示するとともに、大学教育への無料の普遍的アクセスを保証するプログラムを推進し、貧困家庭や貧しい高齢者に補助金を提供する予定であることを改めて表明した。【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2023.02.16 Thursday)に全訳あり】
teleSUR Published 27 January 2023
Colombian President to Promote Pension, Labor, Health Reforms
(コロンビア大統領、年金・労働・医療改革を推進へ)
木曜日(1/26)、コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は、年金、医療、労働制度に関する一連の改革を間もなく議会に送付すると発表した。
Peoples Dispatch December 01, 2022 by Peoples Dispatch
23 irregular armed groups in Colombia join President Gustavo Petro’s ‘Total Peace’ policy
(コロンビア: 23の非正規武装グループがペトロ大統領の「完全平和」政策に参加)
コロンビアの人権団体「開発平和研究所 (INDEPAZ) 」は、11月29日、国内で活動している少なくとも23の非正規武装グループが、グスタボ・ペトロ大統領の「完全平和」政策に参加する意向を表明したと報告した。 / この報告は、コロンビア政府と ELN の間の対話プロセスが再開されてから 1 週間後に行われた。 11 月 21 日、ベネズエラのカラカスでの最初の会合の後、ペトロ政府と ELN の代表団は、正義のある民主主義に基づく平和を構築するプロセスを前進させる意欲を表明した。
Peoples Dispatch October 11, 2022 by Tanya Wadhwa
Colombian government makes historic advance towards agrarian reform and peace
(コロンビア政府、農地改革と和平に向けて歴史的前進を遂げる)
政府は、土地を持たない農民や土地不足の農民に再分配する目的で、土地を売却する意思のある牧畜業者から300万ヘクタールの生産性の高い土地を適正価格で購入する予定。 / この合意により、ペトロ政権は選挙公約の2つ、社会正義の追求と国の平和の確立を前進させた。この合意により、2016年11月にFARCゲリラ集団と締結したハバナ和平協定の第1点を満たす「包括的農村改革」の実施が可能になった。 / ペトロの農地改革 コロンビアでは、人口の0.4%が農村部の土地の46%を所有している。広大な土地の最大の所有者は牛の牧場主である。選挙期間中ペトロは農地改革を導入すると公言した。
( 2024年10月17日報告)
(コロンビア: 新たなクーデター策動 要約)
・ コロンビア初の左翼大統領グスタボ・ペトロが2022年8月に就任して以来、右翼と米帝によるクーデター策動が繰り返し行われてきた(表面化した主なものとしては23年5~6月のものと24年2月のものがある)。そのたびに、ペトロ政権を支持する人民の運動によって策動は阻止されてきた。 / ペトロ大統領の就任以降、政治的経済的改革、反政府ゲリラとの和平交渉、ベネズエラとの関係改善が急速に進んだ。それらを阻止しようとする反革命策動が継続的に行われている。
・ 今回は、9月段階からクーデター策動が表面化。 / 全国選挙管理委員会(CNE)が、2年前の大統領選挙での違反容疑でペトロ大統領に対する調査を数か月前に開始し、この10月はじめ、不正の告発と起訴状の提出へと進んだ。 / たびたび警告を発してきたペトロ大統領は、10月8日、クーデターの試みについて新たな警告を発して、人民に結束を呼びかけた。ペトロを支持する人々がCNEを批判し、人民がクーデター反対の大規模なデモを展開。 / 現状は一定の小康状態。
・ CNEの調査と起訴は違法である。CNEが選挙違反を調査し告発できるのは、憲法で選挙後30日以内と定められている。また、CNEに現職大統領に対する調査の権限はない。それには下院の承認が必要だが、下院承認はない。 / ペトロ大統領の正当性を否定するキャンペーンで不安定化を推進しようとしており、単にクーデター策動の口実づくりであるのは明らかである。 / ペトロ大統領殺害計画も暴露されている。
・ オリガーキーの手中にあるコロンビアの主要メディアは、大統領の信用を失墜させる激しいキャンペーンを行なっている。 / この2年間、大統領に対するデマやキャンペーンを繰り返してきた。証拠も示さず、間違いが証明されても訂正しないのである。
・ 今回のクーデター策動は、近年ラ米で多く繰り返されてきた「法戦(lawfare)」であると指摘されている。「法律(law)を武器とした戦争(warfare)」で、クーデターを合法化しようとするものである。 / これまでラ米カリブの多くの国で繰り返されてきた。各国の反動的寡頭勢力と、覇権の衰退の下でもラ米カリブを「裏庭」として統制下に置いておこうとする米帝が、繰り返し策動しているのである。
・ 10月9日、ALBA―TCP(米州ボリバル同盟)がクーデター策動を非難。 / 10月10日、ベネズエラでコロンビアの状況に対処するための「学術・政治フォーラム」開催。
・ コロンビアでは、長い内戦を背景に、社会運動家・活動家が数多く殺害されてきたが、それにイスラエルが深く関わっていた。イスラエルのエージェントがコロンビアの殺人部隊・準軍組織の訓練と大量虐殺計画の立案に加わっていたのである。 / そのような背景の下で、5月に、イスラエルとの国交断絶。その直後にパレスチナに大使館開設へ。
・ ペトロ政権が発足して数か月後、23の反政府武装グループとの間で対話と交渉を開始。最も主要なFARC(コロンビア革命軍)との停戦・和平を実現。それに続いてELN(民族解放軍)との和平交渉も前進し停戦合意までは達成。だが、右翼からの妨害活動でたびたび中断し、まだ交渉中。
【なお、コロンビアについての報告は22年8月のペトロ就任の時以来なので、その後の主だった記事も収録。】
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(コロンビア: 新たなクーデター策動)
Orinoco Tribune October 16, 2024 By Carmen Parejo Rendón – Oct 14, 2024
Lawfare, Smear Campaigns, and Lies in Colombia
(コロンビアにおける‶法戦(lawfare)″、中傷キャンペーン、そして嘘)
コロンビアでグスタボ・ペトロが勝利して以来、彼の政府の道のりは容易ではなかった。大統領が提案した社会改革(選挙プログラムに含まれていたもの)のほとんどすべてが、他の政治勢力によって覆された。 / ペトロ大統領に対する政治戦争、メディア戦争が始められた。コロンビアのメディアは少数の手に集中し、そのほとんどはオリガーキー(寡頭政治家)の手中にあった。そして、Caracolやその他のメディアを所有するPrisaグループ(スペイン)などの多国籍通信会社は、この国の資源に対するコントロールを失うことを恐れ、大統領の信用を失墜させる激しいキャンペーンを開始した。 / ペトロに対する公然の戦いの中で、コロンビアのジャーナリストたちは、国際的な極右メディアに倣い、2年間、大統領に対するデマやキャンペーンを放送してきた。彼らは証拠も示さず、間違いが証明されても訂正しない。 / このシナリオの中で、ついに10月8日にペトロの大統領選挙運動に対する告訴を策定するという全国選挙管理委員会(CNE)の決定に至ったのである。 / コロンビア憲法は、選挙期間中に選挙運動と投票の両方で発生したとみなされる異常事態の調査をCNEが開始できるのは選挙後1か月以内と定めている。この場合、2年が経過している。 / CNEが調査を求めている経済献金は、実際には選挙運動に関係するものではなく、選挙連合に参加していた政党のひとつである「Colombia Humana」が受け取った資金である。 / この意味で、コロンビアの政党助成金に関する法律が定めるところによれば、「Colombia Humana」党が受け取ったとされる金額は、ペトロ自身が明らかにしたように、選挙戦の資金調達とは無関係の事実、つまり選挙戦の勝利を祝う党のために使われた資金に相当するため、不正はない。 / CNEの矛盾のひとつは、選挙から2年も経っているので、いかなる種類の調査を開始する権限もないことである。同様に、CNEには現職大統領に対する調査を開始する権限もない。下院が調査を承認する必要があるが、現時点では下院の承認はない。 / これらの事実を考慮すると、コロンビア右翼がペトロを打倒し、国内の社会改革を阻止するキャンペーンの次のステップは「ロー・フェア(lawfare)」になることが直感的にわかる。【法戦(lawfare): 法律(law)を武器とした戦争(warfare)】 / この「法戦」のメカニズムは、ラテンアメリカに限ったものではないが、近年このメカニズムが最も効果的に発展したのはこの地域である。 / ざっと見てみると、メキシコシティ市長だったロペス・オブラドールに対するロー・フェア、ブラジルでのジルマ・ルセフの解任とルラ・ダ・シルバの投獄、アルゼンチンでのクリスティーナ・フェルナンデスに対する司法攻撃、エクアドルでのラファエル・コレアに対する包囲、またホンジュラス、パラグアイ、ボリビアで起こったように、このツールを使ってクーデターを「合法化」したケースなど。 / ペトロに対する攻撃の基礎には、自らの特権に疑問を投げかけるいかなる社会改革も拒否するコロンビアの寡頭政治がある。その上に、ラテンアメリカの統合に対する恐れがある。ラ米統合は、各国の寡頭勢力と国際的な支配者による攻撃に対して政治的主権を守るための重要な要素である。そして、頂点にあるのは、米国の国際的覇権がますます深く疑問視される中で、米国が「裏庭」とみなす地域を統制下に置いておく必要性に他ならない。
Orinoco Tribune October 13, 2024
President Petro Is Not Alone: Colombia Marches Against Coup Attempt
(ペトロ大統領は一人じゃない: コロンビアはクーデター未遂に反対してデモ行進)
コロンビア人民は、右翼がグスタボ・ペトロ大統領に対して実行しようとしているクーデターに抗議するため街頭に出た。「#MarchoContraElGolpe」(「私はクーデターに反対してデモ行進します」)というスローガンを掲げ、コロンビア左翼のさまざまな政治・社会勢力がボゴタのボリバル広場に集まった。
Orinoco Tribune October 10, 2024
‘The Coup Has Begun’: Colombia’s President Petro Warns of Attempts to Depose Him
(「クーデターが始まった」: ペトロ大統領、退陣させようとする試みについて警告)
ペトロ大統領のコメントは、10月8日、国家元首を調査する憲法上の資格を持たないコロンビア全国選挙管理委員会(CNE)が、2022年大統領選に向けて設定された制限に違反した疑いで、彼に対する調査を開始し起訴状を提出することに同意した数分後になされた。 / CNEがペトロを捜査すると公表されると、政府連合に近いコロンビアのさまざまな政府関係者や政治家たちはすぐにその決定に疑問を呈した。
teleSUR October 10, 2024
Venezuela: Academic and Political Forum Meeting to Address the Situation of Colombia
(ベネズエラ: コロンビア情勢に対処するための学術・政治フォーラム会議)
ベネズエラのイバン・ヒル外相は、10月10日、カラカスで「コロンビア情勢に関する政治・学術フォーラム」の設置を主導した。このフォーラムは、二国間関係に焦点を当て、この国の安定に貢献し、グスタボ・ペトロ大統領に対するクーデターの脅威に立ち向かうことを目指している。
teleSUR October 10, 2024
Colombia Seeks to Participate in the Belt and Road Initiative
(コロンビア、「一帯一路」構想への参加を目指す)
10月10日、コロンビアのルイス・ムリーリョ外相は、コロンビアと中国が「一帯一路」構想へのコロンビアの加盟交渉のための作業部会を結成したと発表した。 / ラテンアメリカの20カ国以上が「一帯一路」構想に参加しているが、コロンビアはまだ参加していない。ただし、同国は重要なインフラおよび鉱業プロジェクトを中国企業に委託している。 / ムリーリョ外相の中国訪問は、グスタボ・ペトロ大統領が1年前に中国を訪問したのに続くもの。ペトロ大統領は、習近平国家主席と二国間関係を「戦略的パートナーシップ」のレベルに引き上げることで合意した。両氏は貿易、開発、科学、教育に関する問題について12件の協力協定に署名した。
teleSUR October 9, 2024
Colombia: ALBA-TCP Reiterates Denunciation of Attempted Coup D’état
(コロンビア: ALBA-TCP、クーデター策動の非難を改めて表明)
10月9日、「米州ボリバル同盟・人民貿易協定(ALBA-TCP)」は、コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領に対するクーデター策動の非難を改めて表明した。
teleSUR October 9, 2024
Electoral Investigation Against Colombian President Is Part of An Ongoing Coup
(コロンビア大統領に対する選挙調査は進行中のクーデターの一環)
極右勢力はグスタボ・ペトロ大統領の正当性を否定することでコロンビアの不安定化を推進している。 / 10月9日のteleSURのインタビューで、ジャーナリストのルイス・アルフォンソ・メナは、コロンビアのエリート層がグスタボ・ペトロ大統領に対するクーデターを画策していると非難した。 / 「国家選挙評議会(CNE)がペトロ大統領に対して開始した手続きは違憲かつ違法であるだけでなく、まったく時期を失した(untimely)ものでもある」と、大統領選挙資金の不正疑惑に関する捜査開始に言及して同氏は述べた。 / 「法律では、この種の不正行為に関する苦情や申し立ての提出期限を30日と定めている」とメナは指摘し、ペトロが就任してから2年以上が経過していることを想起した。 / 同氏は、また、憲法裁判所がラ・グアヒラ県の社会的緊急事態など、重要な問題に対処することを目的としたペトロ政権の多数の法律を無効にしていることを想起した。 / 10月8日、CNEのセサル・ロルデュイ会長は、ペトロ大統領に対する正式な調査を開始した。選挙当局は、ペトロ大統領、選挙運動責任者のリカルド・ロア、および同氏のチームの他のメンバーが選挙資金規則違反の疑いで責任を問われるべきだと考えている。CNEは、彼らが支出限度額を超え、禁止されている資金源に頼ったと疑っている。
Peoples Dispatch October 08, 2024 by Zoe Alexandra
Gustavo Petro warns that CNE investigation into campaign financing is part of coup plot
(グスタボ・ペトロ、CNEによる選挙資金の調査はクーデター計画の一部だと警告)
コロンビアの全国選挙管理委員会(CNE)は、10月8日、選挙資金の不正疑惑でグスタボ・ペトロの2022年大統領選キャンペーンを調査し告発することを決議した。CNEは、グスタボ・ペトロ、彼の選挙運動責任者リカルド・ロア、キャンペーンの他の3人のメンバー、および政治運動「Colombia Humana」と「愛国連合(UP)」党を調査すると発表した。この発表はCNE会長セサル・ロルデュイによって行われた。 / CNEの決定を受けて、グスタボ・ペトロ大統領はXに「クーデターが始まった」と書いた。彼は、さらに、「CNEは共和国大統領を調査することは決してできないし、その権限もない。これはクーデターの始まりだ。大統領の不可欠な司法権が侵害され、法の支配と国民投票と民主主義の尊重が破壊された」と述べた。
Orinoco Tribune September 20, 2024
Petro Warns of Coup Brewing in Colombia
(ペトロ大統領、コロンビアでのクーデター勃発を警告)
グスタボ・ペトロ大統領は、キンディオ県アルメニア市でクーデター計画が持ち上がっていると報告した。アルメニア市は資金力に恵まれていて、保守党所属の実業家で政治家のエフライン・セペダ上院議長を大統領に就任させようとしている。 / 非主流メディアの代表者との会談で、大統領は、政府に対する差し迫った脅威と考えていることの詳細を明らかにし、これらの試みには多額の資金が関わっていると指摘した。ペトロ大統領は、ボリビアのルイス・アルセ大統領に対する軍事蜂起未遂事件やペルーのペドロ・カスティージョ大統領弾劾事件など、ラテンアメリカ諸国における最近の出来事について言及した。また、クーデター計画者たちは彼の殺害を計画しており、「命令はすでに下っている」「あとは実行するだけだ」ともコメントした。 / ペトロ大統領は、さらに、代替メディアの重要性について語った。 / 大統領は、覇権的メディアに対する反抗的な姿勢を継続する中で、その発言を行なった。 / ペトロは、ここ数週間のトラック運転手のストライキを、1973年9月11日にチリで実行されたサルバドール・アジェンデに対するクーデターと比較した。
Peoples Dispatch September 19, 2024 by Pablo Meriguet
Colombians mobilize in support of pension reform and against “institutional” coup that would seek to remove Gustavo Petro (コロンビア人民は、年金改革を支持し、グスタボ・ペトロ大統領の解任を企てる「制度的」クーデターに反対して結集)
コロンビア大統領は、野党が法的手段で大統領を解任し議会議長に交代させようとしていると警告した。 / 9月19日、数千数万のコロンビア人民が全国の町や都市の広場に集まり、民主的に選出されたグスタボ・ペトロ政権を打倒しようとするコロンビア右翼の試みを拒否し、同政権の年金改革への支持を表明した。最新の陰謀は、9月12日に国家元首によって糾弾された。ペトロ大統領は、政府を転覆させて現在共和国議会の議長であるエフライン・セペダ・サラビアに取って代わる計画が進行中であると説明した。 / この計画は、ボリビア、ブラジル、ペルーで実行されたクーデターに似ている。
teleSUR 16 de septiembre de 2024 (スペイン語)
Asamblea popular culmina en Colombia expresando su apoyo a Gustavo Petro
(コロンビアでグスタボ・ペトロへの支持を表明する人民集会が最高潮に達する)
ボゴタの国立大学での会合に出席した人々は、クーデター疑惑とコロンビア大統領暗殺計画の告発に直面して、コロンビア大統領への団結を示した。 / 社会集会の主催者らは、9月19日、国家元首を支援しその改革を擁護するための動員を呼びかけた。
teleSUR Published 23 May 2024
Colombia Begins the Process to Open Embassy in Palestine
(コロンビア、パレスチナに大使館開設の手続きを開始)
木曜日(5/23)、グスタボ・ペトロ大統領は、コロンビア外務省が国内にパレスチナ大使館を開設するために行うプロセスについて説明した。 / ルイス・ムリージョ外相は、「パレスチナに大使館を開設する手続きが始まった」と述べた。 / コロンビア外交使節団をラマッラに設置する決定は、5月2日に、イスラエルとの国交が断絶したことを受けて行われた。 / また、コロンビアが長年にわたりパレスチナを国家として承認し、最近ではパレスチナの人々を守るために南アフリカとともにハーグの国際司法裁判所でイスラエルを国際法違反で起訴したことにも注目すべきである。 / コロンビアは、パレスチナを国連で本格的な国家として認め、世界機関が提案する二国家解決策を認めてもらうというラテンアメリカの要求を主導してきた。
Orinoco Tribune MAY 15, 2024 By Dan Cohen – Oct 16, 2023
The Secret History of Israel’s Role in Genocide in Colombia
(コロンビアでの大量虐殺におけるイスラエルの役割の秘密の歴史)
かつて同盟国であった2国の間で外交の論争が勃発しているので、私が2021年に発表した、コロンビアにおける殺人部隊(death squads)の訓練と大量虐殺計画の立案におけるイスラエルのエージェントの役割に関する暴露記事を再掲する。
【コロンビアの社会運動家・活動家が数多く殺害されてきたが、それにイスラエルが深くかかわってきたことを暴露している。約2万5,000語の超長文。略】
Orinoco Tribune MAY 2, 2024
Colombia To Break Diplomatic Relations With ‘Israel’
(コロンビア、「イスラエル」との国交断絶へ)
グスタボ・ペトロ大統領は、水曜日(5/1)、パレスチナ人3万4568人以上を殺害し7万7765人を負傷させたガザ地区での大量虐殺行為を理由に、「イスラエル」との国交を断絶すると発表した。
INTERNATIONALIST 360° on FEBRUARY 19, 2024 Carlos Cruz Mosquera
Colombia’s Right Is Trying to “Soft Coup” Gustavo Petro
(コロンビアの右翼はグスタボ・ペトロを「ソフトクーデター」しようとしている)
20カ月前まで200年連続で国家を独占してきたコロンビアのエリートたちが、左翼のグスタボ・ペトロ大統領の政権運営を妨害しようとすることは予想されていた。コロンビア人の大多数が求めた変革のプロセスを弱体化させようとするこの努力には、誤報キャンペーンから議会での政策阻止まで、あらゆるものが関わっているが、進歩的プロジェクトを転覆させようとする、より直接的で洗練された戦略もあった。 / ブラジルの法制度がルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァとディルマ・ルセフに対して、アルゼンチンの法制度がクリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネルに対して成功裏に行使された後、コロンビアのエリートたちはペトロに対して同じことを行おうとしている。成功すれば、コロンビア初の左翼政権の敗北を意味するだけでなく、米国とラ米カリブの資本家階級にとって大きな勝利となる。
Plensa Latina February 4, 2024
Support for Colombian president after allegations of coup d’état
(コロンビア: クーデター疑惑後、大統領に支持)
グスタボ・ペトロ大統領は、フランシスコ・バルボサ検事総長が企てたクーデター未遂を糾弾した後、多方面から支持を受けた。
teleSUR Published 2 October 2023
Maduro Stresses Need To Boost Colombia-Venezuela Trade
(マドゥーロ大統領、コロンビアとベネズエラの貿易促進の必要性を強調)
ニコラス・マドゥーロ大統領は、月曜日(10/2)、ベネズエラとコロンビアは、両国民のニーズを満たすために生産を高める強力な基盤にならなければならないと述べた。 / 「コロンビアとベネズエラの平和と恒久的な結合は、強力な経済基盤を築くことによって今日築かれようとしている」とマドゥーロ大統領は語った。9月25~28日にカラカスで開催されたコロンビア・ベネズエラ・マクロ商談会について言及した。 / このイベントでは1,200以上の商談が行われ、コロンビアから530社、ベネズエラから410社の計900社が参加した。 / 「コロンビア・ベネズエラ・ビジネス・マクロ円卓会議2023」は、国民の基本的なニーズを供給し、両国の経済・貿易の発展に貢献するための16の基本的な生産部門における戦略的関係を確立することを目的としていた。
【23年2月に両国大統領が国境で会談し、新貿易協定に調印している。】
Peoples Dispatch September 29, 2023 by Peoples Dispatch
Colombian Indigenous and social organizations march against violence in Bogotá
(コロンビアの先住民および社会団体がボゴタで暴力反対のデモ行進)
抗議者たちは、また、コロンビアの社会的現実を変革しようとするグスタボ・ペトロ政権が議会で提示したさまざまな社会改革への支持を表明した。 / 9月25日から27日にかけて、コロンビアの10県から15,000人以上の先住民が首都ボゴタに到着し、パラミリタリーの暴力によって先住民コミュニティが直面している人道的危機に国家政府の注意を喚起した。
Peoples Dispatch August 09, 2023 by Laura Capote
Gustavo Petro’s first year: Social and environmental justice and regional integration
(コロンビア: グスタボ・ペトロの1年目: 社会的環境的正義と地域統合)
2023年8月7日、グスタボ・ペトロ政権は1年を迎えた。 / ペトロ大統領就任の年の特徴は、高等教育の無償化、農地改革、ベネズエラとの外交関係再開、医療、労働規制、年金の改革の試みであった。 / 国内、地域、そして国際的な要素が、この12ヶ月の政権運営を特徴づけてきた。これらの要素には、変革への政治的意志、政府の改革によって自分たちの利益が影響を受けると考える経済部門が主導する反対運動、農民、先住民、貧困にあえぐ多様な人々が、社会正義のプロジェクトによって、まったく目に見えない状況から政府政策の表舞台に登場したという事実などがある。 / (以下、小見出しと主要な内容) 成果と今後の改革【農地改革が一定の進展】 / 社会正義を伴う全面的平和【ELNとの和平の進展 / 社会正義と並んで環境正義は政府の第二の柱】 / グラン・コロンビアのボリバル的夢と地域統合【ベネズエラとの国交回復 / CELACの強化に積極的に参加しUNASURに復帰】
Peoples Dispatch July 25, 2023 by Peoples Dispatch
Paramilitary violence takes more lives in Colombia
(コロンビアで準軍組織の暴力がさらに多くの命を奪う)
この1週間で、先住民指導者1人、社会指導者1人、FARCの元メンバー1人が暗殺され、新たな虐殺で3人が殺害された。 / グスタボ・ペトロ大統領の左翼政権によって和平に向けて大きく前進し、活動家を標的にした殺害が減少したにもかかわらず、パラミリタリー(準軍組織)の暴力による被害が続いている。
teleSUR Published 21 July 2023
Petro Proposes a National Agreement to Propel Colombia Forward
(ペトロ大統領、コロンビアを前進させる「国民的合意」を提案)
木曜日(7/20)、コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は、社会改革を達成し、“進歩”に向かうための「国民的合意National Agreement」を議会に提案した。 / ペトロ大統領は、独立記念日に新議会(2023-2024年)を開会する際、「今こそ共和国議会を巻き込んだ国民的合意の時だ」と述べた。 / 演説の中でペトロは、世界的な気候危機に焦点を当て、その後、平和、農地改革、麻薬との闘いなど、この国が必要としていることを述べた。 / 農地改革の必要性 ペトロはまた、コロンビアを前進させ、暴力の主要な問題のひとつである土地所有権に対処するために、大規模な農地改革を提唱した。 / 「農地改革はコロンビアの主要な問題が土地であることを示している」と彼は述べ、このステップを踏むことが「国内市場を拡大し、農業から労働力を解放し、工業化のための基本的な条件を築く」ことになると強調した。
teleSUR Published 20 July 2023
Colombians Mobilize in Support of President Gustavo Petro
(グスタボ・ペトロ大統領を支持するコロンビア人民の動員)
「労働者中央会(CUT)」は、コロンビア人が独立記念日を祝う木曜日(7/20)に、グスタボ・ペトロ大統領を支持するデモ行進を呼びかけた。 / このイベントには「コロンビア教育者連盟(FECODE)」などの団体も参加する。市民は午後2時にボゴタのボリバル広場に集まる。 / コロンビアの首都を象徴するこの場所から、労働者たちは、議会で労働、年金、医療規制を改革する法案を提出するペトロへの支持を確認する。
Peoples Dispatch June 21, 2023 by Peoples Dispatch
Labor reform bill faces setback in Colombia
(コロンビアで労働改革法案が挫折に直面)
この法案は、右翼活動家らがグスタボ・ペトロ政権に抗議する小規模な集会を開催したその同じ日に棚上げされた。 / コロンビア議会下院第7委員会は、6月20日、グスタボ・ペトロ大統領とフランシア・マルケス副大統領率いる同国初の左翼政権が提出した労働改革法案を棚上げした。委員会は、議会の最終日である火曜日(6/20)にこの法案について採決する予定だった。 しかし、定足数に満たなかったため投票は行われなかった。 / ペトロ大統領は議会での法案の否決を嘆いた。 / 大統領は「変革政府は働く男女の利益を放棄しない」と強調した。 / 数人の進歩派指導者や労働組合活動家は、同国の伝統政党や保守層がこうした改革の推進に賛成していないため、この日に起こったことは大統領自身が非難していた「ソフトクーデターの一部」であると警告した。
Peoples Dispatch June 07, 2023 by Zoe Alexandra
“We will not give in to blackmail”: Colombians defend government and progressive reforms
(「我々は脅迫には屈しない」: コロンビア人民、政府と進歩的改革を防衛)
コロンビアの右翼は、進歩的なグスタボ・ペトロ大統領の政府に対して攻撃を開始した。 / グスタボ・ペトロ政権が提案した労働、年金、医療改革を支持するため、コロンビア全土で数千数万の人民が街頭に立った。CUTやCTCなど国内の主要労働組合連合が呼びかけたこの動員は、右派政治家や主流メディアが繰り広げている政府に対する不安定化キャンペーンに対応するものでもある。
【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2023.06.10 Saturday)に全訳あり】
teleSUR Published 7 June 2023
Colombia Marches In Support Of President Petro's Reforms
(ペトロ大統領の改革を支持するコロンビアのデモ行進)
ボゴタ、バランキージャ、メデジン、サンタマルタ、カリの各都市で大規模なデモが行われた。【「ブエノス・アミーゴス」(2023.06.12 Monday)に全訳あり】
teleSUR Published 7 June 2023
Colombian Conservatives Seek Soft Coup Against President Petro
(コロンビアの保守派、ペトロ大統領に対するソフトクーデターを目指す)
保守派は、反民主主義的な目的のために法律を操作することに加え、ペトロの権威を弱めるために警察や軍隊の中で密かに働いている。 / 水曜日(6/7)、400人以上の世界的に有名な進歩的政治家や知識人は、極右勢力がグスタボ・ペトロ大統領に対してクーデターを起こそうとしていると非難した。
teleSUR Published 7 June 2023
Colombians to March in Support of President Petro's Reforms
(コロンビア人民、ペトロ大統領の改革を支持し行進へ)
コロンビアの主要な労働組合によって招集されたこの動員は、右翼による政治的不安定化の試みを拒否するものである。 / 水曜日(6/7)、社会諸組織はコロンビアの主要都市で行進し、グスタボ・ペトロ大統領と彼の医療・労働・年金改革への支持を表明する予定である。 / この動員は、「コロンビア労働者連合(CUT)」、「コロンビア労働者連盟(CTC)」、「コロンビア教育労働者連盟(FECODE)」によって5月31日に発表された。 / 学生、女性、農民の団体は、水曜日のデモ行進への参加を確認したほか、ペトロに対する「ソフトクーデター」を試みているように見えるコロンビアの右派が行う不安定化行動に反対することを宣言した。
Peoples Dispatch May 12, 2023 by Peoples Dispatch
Colombian President Gustavo Petro warns of coup plot against him
(コロンビア: グスタボ・ペトロ大統領、自身に対するクーデターの企てに対して警告)
水曜日(5/10)、コロンビア軍の退役軍人が、大統領に抗議し罷免を要求するためにボゴタに集まった。 / ペトロは、「La W」ラジオでの討論で木曜日(5/11)に退役陸軍大佐ジョン・マルランダがおこなった扇動的な発言に言及している。退役軍人の動員は、「予備軍が腐敗した大統領を排除することに成功した」ペルーの歩みをコロンビアが踏襲していることを示すものだ、とマルランダは述べた。さらに、「ここでは、ゲリラの戦闘員だった人物を排除するために全力を尽くす」とも述べた。 / 5月10日、約3,000人の退役軍人がボリバル広場に集まり、グスタボ・ペトロ大統領の政権と国家安全保障政策に反対した。彼らは、特に、ペトロ大統領の「完全和平」計画を問題視した。政府は、この計画に基づいて、国内の多数の異なる武装グループと和平交渉を行い、いくつかの停戦を確立している。 / 退役軍人はまた、ペトロと「歴史的盟約」の議員たちが推進する医療保険制度改革や労働改革などの進歩的な改革を批判した。退役軍人の多くは「アウト・ペトロ!」と要求し、彼が元ゲリラ集団のメンバーであることに特に反対を表明した。 / このような状況の中、退役大佐の犯罪的な発言は、進歩的な勢力の間で、ペトロに対するクーデター計画の可能性に対する深刻な懸念を呼び起こした。 / ペトロが直面する主要な課題の1つは、歴史的にコロンビアの歴代右翼政権の同盟国である米国、コロンビアの腐敗と犯罪の構造に深く絡み、左翼を抑圧し排除する歴史的政策の要である米国の、巨大な軍隊機構にどう対処するかということである。
Orinoco Tribune MAY 2, 2023
Sharp Turn in Colombia Towards Emergency Government
(コロンビアで緊急政権への急転換が進む)
4月25日、「SAE(コロンビア特別資産協会)」が管理するLa Caleraの土地から1,000ヘクタールの肥沃な土地を90世帯の農民に引き渡した自治体Zarzalでの衝撃的な演説で、大統領は、まずもって、土地政策を破壊する議会の決定を非難した。その決定は議会における地主の力を示している。 / 「政府は今、緊急事態を宣言しなければならない」とペトロ大統領は語った。「緊急事態」とは、昼夜を問わず、政府のチームが、食料の価格を下げる方法、農民に土地を提供する方法、より多くの食料を植えさせる方法、したがって価格を下げる方法に取り組むことだ。 / 中道主義は終焉を迎えつつある 【中道政党からの閣僚たちが農地改革などのペトロの政策に反対したことが述べられている。】 / 保守党、自由党、U党との「連立政権」の終了を大統領が宣言した。 / 左へのシフトにより、政権のプロフィールをより明確に定義し、真の変革の道へと導くことが可能になる。また、ペトロ大統領が提案しているように、労働者、カンペシーノ、中産階級の街頭や歩道での動員にもすべてがかかっている。
【大統領を支える労働者・人民の闘いが高揚するかどうかが焦点。】
junge Welt 2023.4.28 Von Frederic Schnatterer
Petro geht in die vollen
(コロンビア: ペトロが満を持して前進)
コロンビア大統領、7人の閣僚を交代させ連立解消を宣言。背景には、中央の改革プロジェクトに対する封鎖的な態度がある。 / 水曜日(4/27)、コロンビアの左翼大統領グスタボ・ペトロは、一度に7人の閣僚を交代させた。ペトロは、ツイッターを通じて、新内閣は「何百万人ものコロンビア人が投票した変革の道」を継続すると発表した。新政府は今後、「コロンビアの大多数の市民と国民に奉仕する社会変革のアジェンダ」のために努力を重ねることになる、と。 / ペトロと協力関係にあったいくつかの政党が、彼の健康改革に反対票を投じようとしていたことが知られていた。 / 政党連合「歴史的盟約」の議席数が約25%にすぎないペトロにとって、自らの計画を押し通すことの困難さはここ数カ月で増している。直近では、小規模農家への土地分配を規制するはずだった「国家開発計画」の2つの条文が、議会で否決された。労働改革や年金改革など、政府の中心的な他のプロジェクトも停滞している。
Orinoco Tribune APRIL 27, 2023
Colombia’s President Petro Appoints New Cabinet
(コロンビアのペトロ大統領、新内閣を任命)
4月26日に発表された声明の中で、コロンビア大統領は、「今日、政府のプログラムを強固にするための新しい内閣が作られる」と述べている。 / ペトロ大統領は、国民に宛てた書簡の中で、自身の政府が「何百万人ものコロンビア人が投票した変革を実行するためのロードマップを確立した」と改めて強調した。 / 「歴史的盟約」に亀裂が入る ペトロ大統領のこの主張は、水曜日(4/26)午後に下院で医療改革を生み出した国会審議の分裂を受けたものである。 / ペトロの同盟政党である保守党、自由党、ラ・ウー党は、下院の第7委員会ですでに第一段階として承認されていたこの改革に背を向けた。 / しかし、大統領のイニシアチブは、政党から処分される危険を冒した自由党のマリア・エウヘニア・ロペラ代議士の賛成票のおかげで、可決された。
Peoples Dispatch February 15, 2023 by Peoples Dispatch
Colombians hit the streets in support of Petro’s progressive reforms
(コロンビア: ペトロの進歩的な改革を支持し、人民が街頭に)
2月14日、数十万人のコロンビア人が全国で街頭に出て、グスタボ・ペトロ大統領が推進する経済・社会改革への支持を表明した。 / 火曜日(2/14)、ペトロ大統領は、野党が拒否している社会改革を実施するためには国民の支持が必要だと述べた。彼は、労働と年金に関する改革を提示するとともに、大学教育への無料の普遍的アクセスを保証するプログラムを推進し、貧困家庭や貧しい高齢者に補助金を提供する予定であることを改めて表明した。【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2023.02.16 Thursday)に全訳あり】
teleSUR Published 27 January 2023
Colombian President to Promote Pension, Labor, Health Reforms
(コロンビア大統領、年金・労働・医療改革を推進へ)
木曜日(1/26)、コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は、年金、医療、労働制度に関する一連の改革を間もなく議会に送付すると発表した。
Peoples Dispatch December 01, 2022 by Peoples Dispatch
23 irregular armed groups in Colombia join President Gustavo Petro’s ‘Total Peace’ policy
(コロンビア: 23の非正規武装グループがペトロ大統領の「完全平和」政策に参加)
コロンビアの人権団体「開発平和研究所 (INDEPAZ) 」は、11月29日、国内で活動している少なくとも23の非正規武装グループが、グスタボ・ペトロ大統領の「完全平和」政策に参加する意向を表明したと報告した。 / この報告は、コロンビア政府と ELN の間の対話プロセスが再開されてから 1 週間後に行われた。 11 月 21 日、ベネズエラのカラカスでの最初の会合の後、ペトロ政府と ELN の代表団は、正義のある民主主義に基づく平和を構築するプロセスを前進させる意欲を表明した。
Peoples Dispatch October 11, 2022 by Tanya Wadhwa
Colombian government makes historic advance towards agrarian reform and peace
(コロンビア政府、農地改革と和平に向けて歴史的前進を遂げる)
政府は、土地を持たない農民や土地不足の農民に再分配する目的で、土地を売却する意思のある牧畜業者から300万ヘクタールの生産性の高い土地を適正価格で購入する予定。 / この合意により、ペトロ政権は選挙公約の2つ、社会正義の追求と国の平和の確立を前進させた。この合意により、2016年11月にFARCゲリラ集団と締結したハバナ和平協定の第1点を満たす「包括的農村改革」の実施が可能になった。 / ペトロの農地改革 コロンビアでは、人口の0.4%が農村部の土地の46%を所有している。広大な土地の最大の所有者は牛の牧場主である。選挙期間中ペトロは農地改革を導入すると公言した。