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「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

山城さんたちを即時釈放せよ――熱き県民の声、広がる怒り 2・24集会に2000人(那覇地裁前)

2017-03-03 | 沖縄

 2月24日、「山城博司さんたちの即時釈放を求める大集会」(主催:実行委員会)が、午後3時から那覇地裁前城岳公園で開かれた。

 10月17日の逮捕から、すでに4か月。依然として拘留が続いている。有刺鉄線を切った、職員を揺さぶりけがを負わせた、ゲート前にブロックを積み上げた、その全てが後出しの訴追で、「現行犯逮捕」でない。しかも、それらはもともと微罪に過ぎず、運動のリーダーを狙い撃ちにした政治的「逮捕」であることは間違いない。たとえ、それが「事実」として認めたとしても4か月にわたる長期の勾留と比べて、差し引きすれば、とっくに「満了」であろう。特に山城氏は、大病を患い、それによる体調の悪化、おまけに家族の接見が禁止され、ことのほかその理不尽さに怒りが沸騰する。

 日本政府が1979年に批准した国際人権規約は、その9条で「何人も恣意的に逮捕され、または抑留されない」と規定している。容疑は微罪であり、身元も確認され逃亡の根拠すらありえない。「国の安全、公の秩序」からの拘束は到底考えられないのである未決者は、無税相当に扱われと同時に「何人も、その私生活、家族、住居若しくは、通信に対して恣意的に若しくは不法に鑑賞」(17条)されないのである。したがってアムネスティや、76か国ネットワークを持つ環境NGO、そして日本国際法律家協会等が即時釈放の声明を発している。

 何とか、取り戻したい。家族や同窓生、そして、「動員」でない市民たちが毎日、この地裁前で、手製のプラカードを掲げて、その願いをかなえるために訴えを続けている、

 こうした許せない権力のやり方に抗議し、即時釈放を訴えるために、以前の署名集約と激励・署名提出・行動を重ねての3回目の集会となった。「釈放」は、裁判所所長の権限に属している。逃げ惑う所長に談判し、直接訴える今回の集会は、それゆえ最大の結集で臨んだ。

 2月の沖縄は、桜の開花で春を告げる。会場内の桜も数はわずかだが、華やかさを演出している。今日は曇天。雨もぽつりぽつり。辺野古での大型掘削船によるブロック投下、副知事の辞任、浦添市長選の敗北、知事の「撤回」の未だの表明なし、「オール沖縄」の不安と揺らぎが、この寒さに加えて身に染みてくる。

 数十分前から続々と会場に駆けつける人々があふれ出す。公園に接する歩道だけでなく、道路を間に挟んだ裁判所前の歩道にまで押し出していく。山城氏の現地での熱い顔を配したプラカードが目立つ。参加者は2000人を超えたと、主催者が告げる。空気は一変した。

 主催者を代表して、元検察官の仲宗根共同代表は、専門的内容も含めて権力犯罪の不当性を熱く語った。自然豊かな大浦湾を埋め立て、サンゴ等の貴重な自然物を破壊することそのものが犯罪に他ならないと力強く訴えた。

 山城氏は、あの8月20日の高江で、メディアを閉め出して抗議者に限りのない暴圧を加えた後の抗議行動で、同じ趣旨のことを訴えている。「基地や訓練場の土地は、もともと沖縄の人々のものだ。それに声を上げられず70年間も甘んじてきた。米公民権運動のキング牧師は、バスやトイレの差別的利用には堂々とそれに抗し、実行でやり返し、拒否をはねつけ運動に勝利をもたらした。だから、声を上げよう、立ち上がろう。逮捕もあるかも知れないが、訓練場内に入る」。山城氏は権力が最も嫌がることを見抜いていたのである。闘いは、後戻りのできない段階にある。闘いの継続こそが、権力の異常な仕打ちに対する答えである。

 照屋寛徳衆議院議員は山城氏を同志のごとく語った。寛徳氏は、弁護士としての接見資格を持ち、週1回の面談を行っている。(「テルヤ寛徳」のブログをご覧ください)。拘置所内の売店にない携帯懐炉の差し入れに際して、拘置所は沖縄では規定がなく、それはできないとの回答に、5日間のやり取りで、やっとそれがかなったことのエピソードが紹介された。だが、暖かくなりいらなくなった。照屋氏は、奥さんが何日もかかって用意されたものであり、その好意を軽んじてはいけない、とたしなめたそうである。思いやりや配慮は人としてのやさしさであり、欠かせないものだ。話の掴みのうまい「寛徳流の」言い回しかもしれないが、山城氏にとっては、ほのかな安らぎとなったことだろう。一方での杓子定規な拘置所側の対応は、権力者の冷酷さを赤裸々にさせる。最後に山城氏が発した言葉、「がんじゅうー(元気)です」の声は、参加者に安心感を与えるだけでなく、ますます今後の行動を力強くするものとなるであろう。ちなみに拘束されている他の2人は、翌日の琉球新報で実名を明かし、支援に感謝するとともに、両者ともに「諦めず頑張ってほしい」の心強いメッセージを寄せてくれた。

 全員の突き出した拳で決議文を確認し、次の抗議行動に移った。代表団が裁判所に文の手交への激励行動だ。

 地裁門前では、職員と「入らせろ」「所長に合わせろ」との激しいやり取りがなされた。当然であろう。手交の機会があったにもかかわらず、ことごとく拒否を重ねてきた。山城氏らの不当な扱いはもちろん、抗議者を軽んじる扱いに怒りが爆発したのである。地裁内の玄関前に、抗議者はドットと駆け足で進んだ。この勢いで機動隊員、警察官は任務を放棄した。3~400人ぐらいの抗議者があっという間に駆けつけ、地裁玄関前は、予想もしない突然の抗議集会の場所と化した。

 高く掲げた「ヒロジ」のプラカードが大きく揺れる。今までなく一段とと大きく独居房に届いただろう。山城氏が作詞した「沖縄 今こそ立ち上がろう」「座り込めここへ」、「We Shall over come 」が熱気を込めて歌われた。「ヒロジ」コールがうずまいた。接見した寛徳氏に「政治案圧に屈してはいけない・早く現場に戻ってみんなと一緒に頑張りたい」と伝えた。さらに多くの人々が、3月17日の公判に向けて最大結集で、闘争を迎え討つであろう。

 かつてない濃密な時間を過ごした集会参加者は、その余韻を残しながら国際通りに向けてのデモ行進で一日を終えた。だれもが感動と闘いの意義を実感を込めて充足したであろう。

 

山城博司さんたちの即時釈放を求める決議

 

 山城博司さんが2016年10月17日、高江のオスプレイバッド建設現場付近でバラ線を切断したとして器物破壊容疑で退歩されてから、はや4ヶ月以上が経過した。

 国は500人の本土からの警察機動隊を大量動員し、市民のテント施設などを裁判手続き抜きで強制撤去し、非暴力・無抵抗の市民たちを実力排除する中で多数の負傷者や手術を要する重傷者と救急搬送者を出した。

 オスプレイパッド工事現場の違法状態の確認のため、多数の市民と共に森に入った現場リーダーの山城氏が前進を妨げていた沖縄防衛局設置のバラ線(時価2千円相当)を2か所切断した。同氏はそこから離れた県道上で多数の警察官に強制連行されたあと、器物損壊罪の準現行犯として逮捕された。だが、犯罪行為を目撃した者自身が、その行為者が犯人であることを明確に認識して逮捕を前提として追跡するなどし、場所的にも犯行現場からさほど遠くない範囲などの逮捕でなければ、「犯人として追呼されている」準現行犯(刑訴法212条第2項1号)は成立しない。その前提事実を欠く準現行犯逮捕は違法であり、違法逮捕を前提とする拘留も違法となる。

 10月20日、那覇簡裁は賢明にも検察官の拘留請求を却下した。那覇簡裁はこの準現行犯の規定を憲法上の令状主義、デュープロセスの観点から正当に限定解釈したものと評価出来る。しかし、同日、検察官が準抗告を申し立て、準抗告審(地裁裁判官3人の合議体)が簡裁の却下決定を取り消し、接見禁止付きの拘留決定をした。同じ日に通称「N1テント裏」付近で防衛局職員の肩を揺すり全治2週間の傷害を与えたとの8月25日の行為が傷害罪・公務執行妨害とされ山城氏らは再逮捕された。また現場からの警官から警察官職務執行法の「警告」も「制止」もされず、違法性の意識もない多数の市民がブロックを積んだ10か月前の行為が威力業務妨害罪とされ、山城氏は再々逮捕され追起訴された。こうして、器物損壊の微罪で「別件逮捕」し、捜査終結済みのはずの過去の罪名(公務執行妨害罪等)を小出しにして逮捕拘留を繰り返した検察の手法は、逮捕・勾留の要件・効果の基準を個別の被疑事実とする事件単位説の悪用であり、反基地弾圧運動の弾圧の政治的意図を強く感じさせる。重病を抱える山城氏の異例の長期拘留は、国際人権法にも反し、広く国内外で懸念が表明されている。不当拘留されている他の2名の健康状態も非常に懸念されている。これ以上の拘留は、山城博司さんたちの健康・生命を危険にさらすことになりかねない。山城博司さんたちを社会に帰さない、運動させないという検察の強い意向に屈し、裁判所は憲法および法律と裁判官としての良心に従い独立して職権を行うべきその責務を放棄したものと断ぜざるを得ない。我々は憲法上の権利と自由を否定する権力の暴走を許さない。裁判所が本来の人権、民主主義の砦としての責務を全うし、山城博司さんたちを即時釈放するよう本集会の名において要求する。

2017年2月24日

山城博司さんたちの即時釈放を求める大集会

那覇地方裁判所所長 阿部正幸  殿

  

追記

(1)山城氏らの接見の様子は・・・「テルヤ寛徳」のブログをご覧ください

(2)裁判所と検察庁への抗議の意思を届けよう

(3)葉書  1セット(4枚組)300円・送料別

  FAX 098-974-7349

  代金郵便振替口座 01710-8-145894

  「山城博司さんたちの早期釈放を求める会」

 

2月28日   沖縄N


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