2週間前の話になるのですが、5月13日の「被害者は待てない 償いの時を逃すな!」と題された院内集会に参加をしました。
韓国ではこのところ地方議会で、日本軍「慰安婦」問題の早期解決を求める決議が相次いでいることが端的に示しているとおり、この問題を解決しなければならないという気運が高まっています。そのため超党派での議員連盟が結成されました。また同時に、日本では4月に民主党内に戦後補償の議連も結成されました。
今回の院内集会のメインは、韓国の議連の一人、朴宣映(パク・ソニョン)議員をお迎えしての院内集会でした。
詳細はHP「慰安婦」決議に応え今こそ真の解決を!に譲るとしまして、今日はその感想を。
今年は1910年の韓国「併合」からちょうど100年で、韓国では植民地支配の歴史を清算させたいという動きが活発になっているそうです。朴宣映議員の発言も、「慰安婦」問題だけでなく、この「併合」100年を強く意識したものでした。
「日本軍『慰安婦』被害者の名誉と人権回復の問題だけでなく、勤労挺身隊の問題、強制徴用の問題、そして在日の参政権の問題までも含めて、100年を迎える今年、必ず解決できるという希望を私は持っています。加えて強制的に結ばせられた『併合』条約は無効であるということを是非確認したいと思います。」
この「併合」の日に当たる8月22日(条約締結)あるいは8月29日(発効)は、韓国では様々な催しが開催されるそうです。左右問わず多くの団体が、共同で大がかりなイベントを用意しているのだとききました。
「慰安婦」問題は、被害者がすでに高齢になられ、解決のための時間がもう残されていないという切迫感を抱えた運動ですが、朴宣映議員だけでなく、挺対協の尹美香代表の発言にも「今年に解決できずに、いつ解決できるというのか」という迫力に満ちた雰囲気がありました。そのような発言を聞いて、私は日本の側に突きつけられた責任を痛感せずにはおれませんでした。
「併合」100年にしても、多くの市民団体が8月にイベントを企画しているものの、世間的にはそれほど知られているわけではありません。
数ヶ月前には、今年の8月にはこの100年を機に戦後補償問題も解決に動き、8月15日には鳩山首相も前向きな談話を発表するのではないかという希望的観測もありましたが…………鳩山政権の普天間基地問題への対応をみていると、厳しさばかり痛感する情勢です。
加えて先日21日に参院を通過したシベリア抑留者補償法は、その第3条で「本邦に帰還した戦後強制抑留者でこの法律の施行の日において日本の国籍を有するものには、(中略)特別給付金を支給する」とあり、同じくシベリアに抑留された韓国・台湾人など外国籍の人を排除した内容となっています。
案では附則第2条で「政府は、戦後強制抑留者で特別給付金の支給の対象となっていないもの、戦後強制抑留者の遺族等について労苦に報いる等のための方策に関し検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする」と明記され、補償から排除された外国籍の人にも今後の可能性の道筋は残されていましたが、その附則条文は官僚の抵抗によって削除されてしました。なんでもそれを認めてしまっては「パンドラの箱が開く」のだとか……。
シベリア議連は265名、民主党最大の議員連盟です。政権党最大の議連のやった仕事が、外国籍の人を排除したこの「戦後補償」です。日本人として戦争に赴き、日本人として敗戦を迎え、日本人としてシベリアに抑留された朝鮮人や台湾人が、法律施行時に外国籍であるからといって容易に排除してしまう……そんな理不尽なことが許されていいのでしょうか?国籍条項のある戦後補償など、戦後補償の名に値しません。それでもなお戦後補償全体への突破口になると評価する向きもあるようですが、戦後の国籍で被害者を分け隔てることを前提とした、戦争責任を果たしたことになるのでしょうか?
このような日本社会の状況、そして国会の状況を考えると、朴宣映議員や尹美香代表の話は、身に付き刺さるように痛いのです。
院内集会に参加されていた、この問題の解決に熱心なある民主党議員は「それでも参院選前はムリかなあ……」と言っていました。その発言はとても正直で、私としてはむしろ好感が持てるものだったのですが、しかし被害者の切迫した思いに応えることができない日本側の情けない現状が身につまされてなりません。
情けない現状だろうがいくら身につまされようが、それでもなお、私たちには今年、「慰安婦」問題を解決することを迫られています。
尹美香代表は言います。
「被害者の方たちは何度も日本に来られました。被害者の方たちは会うたびに「今年には、今年には必ず」と何度も繰り返し話されてこられました。今年こそは必ずこの問題を解決ししなればなりません。」
キル・ウォノクハルモニはこう仰いました。
「あまり余生は残っていませんが、少しでも心が安らかに眼を閉じることが出来るように、この問題を一日でも早く解決していただきたいと思います。」
情勢が厳しいからといって、解決を諦めるわけにはいかないのです。
この院内集会の主催団体の一つ、日本軍「慰安婦」解決全国行動2010は、「慰安婦」問題を解決したいと望む市民が、被害者の「今年こそ解決を」という思いに応えるべく結成されました。今回の院内集会をスタートとして、早期の立法解決を目指していきます。(リブ・イン・ピース☆9+25もこの行動に賛同しています。)
今後参議院選挙があり、国会情勢がどう変化するが分かりませんが、どんな状況にもくじけることなく、被害者の思いを胸に刻んで、一日でも早い解決を目指していきましょう。
(カラン)
韓国ではこのところ地方議会で、日本軍「慰安婦」問題の早期解決を求める決議が相次いでいることが端的に示しているとおり、この問題を解決しなければならないという気運が高まっています。そのため超党派での議員連盟が結成されました。また同時に、日本では4月に民主党内に戦後補償の議連も結成されました。
今回の院内集会のメインは、韓国の議連の一人、朴宣映(パク・ソニョン)議員をお迎えしての院内集会でした。
詳細はHP「慰安婦」決議に応え今こそ真の解決を!に譲るとしまして、今日はその感想を。
今年は1910年の韓国「併合」からちょうど100年で、韓国では植民地支配の歴史を清算させたいという動きが活発になっているそうです。朴宣映議員の発言も、「慰安婦」問題だけでなく、この「併合」100年を強く意識したものでした。
「日本軍『慰安婦』被害者の名誉と人権回復の問題だけでなく、勤労挺身隊の問題、強制徴用の問題、そして在日の参政権の問題までも含めて、100年を迎える今年、必ず解決できるという希望を私は持っています。加えて強制的に結ばせられた『併合』条約は無効であるということを是非確認したいと思います。」
この「併合」の日に当たる8月22日(条約締結)あるいは8月29日(発効)は、韓国では様々な催しが開催されるそうです。左右問わず多くの団体が、共同で大がかりなイベントを用意しているのだとききました。
「慰安婦」問題は、被害者がすでに高齢になられ、解決のための時間がもう残されていないという切迫感を抱えた運動ですが、朴宣映議員だけでなく、挺対協の尹美香代表の発言にも「今年に解決できずに、いつ解決できるというのか」という迫力に満ちた雰囲気がありました。そのような発言を聞いて、私は日本の側に突きつけられた責任を痛感せずにはおれませんでした。
「併合」100年にしても、多くの市民団体が8月にイベントを企画しているものの、世間的にはそれほど知られているわけではありません。
数ヶ月前には、今年の8月にはこの100年を機に戦後補償問題も解決に動き、8月15日には鳩山首相も前向きな談話を発表するのではないかという希望的観測もありましたが…………鳩山政権の普天間基地問題への対応をみていると、厳しさばかり痛感する情勢です。
加えて先日21日に参院を通過したシベリア抑留者補償法は、その第3条で「本邦に帰還した戦後強制抑留者でこの法律の施行の日において日本の国籍を有するものには、(中略)特別給付金を支給する」とあり、同じくシベリアに抑留された韓国・台湾人など外国籍の人を排除した内容となっています。
案では附則第2条で「政府は、戦後強制抑留者で特別給付金の支給の対象となっていないもの、戦後強制抑留者の遺族等について労苦に報いる等のための方策に関し検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする」と明記され、補償から排除された外国籍の人にも今後の可能性の道筋は残されていましたが、その附則条文は官僚の抵抗によって削除されてしました。なんでもそれを認めてしまっては「パンドラの箱が開く」のだとか……。
シベリア議連は265名、民主党最大の議員連盟です。政権党最大の議連のやった仕事が、外国籍の人を排除したこの「戦後補償」です。日本人として戦争に赴き、日本人として敗戦を迎え、日本人としてシベリアに抑留された朝鮮人や台湾人が、法律施行時に外国籍であるからといって容易に排除してしまう……そんな理不尽なことが許されていいのでしょうか?国籍条項のある戦後補償など、戦後補償の名に値しません。それでもなお戦後補償全体への突破口になると評価する向きもあるようですが、戦後の国籍で被害者を分け隔てることを前提とした、戦争責任を果たしたことになるのでしょうか?
このような日本社会の状況、そして国会の状況を考えると、朴宣映議員や尹美香代表の話は、身に付き刺さるように痛いのです。
院内集会に参加されていた、この問題の解決に熱心なある民主党議員は「それでも参院選前はムリかなあ……」と言っていました。その発言はとても正直で、私としてはむしろ好感が持てるものだったのですが、しかし被害者の切迫した思いに応えることができない日本側の情けない現状が身につまされてなりません。
情けない現状だろうがいくら身につまされようが、それでもなお、私たちには今年、「慰安婦」問題を解決することを迫られています。
尹美香代表は言います。
「被害者の方たちは何度も日本に来られました。被害者の方たちは会うたびに「今年には、今年には必ず」と何度も繰り返し話されてこられました。今年こそは必ずこの問題を解決ししなればなりません。」
キル・ウォノクハルモニはこう仰いました。
「あまり余生は残っていませんが、少しでも心が安らかに眼を閉じることが出来るように、この問題を一日でも早く解決していただきたいと思います。」
情勢が厳しいからといって、解決を諦めるわけにはいかないのです。
この院内集会の主催団体の一つ、日本軍「慰安婦」解決全国行動2010は、「慰安婦」問題を解決したいと望む市民が、被害者の「今年こそ解決を」という思いに応えるべく結成されました。今回の院内集会をスタートとして、早期の立法解決を目指していきます。(リブ・イン・ピース☆9+25もこの行動に賛同しています。)
今後参議院選挙があり、国会情勢がどう変化するが分かりませんが、どんな状況にもくじけることなく、被害者の思いを胸に刻んで、一日でも早い解決を目指していきましょう。
(カラン)