朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の脅威があおられ、発射後は「ロケット失敗」と金正恩体制のゆくえにメディアの関心がいっているが、沖縄現地の新聞ではこの「ロケット発射」を契機としておこった沖縄の軍事化の動きが報じられている。「本土」ではほとんど報じられない動きを紹介する。
4月6日沖縄タイムス紙は、一面トップで「PAC3警備に銃携行」の記事を掲載した。その記事を紹介する。記事によると、沖縄はもちろん国内でも自衛隊施設以外で、自衛隊員が実弾を装填した武器を携行して警備するのははじめてだという。一体だれから何を守るのか。「ミサイルから住民を守る」ことを口実としてPACが配備されたがはずが、自衛隊員が住民に銃を向けて、自衛隊PAC3施設を守る姿は異常としか言いようがない。
『石垣島では、PAC3が国有の埋め立て地に配備された。国内で駐屯地や基地、演習場などの自衛隊施設以外で、自衛隊員が実弾を装填した武器を携行して警備するのは初めて。防衛省の関係者は小銃の携行は、自衛隊法95条「武器等防護のための武器使用」を適用すると明らかにした。2009年の北朝鮮のロケット発射でも検討したが、実施しなかったといわれている』。
『その通過車両を見守った女性は、「ここ数年、島に自衛隊がどんどん入ってくるようになった。この光景が日常になってしまうのが怖い」と話し、他の女性は「孫が迷彩服の隊員の姿に、テレビで見た戦争を重ねて怖がっている」と憤り、「そもそも、これだけの人や車が石垣に入る必要があるのか。燃料費も上がり、飲食を切り詰めて税金を支払っている。税金の無駄遣いじゃないか」と話していた』。
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2012-04-06_32114/
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2012-04-06_32110/
石垣島には、自衛隊施設ではなく、あえて国有の埋め立て地にPAC3を配備した。沖縄県内に自衛隊員を950人以上展開させ、警備の陸上自衛隊員には実弾を装填さた武器を携行させた。
わが物顔で大通りを走る自衛隊車両と迷彩服の自衛隊員の姿は市民に恐怖を与え、観光客のキャンセルなどをもたらした。修学旅行もキャンセルされた。政府と自衛隊がものものしい警備をし、メディアが今にもミサイル攻撃されるかのような大騒ぎをすれば、学校も対応せざるをえなくなる。
(ルーラー)