
破水するまで景色を胆のうし山頂を後にしようとしたのですが、なにやら上ずった人ではない人の声がおいらの注意をひきつけます。

「これなんだっけ?ブロッケン現象だっけ?そうだそうだブロッケン現象だ!すごーい!」
ブロッケン現象?ブロッケンJr?ん?

ブロッケン現象…太陽などの光が背後からさしこみ、影の側にある雲や霧に光が散乱され、見る人の影の周りに、虹と似た光の輪となって現われる大気光学現象。
らしいです。

(こいつ誰だよ!自重しろ!)
わっかの中心に自分の影を合わせて手を振ったりすると、その影がちゃんと光の輪の中で動いてくれるんですよ!もちろん初めて見る大気現象で、目から血が飛び散るくらいに興奮してしまいましたぁ。
旅の神様に感謝せずにはおれません。
おいらの山旅はここで終わりではなく明日も続きます。次に目指す山は甲斐駒ケ岳!

(たぶん、右に見える頭が禿げに禿げっているのが甲斐駒ケ岳…かと)
一旦麓まで降りた後、バスで移動することになります。
バス停でバスを待っていると、降りてきたおじさん登山者から話しかけられます。
きたきたー!
山登りをやっていると必ずと言っていいほど見ず知らずの人と会話する機会があるんですよねえ。またそれも山旅の後醍醐天皇といっていいでしょう。
おじさんの話によると、ニュースで大きく取り上げられた白馬岳の崩落事故のあったその日にちょうど白馬岳に登っていたそうです。とにかく雷雨がひどくて、崩落が起こるちょっと前に下山して事なきを得たそうですが、やっぱ天候には細心の注意が必要っちゅうことですな。

(この日のテント場がある山小屋。)
続く。