前回は、出発からパーキングまでの話でした。ということで、一休みしたパーキングを出発し、さらに高速道路を音速で駆け抜けていきます。
AIRの、緩やかにゆったり流れるような曲に呼応し、階乗的に車のスピードを上げて行くにつれ、AIRで展開されたあまたの感動シーンが周りの景色と溶け合うような不思議な感覚を覚えます。
自らの網膜から脳へ入ってくる視覚情報は、たんだんと白くその色を変え、代わりにみすずちん(AIRに出てくるラブリーヒロイン)の姿がぼんやりと浮かび上がってきたのです。
顔には
「うへへ、ぐへへ…へへ…」
となんとも気色の悪いうすら笑いを浮かべながら、意識が徐々に遠のいていく自分を感じていました。みすずちんと共に意識の深淵に落ちていくことに幸せを感じながら、僕は、静かに、ゆっくりと目を閉じます。
そして、僕の魂は休息の地へと還っていきました…
…END
んな、かまいたちの夜のバッドエンディングみたいなこたぁーない。じゃ、気を取り直して続きいきます。
福井県小浜市へ向かう高速道路は、「小浜西」というインターチェンジで終点となります。終点が玉座の的です。夢の時間は終わりを告げ、高速道路から一般道へ降りることになります。
ドライバーなら誰でも(?)よくあることですが、高速道路を降りて一般道を走ると、結構スピードが出ているのにやたらと遅く感じてしまいます。一般道は一車線で、前方を走る車は法定速度を厳守しているトラックです。
おまえはどじでのろまな亀か!このやろう!と思わず堀ちえみばりに毒づいてしまいますが、左先方に開けた海の景色を見ると、その怒りの咆哮も一瞬にして収束しました。
そうして、一般国道をしばらく走ると、ナビの指示で、脇道へ入ることとなります。狭い道沿いには古い家屋が並んでおり、静かな佇まいを見せていました。
おいらは、そういった街並みや風景を訪ねながら、ヒッチハイクや青春18きっぷを使って一人旅することに至上の幸せを感ずる人です。
子供のときから、自転車に乗って自分が見たこともない所へ行ったときにはいつも、わくわくするような興奮があったのを覚えています。
道の真ん中で車を一時停止し、デジカメを取り出して、これから、もう二度と見ることがないかもしれないその道沿いの一角を切り取ってみることにします。
時間はとてもゆっくりと流れているように思えました。
脇道を抜けると、どうやら海水浴場へとやってきました。海水浴場の前を走る海岸線の道路には、泳ぎに来た人の車がびっしりと停まっており、その目の前には交番もあります。ここで駐禁のきっぷをきるには野暮なことでしょう。おいらも、縦列している車の間に駐車し、車を降ります。車を降りると、蒸し返るような猛烈な熱気バサラがおいらを襲います。
「暑ッ!」
その言葉が心の中で100万回連呼されます。そりゃあそうです。夏です。暑いんです!!!暑い!!(川平)
壊れたおもちゃのように、そして往生間近の年寄りのようによたよたとぎこちなく歩きだします。そして、その糸の切れた風船はふらふらと海水浴場へと向かいました。
砂浜は、多くの人で埋め尽くされていたわけではなくまばらな感じ。来ていた人も家族連れがメインで、若人の姿はありません。子供と一緒に遊ぶお母さん、岸壁に一人、寝そべって日焼けするお父さん。なんか、のんびりしてるなあ、ってのが率直な感想です。
その中に一人、足元がおぼつかないカメラを持った怪しげな青年…。浮きまくりです。岸壁に向かう途中、すれ違った水着の子供から白い熱視線を送られたことは言うまでもありません。
だけど気になる…けど、まあ、そんなこともいちいち気にもしてられません。目前に広がった海の景色を早速激写します。
ここでちょっとトイレに行きたくなったので、用を足せる場所を探索。付近に国民宿舎(?)ラウンジ(?)があり、そこへ向かいます。中へ入ると、受付のおばちゃんとおっさんが五つ子がなんちゃら、三つ子がなんちゃら、どうでもいいようなことで白熱した議論を展開しており、来訪者のことは完全無視、アウトオブ眼中(今時いわねえ)。
ここはなんとしてもおばちゃんの気を引かねば!
客が来たことを分からせようとあたりを大げさにきょろきょろしてみますが、そもそも、彼女の視線はおっさんに釘付け。おいらはただの挙動不審者。埒が明かないので、直接、聞いてみます。
「トイレどこっすか?」
「奥に進んで右です」
簡潔な説明、サンクスモニカ!
奥へと続く通路は非常に狭く、通路を抜けると確かにトイレらしき場所がありました。
大のほうがしたかったので、早速、その個室へ入室しましたが、それがめちゃめちゃ狭い!人一人やっと入れるスペースしかありません。にしては、小を足すところには無駄にスペースがあります。
なんだこのアンバランスさは?!設計責任者出てきやがれ!このやろう!
と怒ってみてもしょうがないので、ドアを閉めなすべきことをなそうとしましたが、今度はドアを閉めたらめちゃめちゃ暗い!まったく光が入ってきません。ここである曲が頭の中で流れます。
寂しい夜は会いたい 寂しい夜はcrycrycry ♪
cryと暗い…寒い…
いや、前日行ったカラオケで誰かがシャ乱Q歌っていたので…
ってか、そもそもAIRの旅とかいって、そんなバカなことしてること自体寒い…
完全にやきが回ったか。なんのひねりもありません。これでは安藤美姫にもバカボンの顔に出ているぐるぐるにも魔方陣ぐるぐるにも勝てません。
意気消沈とはこのこと。失意の中、静かにことを済ませたあとの、ざぁーと水が流れる音が心にしみてくる小浜の昼下がりでした…。
とぼとぼとそのラウンジを後にします。しかし、本来の目的を忘れてはいけない。俺の目的は1000年の時を越えること。AIRのルーツの場所へ向かうことなのだ、と決意を新たにします。
ナビの指示に従い小道を抜け、大通りを横切る交差点に来ると、一台のバンが止まっています。向こう側へ直進したいのだが、車が左右から来てるため、なかなか行けない様子。しかし、長い…。明らかに進める状況もあるのに行かない…。中に乗っているのはおばはん集団。どんだけ判断おせーんだよ!
自分の怒りゲージが上昇していくのが分かります。
いらいらいらいら…
ブチッ
なにかが切れました。ハンドルの中央部に手を当て、そして一気にその部分を押し下げます。
ブーーーーーー!!!!!!!!!
小浜の静かな街においらの怒りのクラクションがこだましました。そのクラクションで中に乗ってた連中の一人が、驚いてびくッっと飛び上がったのには指を刺して笑いました!わーはっはっはっは!!ざまーみやがれ!このばかちんの痴れ者どもが!!!
これでおいらの溜飲も下がります。そうしてやっとのことで車は進み、最初の目的地であるAIRのモデル地「空印寺」へと到着します。
AIR4へ続く。
AIRの、緩やかにゆったり流れるような曲に呼応し、階乗的に車のスピードを上げて行くにつれ、AIRで展開されたあまたの感動シーンが周りの景色と溶け合うような不思議な感覚を覚えます。
自らの網膜から脳へ入ってくる視覚情報は、たんだんと白くその色を変え、代わりにみすずちん(AIRに出てくるラブリーヒロイン)の姿がぼんやりと浮かび上がってきたのです。
顔には
「うへへ、ぐへへ…へへ…」
となんとも気色の悪いうすら笑いを浮かべながら、意識が徐々に遠のいていく自分を感じていました。みすずちんと共に意識の深淵に落ちていくことに幸せを感じながら、僕は、静かに、ゆっくりと目を閉じます。
そして、僕の魂は休息の地へと還っていきました…
…END
んな、かまいたちの夜のバッドエンディングみたいなこたぁーない。じゃ、気を取り直して続きいきます。
福井県小浜市へ向かう高速道路は、「小浜西」というインターチェンジで終点となります。終点が玉座の的です。夢の時間は終わりを告げ、高速道路から一般道へ降りることになります。
ドライバーなら誰でも(?)よくあることですが、高速道路を降りて一般道を走ると、結構スピードが出ているのにやたらと遅く感じてしまいます。一般道は一車線で、前方を走る車は法定速度を厳守しているトラックです。
おまえはどじでのろまな亀か!このやろう!と思わず堀ちえみばりに毒づいてしまいますが、左先方に開けた海の景色を見ると、その怒りの咆哮も一瞬にして収束しました。
そうして、一般国道をしばらく走ると、ナビの指示で、脇道へ入ることとなります。狭い道沿いには古い家屋が並んでおり、静かな佇まいを見せていました。
おいらは、そういった街並みや風景を訪ねながら、ヒッチハイクや青春18きっぷを使って一人旅することに至上の幸せを感ずる人です。
子供のときから、自転車に乗って自分が見たこともない所へ行ったときにはいつも、わくわくするような興奮があったのを覚えています。
道の真ん中で車を一時停止し、デジカメを取り出して、これから、もう二度と見ることがないかもしれないその道沿いの一角を切り取ってみることにします。
時間はとてもゆっくりと流れているように思えました。
脇道を抜けると、どうやら海水浴場へとやってきました。海水浴場の前を走る海岸線の道路には、泳ぎに来た人の車がびっしりと停まっており、その目の前には交番もあります。ここで駐禁のきっぷをきるには野暮なことでしょう。おいらも、縦列している車の間に駐車し、車を降ります。車を降りると、蒸し返るような猛烈な熱気バサラがおいらを襲います。
「暑ッ!」
その言葉が心の中で100万回連呼されます。そりゃあそうです。夏です。暑いんです!!!暑い!!(川平)
壊れたおもちゃのように、そして往生間近の年寄りのようによたよたとぎこちなく歩きだします。そして、その糸の切れた風船はふらふらと海水浴場へと向かいました。
砂浜は、多くの人で埋め尽くされていたわけではなくまばらな感じ。来ていた人も家族連れがメインで、若人の姿はありません。子供と一緒に遊ぶお母さん、岸壁に一人、寝そべって日焼けするお父さん。なんか、のんびりしてるなあ、ってのが率直な感想です。
その中に一人、足元がおぼつかないカメラを持った怪しげな青年…。浮きまくりです。岸壁に向かう途中、すれ違った水着の子供から白い熱視線を送られたことは言うまでもありません。
だけど気になる…けど、まあ、そんなこともいちいち気にもしてられません。目前に広がった海の景色を早速激写します。
ここでちょっとトイレに行きたくなったので、用を足せる場所を探索。付近に国民宿舎(?)ラウンジ(?)があり、そこへ向かいます。中へ入ると、受付のおばちゃんとおっさんが五つ子がなんちゃら、三つ子がなんちゃら、どうでもいいようなことで白熱した議論を展開しており、来訪者のことは完全無視、アウトオブ眼中(今時いわねえ)。
ここはなんとしてもおばちゃんの気を引かねば!
客が来たことを分からせようとあたりを大げさにきょろきょろしてみますが、そもそも、彼女の視線はおっさんに釘付け。おいらはただの挙動不審者。埒が明かないので、直接、聞いてみます。
「トイレどこっすか?」
「奥に進んで右です」
簡潔な説明、サンクスモニカ!
奥へと続く通路は非常に狭く、通路を抜けると確かにトイレらしき場所がありました。
大のほうがしたかったので、早速、その個室へ入室しましたが、それがめちゃめちゃ狭い!人一人やっと入れるスペースしかありません。にしては、小を足すところには無駄にスペースがあります。
なんだこのアンバランスさは?!設計責任者出てきやがれ!このやろう!
と怒ってみてもしょうがないので、ドアを閉めなすべきことをなそうとしましたが、今度はドアを閉めたらめちゃめちゃ暗い!まったく光が入ってきません。ここである曲が頭の中で流れます。
寂しい夜は会いたい 寂しい夜はcrycrycry ♪
cryと暗い…寒い…
いや、前日行ったカラオケで誰かがシャ乱Q歌っていたので…
ってか、そもそもAIRの旅とかいって、そんなバカなことしてること自体寒い…
完全にやきが回ったか。なんのひねりもありません。これでは安藤美姫にもバカボンの顔に出ているぐるぐるにも魔方陣ぐるぐるにも勝てません。
意気消沈とはこのこと。失意の中、静かにことを済ませたあとの、ざぁーと水が流れる音が心にしみてくる小浜の昼下がりでした…。
とぼとぼとそのラウンジを後にします。しかし、本来の目的を忘れてはいけない。俺の目的は1000年の時を越えること。AIRのルーツの場所へ向かうことなのだ、と決意を新たにします。
ナビの指示に従い小道を抜け、大通りを横切る交差点に来ると、一台のバンが止まっています。向こう側へ直進したいのだが、車が左右から来てるため、なかなか行けない様子。しかし、長い…。明らかに進める状況もあるのに行かない…。中に乗っているのはおばはん集団。どんだけ判断おせーんだよ!
自分の怒りゲージが上昇していくのが分かります。
いらいらいらいら…
ブチッ
なにかが切れました。ハンドルの中央部に手を当て、そして一気にその部分を押し下げます。
ブーーーーーー!!!!!!!!!
小浜の静かな街においらの怒りのクラクションがこだましました。そのクラクションで中に乗ってた連中の一人が、驚いてびくッっと飛び上がったのには指を刺して笑いました!わーはっはっはっは!!ざまーみやがれ!このばかちんの痴れ者どもが!!!
これでおいらの溜飲も下がります。そうしてやっとのことで車は進み、最初の目的地であるAIRのモデル地「空印寺」へと到着します。
AIR4へ続く。
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