脳内一人旅日記・改

登山、ロードバイク、一人旅好きのつれづれなるブログ。

屋久島旅行記・3 物言わぬ死人

2006年05月22日 | 登山記
屋久島入りして早速、ちょっとしたハプニングがあったものの、登山は順調に進みます。この時点ではもちろん、これから起こる恐怖体験を知る由もありません。
ということで、屋久島旅行記その3続きいきます。
いっちゃうぞこらー!
出てこいやー!(高田)

前回の小川からさらにずんずんずんどこ道を進んでいきます。この時点ではまだまだおいらの体力ゲージは減ることなく元気ハツラツです。オロナミンCです!ピッチャー鹿取。

ちょっと道幅の広いところに出て程なくすると、前方になにやら登山者の人だかりができていました。友人M君も興味深々で二人してその近くまで行くと、どうやら鹿が出没してるようです。

M君は、その鹿を見て、ヤクシカだろうとおいらに告げます。しかし、おいらはそれを素直に認めることは出来ません。屋久島に生息してる鹿がヤクシカなわけはないのです(あるのです)。

そもそもここは屋久島などではなくシシ神様の森、山であり、前方に見えるそれはまさにシシ神様そのものではりませんか。

しかしながら、他の登山者達はまるでバンビを見るようなまなざしでカメラ片手に必死にその姿を撮影しています。

怒りがふつふつとこみ上げてきました。

貴様らーーー!神をも恐れぬバチあたりの大たわけ者どもがーーー!!!

怒りに打ち震えるその手で、そしてその指でおいらもデジカメのシャッターを押します。ばっちぐーです!
やったぁ!

野生のヤクシカが人前に姿を現すことはどうやら珍しいことなようなので、ほんとにラッキーでした♪おいらが北海道に旅したときも、野生のキタキツネやらリスやらエゾシカやら遭遇してきたので、そのへんの縁はあるようです。

うきうき気分、りんりんらんらんで登山を再開します。

これまでとは打って変わって勾配がかなりきついルートに入ります。道自体も足場が悪く、ここで多くの体力が奪われました。極度の疲労で二足歩行が出来ないのです。山道を四つんばいで這うようにして登る姿に、人類の面影はありませんでした。

ここでこの日の日程を説明すると、最終目的地はかの有名な樹齢何千年かの縄文杉がある場所まで登り、そこからちょっと先の高塚小屋というところで一泊します。もう日が暮れるというぎりぎりの時間でなんとか小屋までたどり着きました。

しかし、実際にその小屋で宿を取ることについて我々はかなりのためらいがありました。すでに数日前から現地入りしていたM君は、この日の前日に、泊まっていた民宿のおかみさんから驚愕すべき情報を得ていたのです。

高塚小屋から行方不明者の死体が出た。

………
……


ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!

つい前の日まで、物言わぬ死人が横たわっていた小屋で我々も横たわろうというのです。躊躇しないわけがありません。

そもそも、高塚小屋というのは本来、登山者がほとんど利用しない小屋である為、我々が登山に行く前日まで誰も利用していなかった、ということになります。つまり、我々の登山する日が一日早くなっていたら我々自身が死体を発見していたことにもなります。

とりあえず様子を見てみようと、小屋の戸を開け中に潜入します。中は薄暗く、且つ、物が乱雑に置かれており、いかにもボロ小屋といった様相を呈していました。とその時…

シャンシャンシャン♪

何かの音楽が鳴り出します。音漏れしてる感じでした。

M君「なんか鳴ってますけど…」

おいら「え?俺かな…」

どうやらリュックに入れていたCDウォークマンが鳴っているようでした。

おいら「???」

CDウォークマンを取り出すと確かに作動しています。しかし、おいらは誤動作を防ぐために本体、リモコン共にHOLD状態にしていました。勝手に動くはずはありません。

そのことをM君に告げ、念のため確認します。

おいら「俺のリュック、なんもさわってねーよな?」

M君「さわってないっすよ!」

二人「…?!」

二人して顔を見合わせしばしの硬直…。

そして、二人とも我先にと小屋の外へ飛び出していました…。

その4へ続く。


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (裕平)
2006-05-22 20:56:19
俺でしたー!残念!

つか君文才あるねえ、いやマジで。

しかし小説みたいに完結してるせいかコメント残しにくい・・・。



一瞬俺もためらったモン。

しかし、ピッチャー鹿取で不覚にもワロタ。
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へけけ (てら)
2006-05-22 21:13:18
あ、どうもコメントサンクソ

ちゃんとAIR・1から読んでくれたかね?w

AIRの話もきっと面白いゾ。少なくとも電車の中での暇つぶしにはなるはずじゃw



当時の巨人は鹿取を酷使しすぎたからねえ。しかしネタが古い…orz

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あ、そうだ (裕平)
2006-05-22 22:43:28
ぜひ俺のとこにもきてみてよ。かなり痛いから
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