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店内に入ると
エルグレコの『受胎告知』のモノクロ
古い硝子窓から差し込む光は柔らかく
若い女性の語らう姿に
昨年の年の瀬を間近にして
立ち寄った倉敷の古いカフェ
言わずと知れたこの店は
大原美術館の創業者:大原孫三郎氏が
名画の余韻に浸る為にと、ご自分の隣接
事務所をリノベーションしました。
大正末期の洋風建築が持つ哀愁‥が
今も尚愛され続いています。
以前5月に来た時はアイビーの緑が
赤色のひさしある扉に映えてました。
数年に1度は立ちよる場所です。
店内に入ると
そこはもう時間が止まった世界。。
昔から殆ど変わっていない空間です。
エルグレコの『受胎告知』のモノクロ
コピー画が壁に掛けられていて
空想の世界を邪魔しない程のしつらえ。
古い硝子窓から差し込む光は柔らかく
遠い昔を思い出させてくれます。
私が初めてここを訪れたのは
半世紀も前⁈
高校時代でした。
思いっきり背伸びして‥すまして
ココアを注文したと思います。
あの時はJセガンティーニの
『アルプスの真昼』に惹かれ、
規則絡みの女学生にはあの光が
希望に繋がったイメージでした。
その一時を過ごしたあのコーナー机
若い女性の語らう姿に
あの時の自分を見ました。
(後ろ姿を勝手に撮らせて頂きました)
帰りの高速で見た夕焼けまでもが
遠い昔に思えた日でした。
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「ココアを飲む女子高校生」に会えて良かったですね。