テルミン
おすすめ度
原題:Theremin an electronic odyssey
監督・製作・脚本:スティーヴン・M・マーティン
出演:レオン・テルミン クララ・ロックモア ロバート・モーグ リディア・カヴィナ ビーチ・ボーイズ&ブライアン・ウィルソン トッド・ラングレン、レーニン
昨日の記事の中で触れた効果音つながりで、テルミンです。テルミンは、ロシア人科学者レフ・セルゲーエヴィチ・テルミンによって発明された世界初の電子楽器です。この作品は、その開発者であるロシア人研究者テルミンのドキュメンタリー映画です。
ロシア内戦の真っ只中の1920年に電子楽器テルミンは誕生しました。楽器に手を触れることなく手の動きで音を操る独特な演奏法はかなり高い技術を要するそうです。今までにない不思議な音色は当時大変衝撃的で、大いに注目を集めました。ヨーロッパでのデモンストレーション演奏旅行のあと渡米し、1928年にニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団と共演します。ショービズ先進国アメリカでも一躍脚光を浴び、その独特な音色の特徴を生かし多くの映画の効果音などに使用されました。
テルミン氏は、ジョセフ・シリンガー、アルバート・アインシュタイン、レーニン、など、当時の前衛的な文化人や音楽関係者と交流がありました。そうそうたる顔ぶれです。まさに時代の寵児だったんですね。
1938年、テルミン氏の人生を変える事件が起こります。妻を残し、突如姿を消してしまうのです。(失踪の理由はKGB拉致説、自らの希望での密出国説など諸説あるそうですが、前者が有力だそうです。)10年ぶりに祖国に戻ったとき国内の情勢は大きく変わっていました。彼はスターリンによる厳しい弾圧を受けるのです。いわれのない罪で逮捕され、シベリアで8年間の強制労働を科せられます。その後、科学者だけの収容所に所属し、軍事技術開発などに従事します。彼の生死についての詳細は身内や友人たちには伝えられませんでした。なので彼は失踪時に死亡したものとされます。
長い月日が流れ、東西統一の時代にようやくテルミンの生存が知られるところとなります。そして、1991年にアメリカ再訪を果たしテルミンは再び暖かく迎えられます。
彼も大きな時代の流れに翻弄された被害者なんですよね。すっかりおじいちゃんになってしまったテルミンが浦島太郎状態(←表現古っ。)でアメリカの街を散策する姿には思わず、うるっ。としてしまいます。クララ・ロックモアとの2ショットも何だか感慨深いです。
シンセサイザーの発明家ロバート・モーグ、ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンやトッド・ラングレンなどのインタビューもありますので、音楽がお好きな方は特に興味深い作品だと思います。
・テルミン@映画生活
詳細な記述に「ああ、そういえばそうだったなぁ」
と思い出させられる部分も多かったです。
丁寧に観て、書いておられますね。
イシバシ・テルミンという簡易バージョンが欲しく
なってきました。
音量調整出来なくて、足元にVoペダル等を繋いでやるみたいです。
逆に手でやるよりもプレイアビリティが高いのかもしれません。
今回TBいただいて、こちらを初めて訪問しましたが、毎日のようにエントリーされていて、その充実ぶりにビックリしました。
今後、レンタルする時の参考にさせていただきますね!
yes90125さんは、すごく楽器のことに詳しいんですね。楽器の記述、興味深く拝見しました^^
>イシバシ・テルミンという簡易バージョンが欲しく
なってきました。
音量調整出来なくて、足元にVoペダル等を繋いでやるみたいです。
逆に手でやるよりもプレイアビリティが高いのかもしれません。
「イシバシ・テルミン」ググッてみました(笑)こんなのがあったんですね~。知らなかった。えらくコンパクトで価格も思いのほかリーズナブル。もし演奏される機会があれば、またご報告くださいね。
【とどさんへ】
とどさんは、音楽とっても詳しいんですね(す、すみません。プロに失礼ですね^^;)
すごく興味深いブログでしたので遊びに行かせていただきます。
今後とも宜しくお願い致します。
音楽もいいし、何より、みんなお年なのにパワフルですよね!
これから順に遡って拝見させて頂きます。とっても楽しみです☆
「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」って、ヴィム・ヴェンダースですよね。
未見ですがちょっと食わず嫌いな感じです。
ヴィムヴェンダースは芸術性の高い作風の監督だと思いますが、イマイチテンポが合わなくて…。
なので、二の足を踏んでいます。
音楽映画だし、ドキュメンタリーだし。また違うかなとは思っているんですが^^;