新型コロナウイルスの感染防止のため、「新しい生活様式」が推奨されて久しい。
3密を避け、お互い
近づかない、向き合わない、話さない。
仕方がないけれど、なんだか悲しい。
どうやって人と接していけばいいのかなと悩み、
ここにきてまた感染者が増えて、みんな手探りしている。
6月5日の朝日新聞に、ホモサピエンスという生き物としての人間がどうコロナと向き合うか
考察した記事は興味深いものでした。
東山動物園の動物学者 上野吉一さんから見た「新しい生活様式」
以下 引用 一部要約 *********************
科学・医学と経済のせめぎ合いの中で、主役のはずの人間一人ひとりの行動や心理という視点がないことに疑問を感じた。
理屈としてはわかるけれど、ホモ・サピエンスとしての私たちは無意識のうちに、近づきたい相手とは距離を詰め、離れたい相手は視野に入らないようにして、居心地を良くしている。
リモートワークを経験し、満員電車の距離感がいかに心の負担だったか、気づいた人も多い。
食事は横並び、おしゃべりは控えて料理に集中する
=会いたい人と鍋や食事を囲む空間は「リスク」
と呼ばれるのは切ない。
人間は社会的に食べているから。
サルは授乳のほかは親子でも食べ物を積極的に分配しないし、ニホンザルは親が子供の口に手を入れて食べているものを取り上げることもある。
チンパンジーやゴリラは食べ物をねだられたときに”仕方がないな”という様子で取っていかれるままにしたり、場所を譲ったり、消極的な分配をするくらい。
つまり、言い換えると、
料理をふるまったり、一緒に食べたりという行為は、それ自体が極めて人間的だということ。
文化人類学者の石毛直道先生が、料理と共食は人類に共通で、それによって食文化は発展してきたと定義づけた通り。
行動学的に分析すれば、見返りを期待して相手に貸しを作る面もあるが、
集まった人たちが同じものを食べながら時間や場を共有することで、関係性が築かれる。
花見はその典型でもある。
つまり、食べる=栄養摂取だけでなく、
コミュニケーションとしての意味も大きい
マスクについて。。。。。。
口元は表現の道具。
チンパンジーは怒ったり、逆に恐怖を感じたりすると、歯をむき出しにし、うれしいと口が半開きに緩む。
離れていても顔からどんな状態かがわかる。
周囲に感情を伝えている。
ヒトの表情筋はサルより発達している。
その分マスクで隠された状態で、目の動きからどれだけのことが読み取れるのか。
感染対策とコミュニケーションの質の両方を叶えるデザインが必要。
それは、生活環境の中で社会的側面を希薄にしてはいけないという点で、動物園のような管理の中でも動物本来の能力を発揮できるようにする、動物福祉の考え方に重なるものです。
*******************************
そして、最後の話がまた、なかなか、本質をついている。
*******************************
コロナ禍の中で、世界中のリーダーが発信していますが、ホモ・サピエンスのリーダーに求められる資質とは?
イギリスの霊長類学者ジェーン・グードル博士の有名な観察例。
大きな音をたてる缶を手に入れた体の小さなチンパンジーが、
恐怖によって群れの統治に成功した。
しかし、缶がさび付いてダメになると、化けの皮がはがれて
一気に権力の座から引きずり降ろされた。
チンパンジーは、体が大きくて力が強いだけでも信頼されない。
リーダーの座を争ってオス同士のケンカが始まった時に、群れのメスたちがこぞって加勢したオスが最後には勝ち残る。
そこで支持されるのは、普段から弱い者の面倒見がいいサルなのです。
コロナ禍、そもそも森の中で眠っていたウイルスを、環境破壊によって市中に引きずり出したのは人間である。
人間中心主義が自然との距離感を崩してしまった結果。
もう一度、ホモ・サピエンスとしての身の丈を見直すよう迫られていると考える。
上野吉一さん
京都大学霊長類研究所准教授を経て現職。酪農学園大学特任教授なども務める。
著書に「グルメなサル 香水をつけるサル」
共著に「動物福祉の現在 動物とのより良い関係を築くために」など。
********************************
ホモ・サビエンスとしての身の丈。。。。。
自然の一員であることを顧み、一人一人ができることを始めなければならないのだろう。
宴会や会食の自粛。。。。。。
ソーシャルディスタンスによって、
人と人が直接近い距離で会ったり、長時間話したり、
過ごしたりすることが今までよりも難しくなったけれど、
人間の脳は、実際に会い、関わることで活発に反応する。
更に、食事を共にすることで、コミュニケーションは深まる。
笑うことと同じように、コミュニケーションをとるということが
人間という生き物にとっては大事なことで、
この部分だけはAIやオンラインだけでは代用しきれない(今のところ)。
コロナとどう折り合いをつけていったらいいのでしょう。
色々考えるのだけど、はっきりとした答えは出せないのです。
今はいわゆる”濃厚接触”を避けつつ、
自分の身近な人や場所、関係を大事にして生活していくことなのかしら。
禅語の「看脚下」がふと頭に浮かびました。
ちなみに、”濃厚接触”のきちんとした定義について
以下のブログでしっかり把握させて頂きました。
こちらのブログでは色々お勉強させて頂いておりますので、シェアさせて頂きます。
濃厚接触者の定義とは。自宅待機にならないために知っておきたいこと
https://blog.goo.ne.jp/e3693/e/2dfc6d3258d8c28431e4525168749808
日常に欠かせなくなったマスク、これからどんどん進化を遂げていきそう。
今日は駅前でマスク屋さんを見かけました。色々な柄が売っていましたよ。
3密を避け、お互い
近づかない、向き合わない、話さない。
仕方がないけれど、なんだか悲しい。
どうやって人と接していけばいいのかなと悩み、
ここにきてまた感染者が増えて、みんな手探りしている。
6月5日の朝日新聞に、ホモサピエンスという生き物としての人間がどうコロナと向き合うか
考察した記事は興味深いものでした。
東山動物園の動物学者 上野吉一さんから見た「新しい生活様式」
以下 引用 一部要約 *********************
科学・医学と経済のせめぎ合いの中で、主役のはずの人間一人ひとりの行動や心理という視点がないことに疑問を感じた。
理屈としてはわかるけれど、ホモ・サピエンスとしての私たちは無意識のうちに、近づきたい相手とは距離を詰め、離れたい相手は視野に入らないようにして、居心地を良くしている。
リモートワークを経験し、満員電車の距離感がいかに心の負担だったか、気づいた人も多い。
食事は横並び、おしゃべりは控えて料理に集中する
=会いたい人と鍋や食事を囲む空間は「リスク」
と呼ばれるのは切ない。
人間は社会的に食べているから。
サルは授乳のほかは親子でも食べ物を積極的に分配しないし、ニホンザルは親が子供の口に手を入れて食べているものを取り上げることもある。
チンパンジーやゴリラは食べ物をねだられたときに”仕方がないな”という様子で取っていかれるままにしたり、場所を譲ったり、消極的な分配をするくらい。
つまり、言い換えると、
料理をふるまったり、一緒に食べたりという行為は、それ自体が極めて人間的だということ。
文化人類学者の石毛直道先生が、料理と共食は人類に共通で、それによって食文化は発展してきたと定義づけた通り。
行動学的に分析すれば、見返りを期待して相手に貸しを作る面もあるが、
集まった人たちが同じものを食べながら時間や場を共有することで、関係性が築かれる。
花見はその典型でもある。
つまり、食べる=栄養摂取だけでなく、
コミュニケーションとしての意味も大きい
マスクについて。。。。。。
口元は表現の道具。
チンパンジーは怒ったり、逆に恐怖を感じたりすると、歯をむき出しにし、うれしいと口が半開きに緩む。
離れていても顔からどんな状態かがわかる。
周囲に感情を伝えている。
ヒトの表情筋はサルより発達している。
その分マスクで隠された状態で、目の動きからどれだけのことが読み取れるのか。
感染対策とコミュニケーションの質の両方を叶えるデザインが必要。
それは、生活環境の中で社会的側面を希薄にしてはいけないという点で、動物園のような管理の中でも動物本来の能力を発揮できるようにする、動物福祉の考え方に重なるものです。
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そして、最後の話がまた、なかなか、本質をついている。
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コロナ禍の中で、世界中のリーダーが発信していますが、ホモ・サピエンスのリーダーに求められる資質とは?
イギリスの霊長類学者ジェーン・グードル博士の有名な観察例。
大きな音をたてる缶を手に入れた体の小さなチンパンジーが、
恐怖によって群れの統治に成功した。
しかし、缶がさび付いてダメになると、化けの皮がはがれて
一気に権力の座から引きずり降ろされた。
チンパンジーは、体が大きくて力が強いだけでも信頼されない。
リーダーの座を争ってオス同士のケンカが始まった時に、群れのメスたちがこぞって加勢したオスが最後には勝ち残る。
そこで支持されるのは、普段から弱い者の面倒見がいいサルなのです。
コロナ禍、そもそも森の中で眠っていたウイルスを、環境破壊によって市中に引きずり出したのは人間である。
人間中心主義が自然との距離感を崩してしまった結果。
もう一度、ホモ・サピエンスとしての身の丈を見直すよう迫られていると考える。
上野吉一さん
京都大学霊長類研究所准教授を経て現職。酪農学園大学特任教授なども務める。
著書に「グルメなサル 香水をつけるサル」
共著に「動物福祉の現在 動物とのより良い関係を築くために」など。
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ホモ・サビエンスとしての身の丈。。。。。
自然の一員であることを顧み、一人一人ができることを始めなければならないのだろう。
宴会や会食の自粛。。。。。。
ソーシャルディスタンスによって、
人と人が直接近い距離で会ったり、長時間話したり、
過ごしたりすることが今までよりも難しくなったけれど、
人間の脳は、実際に会い、関わることで活発に反応する。
更に、食事を共にすることで、コミュニケーションは深まる。
笑うことと同じように、コミュニケーションをとるということが
人間という生き物にとっては大事なことで、
この部分だけはAIやオンラインだけでは代用しきれない(今のところ)。
コロナとどう折り合いをつけていったらいいのでしょう。
色々考えるのだけど、はっきりとした答えは出せないのです。
今はいわゆる”濃厚接触”を避けつつ、
自分の身近な人や場所、関係を大事にして生活していくことなのかしら。
禅語の「看脚下」がふと頭に浮かびました。
ちなみに、”濃厚接触”のきちんとした定義について
以下のブログでしっかり把握させて頂きました。
こちらのブログでは色々お勉強させて頂いておりますので、シェアさせて頂きます。
濃厚接触者の定義とは。自宅待機にならないために知っておきたいこと
https://blog.goo.ne.jp/e3693/e/2dfc6d3258d8c28431e4525168749808
日常に欠かせなくなったマスク、これからどんどん進化を遂げていきそう。
今日は駅前でマスク屋さんを見かけました。色々な柄が売っていましたよ。