この季節になると“落とし文”という銘の和菓子を見かけます。お稽古場でも毎年登場する馴染みの主菓子です。
丸めた餡を巻き込むようにして葉っぱがくるりと巻かれた状態、その巻かれた葉の上に白い粒のような餡が置かれた形がベーシック。これは、オトシブミという昆虫が卵を産んでその葉をくるくると葉巻状に巻いて地面に落とす(葉が幼虫のゆりかごとなり、餌となり、敵から子を守る)ことを模して作られた和菓子です。
菓子の落とし文について
http://www.kaho-fukuoka.co.jp/saijiki/2001-05/otoshibu.html
では、昆虫オトシブミの銘々は?というと、
“落とし文”とは、公然とは言えないことや秘かに想う恋心を伝えるために、伝えたい人の近くに落として拾わせた置手紙のことで、オトシブミが葉を丸めて巻物状にするのがそれによく似ていることから名づけられたものです。昔の人の感性には頭が下がります。そしてそんな虫さんの知恵にも感動します。
昆虫のオトシブミについて
http://www.tomamin.co.jp/you/05you/050822.htm
“落とし文”は初夏を表す季語にも使われていて、美しい俳句としても遺されています。
音たてて落ちてみどりや落(おと)し文 原石鼎
落し文ありころころと吹かれたる 星野立子
手にしたる女人高野の落し文 清崎敏郎
落とし文拾いて渡る思川 松尾ふみを
落とし文開く一人をうち囲み 京極昭子
今の時代はメールや携帯が発達して、落とし文などという風流なものはありえない時になりましたが、手紙好きな私には残ってほしい、伝えていきたい言葉の一つです。
さて、和菓子“落とし文”の由来を知らない頃、葉の上に乗った白い粒状の餡は葉に落ちた露だと思っておりました。ところが、由来を知ると、これは実は昆虫の卵?ということになり、食べるのに一瞬躊躇するようになりました。先生も、「まあ由来からすると卵を表しているのだけど、露の方が美しくていいわねぇ。」とおっしゃいました。知識としては知った上で、ちょうど梅雨時ですし、コロコロと葉の上に残った雫と考えて頂いた方が味わい深いかもしれませんね。毎年、落とし文を和菓子に模した古人の感性に感謝しつつ頂いております。
丸めた餡を巻き込むようにして葉っぱがくるりと巻かれた状態、その巻かれた葉の上に白い粒のような餡が置かれた形がベーシック。これは、オトシブミという昆虫が卵を産んでその葉をくるくると葉巻状に巻いて地面に落とす(葉が幼虫のゆりかごとなり、餌となり、敵から子を守る)ことを模して作られた和菓子です。
菓子の落とし文について
http://www.kaho-fukuoka.co.jp/saijiki/2001-05/otoshibu.html
では、昆虫オトシブミの銘々は?というと、
“落とし文”とは、公然とは言えないことや秘かに想う恋心を伝えるために、伝えたい人の近くに落として拾わせた置手紙のことで、オトシブミが葉を丸めて巻物状にするのがそれによく似ていることから名づけられたものです。昔の人の感性には頭が下がります。そしてそんな虫さんの知恵にも感動します。
昆虫のオトシブミについて
http://www.tomamin.co.jp/you/05you/050822.htm
“落とし文”は初夏を表す季語にも使われていて、美しい俳句としても遺されています。
音たてて落ちてみどりや落(おと)し文 原石鼎
落し文ありころころと吹かれたる 星野立子
手にしたる女人高野の落し文 清崎敏郎
落とし文拾いて渡る思川 松尾ふみを
落とし文開く一人をうち囲み 京極昭子
今の時代はメールや携帯が発達して、落とし文などという風流なものはありえない時になりましたが、手紙好きな私には残ってほしい、伝えていきたい言葉の一つです。
さて、和菓子“落とし文”の由来を知らない頃、葉の上に乗った白い粒状の餡は葉に落ちた露だと思っておりました。ところが、由来を知ると、これは実は昆虫の卵?ということになり、食べるのに一瞬躊躇するようになりました。先生も、「まあ由来からすると卵を表しているのだけど、露の方が美しくていいわねぇ。」とおっしゃいました。知識としては知った上で、ちょうど梅雨時ですし、コロコロと葉の上に残った雫と考えて頂いた方が味わい深いかもしれませんね。毎年、落とし文を和菓子に模した古人の感性に感謝しつつ頂いております。
なんと、タイトルとハンドルネームがリンクしてる^^-☆
>さて、和菓子“落とし文”の由来を知らない頃、・・・・・
<全く同じ記憶をなぞりました。未だにそう思っていらっしゃる方も^^;
何かで勉強したり、偶々何方かの発言で知る意外、露だと思ってしまいそう。
ゾウムシ科の昆虫オトシブミは、ホトトギスの鳴く頃成虫となる為
この枯葉が散るので、“ホトトギスの落し文”とも呼ばれたそうですね。
先日、いつものメンバーとは違う稽古の時、一寸緊張していたのですが
ある方が、この主菓子を懐紙からコロンと落としました。すかさずに、
「あ~、こんなに落っこちるから落し文なのね~ェ。やっと判った。」*^0^*/
この一件で、緊張がどっとほぐれました。
いい話ですね。オトシブミが昆虫にいるとは、とてもきょうみ深いです。わたしは、ふんころがしの学名スカラベというのが昔からお気に入りなんですが、オトシブミもお気にいりに入れました。
それにしても、たまごさんの文章といい、飛翔さんの文章といい、そのままわたしの生徒に暗記させたいぐらいです。
<全く同じ記憶をなぞりました。未だにそう思っていらっしゃる方も^^;
やっぱり、そうでしたか!私もずっと葉の上におちた露を模しているのだと思っていたのです。
>”ホトトギスの落し文”とも呼ばれたそうですね。
それは知りませんでした!まあ、味わいありますね。
>「あ~、こんなに落っこちるから落し文なのね~ェ。やっと判った。」*^0^*/
確かに丸っこくてコロコロしていますね。
おっしゃった方もなかなかのセンスですね。和んだ様子が目に浮かぶようです。
私もこのお菓子のお蔭で昆虫オトシブミの存在を知りました。なかなか風情のある名前ですよね。
過分にお褒め頂き、恐縮です。。。。。
初めて おじゃまします。
同じお名前の おとし文 東京銀座の清月堂の和菓子がございます。
たぶん 形状が違うのでしょうね。
一度 こちらの おとし文にも おめにかかりたいです。
古い記事にコメントを頂き、ありがとうございます。
おとし文という銘の和菓子は結構あるようですね。同じ銘でも職人さんやお店によっても違って味わい深いですよね。
同じ銘の色々なお菓子に出会う度、銘から広がるそれぞれの感性が素敵だなあと思います。