焼鳥屋さんでお刺身を頼んだら付け合せに刻まれた茗荷(みょうが)が出てきた。「茗荷を食べるとバカになる、物忘れがひどくなるって言うけど、本当かな?」と言ったら、「それはね・・・」と友人がその由来を話してくれた。知っている人にはどうということはないのでしょうが、やけに感動したのでご紹介します。
釈迦牟尼の弟子の周梨槃特(シュリハンドク)は物忘れがひどく、自分の名前すらすぐに忘れてしまう人物だったそうです。そこで、お釈迦様は首から名札を下げさせました。あまりの物忘れに修行ができるのだろうかと思っているところに、お釈迦様が「塵を払っておれ」と役割を与えたところ日々熱心に勤め、やがて頭のよい他の弟子よりも早く悟りの境地に達したという。やがてこの周梨槃特のお墓から見慣れぬ草が生えてきた。これが“みょうが”で、そこから茗荷を食べると物忘れがひどくなるとの逸話が生まれた。“茗荷”という名は、周梨槃特が生前自分の名札を荷物のようにぶら下げていたことから名を荷うとして付けられたと言われている。
茗荷はショウガ科ショウガ属の多年草で、藪の中など日陰の湿ったところに生える。中国、インドには野生種があり、現在は中国、台湾、朝鮮半島南部、日本など広く自生している。栄養学的には、カリウム、ビタミン、ミネラル、食物繊維を多く含み、体にいいことはあっても食べ過ぎて物忘れなどあり得ないそうです。あの独特な強い香りも食欲増進、発汗作用を促す成分があり、茗荷には全く迷惑な物忘れの逸話ですね。
中国では古く魏志倭人伝にも茗荷栽培の記述があり、日本では平安時代には食用され、江戸時代には現在の栽培方法の原型が出来上がっていたといわれます。昔からアジア地域では馴染み深い野菜だったわけです。
また“みょうが”はその読み音が「知らないうちに受ける神のご加護/未来の祝福」を表す“冥加”にも通じるめでたいものとして家紋に使用され、日本十大家紋のひとつにもなりました。抱き茗荷、違い茗荷、三つ茗荷、花茗荷など様々な意匠のものが見られます。代表的な家は、二宮家、稲垣家、四辻家など。
更に、比叡山延暦寺や出雲大社、日光東照宮など摩陀羅神(インドの護神)を祀る神社仏閣ではご供物のひとつに茗荷があるという。摩陀羅神の神紋に茗荷が定着し、更にそれを信仰する家にも茗荷紋が広まっていったそうです。
焼鳥屋の付け合せから思いがけない知識を得ました。茗荷ひとつで色々な世界があるものです。我が家でも裏庭にひっそり生えていて、そばの薬味としてはもちろんのこと、お吸い物の具、サラダなど様々な形で登場するお馴染みの茗荷ですが、今後は物忘れをしながらもひとつのことを切々とこなして悟りをひらいた周梨槃特のことを思い出しながら、大事に頂くことになるでしょう。最近物忘れがひどい私でも悟りが開けるかもしれない?!
友よ、ありがとう。君はすごい!(え?私が知らな過ぎるだけ??)
皆さん、ご存知でしたか?
釈迦牟尼の弟子の周梨槃特(シュリハンドク)は物忘れがひどく、自分の名前すらすぐに忘れてしまう人物だったそうです。そこで、お釈迦様は首から名札を下げさせました。あまりの物忘れに修行ができるのだろうかと思っているところに、お釈迦様が「塵を払っておれ」と役割を与えたところ日々熱心に勤め、やがて頭のよい他の弟子よりも早く悟りの境地に達したという。やがてこの周梨槃特のお墓から見慣れぬ草が生えてきた。これが“みょうが”で、そこから茗荷を食べると物忘れがひどくなるとの逸話が生まれた。“茗荷”という名は、周梨槃特が生前自分の名札を荷物のようにぶら下げていたことから名を荷うとして付けられたと言われている。
茗荷はショウガ科ショウガ属の多年草で、藪の中など日陰の湿ったところに生える。中国、インドには野生種があり、現在は中国、台湾、朝鮮半島南部、日本など広く自生している。栄養学的には、カリウム、ビタミン、ミネラル、食物繊維を多く含み、体にいいことはあっても食べ過ぎて物忘れなどあり得ないそうです。あの独特な強い香りも食欲増進、発汗作用を促す成分があり、茗荷には全く迷惑な物忘れの逸話ですね。
中国では古く魏志倭人伝にも茗荷栽培の記述があり、日本では平安時代には食用され、江戸時代には現在の栽培方法の原型が出来上がっていたといわれます。昔からアジア地域では馴染み深い野菜だったわけです。
また“みょうが”はその読み音が「知らないうちに受ける神のご加護/未来の祝福」を表す“冥加”にも通じるめでたいものとして家紋に使用され、日本十大家紋のひとつにもなりました。抱き茗荷、違い茗荷、三つ茗荷、花茗荷など様々な意匠のものが見られます。代表的な家は、二宮家、稲垣家、四辻家など。
更に、比叡山延暦寺や出雲大社、日光東照宮など摩陀羅神(インドの護神)を祀る神社仏閣ではご供物のひとつに茗荷があるという。摩陀羅神の神紋に茗荷が定着し、更にそれを信仰する家にも茗荷紋が広まっていったそうです。
焼鳥屋の付け合せから思いがけない知識を得ました。茗荷ひとつで色々な世界があるものです。我が家でも裏庭にひっそり生えていて、そばの薬味としてはもちろんのこと、お吸い物の具、サラダなど様々な形で登場するお馴染みの茗荷ですが、今後は物忘れをしながらもひとつのことを切々とこなして悟りをひらいた周梨槃特のことを思い出しながら、大事に頂くことになるでしょう。最近物忘れがひどい私でも悟りが開けるかもしれない?!
友よ、ありがとう。君はすごい!(え?私が知らな過ぎるだけ??)
皆さん、ご存知でしたか?
>「煩悩を忘れ悟りを開く」=『茗荷は悪いものを祓う力がある』=摩陀羅神
なるほど、そうですね。
塵を払うことは自分の心の塵を払うことに繋がり、魔を除けることになるのでしょうね。神仏の教えは深い。
摩陀羅神を何処かでみかけたら茗荷を探してみます。
色々教えて下さってありがとうございました。
今日、家紋の本をちょっと見たら、茗荷紋が2ページびっしりとあってびっくりしました。本当にたくさんあるんです。それにしても家紋は美しいデザインですねー。
「物忘れをする」というと悪いことのように取られがちですが、この仏話のオチは塵を祓いお掃除することで「煩悩を忘れ悟りを開く」ことが出来たと言うことから、『茗荷は悪いものを祓う力がある』となるのだと思います。それで摩陀羅神も脇にお持ちなのでしょう。
手元にある「異神」という本に載っている輪王寺の「摩陀羅神二童子図」を見ると、確かに摩陀羅神の脇に茗荷が生えています。
摩陀羅神という神様は、元々天台宗の常行堂というお堂に祭られていたようですが、実は出自の分からない謎の存在です。ダキニ天、あるいは大黒天と同体とも、スサノオノミコトと同体とも言われています。
インド由来と書いてある本もありますが、実態は何とも言えないようです。
すみません、茗荷と関係のない話になりました。
ちなみに、僕は茗荷は大好きです。
茗荷、タイムリーだったのですね。私もまさか焼き鳥屋で茗荷の素敵な由来を教えてもらえるとは思いませんでした。
>周梨槃特
釈迦の十大弟子のようですけれど、お釈迦様はそういう不器用な人をも受け入れてくれたってことですよね。
不器用な私にも励みになりました。だからやけに感動してしまったのです。
>日本古来の祭り事をする時は、旧暦で。
>茗荷の子の白い茎を頭に、花穂を尾羽に見立て、2本の爪楊枝を足にした鳥
いいですね。お盆に茄子や胡瓜に楊子を挿して馬に見立てたりはしますけれど、茗荷はなるほど、鳥に見えますね。
私も祖母と、祖母の家でのことを懐かしく思い出しました。ありがとうございました。
まさに今日の晩御飯に”みょうが”を食べながら、
『なーんで、みょうがって食べ過ぎたら”あほ”になるっていわれんのやろ?』と思っていたところだったのでした。
”あほ”になるんじゃなくて、”物忘れがひどくなる”っていうこと、茗荷の感じのり由来、そして何より周梨槃特に感動。
不器用でもひたむきに続けていれば誰よりも良い結果を生み出すことができる。
本当に不器用に生きているあたしには励みにさえなりました。
謂れは始めて知りました。有難うございます。
コメントありがとうございます。
私も今回初めて茗荷の謂れを知ったのです!
茗荷の卵とじもおいしいですよね~。
ブログにはまた寄らせて頂きますね。
摘んだ茗荷をうっかりそのまま置いておいて、白い花が咲いてしまったことがあります。びっくりしました。
でも、本当に薄絹のようできれいですよね。
きっと今もその尼僧さんと、茗荷と仏様がお母様と藍さんを護ってくれていますよ。
私も茗荷は香りも味も刺激が強いので、やはり食べ過ぎるといけないのかな、と漠然と思っていましたが、こういう話だったとは、驚きでした。
おじい様の物忘れ疑惑、茗荷のせいになってたんですね。安心しておじい様とたくさん茗荷食べて下さい。(笑)
ミョウガって奈良ではあまり食さないのかしら?ゴマたんさんのお宅があまり習慣がなかったのかな。
一緒に悟りをひらきましょう~。
ありがとうございます。
夏負けしない「だし」、夏野菜も香りのつよいものや身体によさそうなものばかりですね。オクラも私は大好きです~。試してみます。
ミョウガも感動しましたが、他の野菜にも色々謂れがあるんでしょうね~。
茗荷は香り食欲をそそりますよね。
>酢飯に茗荷の千切りと大葉、じゃこを混ぜると絶品!
思い浮かべるだけで涎が。。。おいしそうですね。今度やってみます。
全然知りませんでした
うちでも夏にはたくさんいただきます
定番は茗荷の卵とじです
私達が食べているのは茗荷の蕾の萼にあたる部分で、摘まずにそのままにして置くと、あの中から薄絹のような花が咲きます。咲いてしまうと、もう美味しくないのですが、私はあの花が好きでいつも全部摘まずに少し残していました。^^
私が小さいときからよくお世話になっているお寺の尼僧さんが、体の弱い私や母にお寺の敷地内に自生していた茗荷を摘んで食べさせてくれました。
今はその尼僧さんは黄泉の国へ旅立たれましたが、
茗荷と仏教がつながりがあるということは、尼僧さんが色々茗荷の力と仏の力で私や、母の体をまもってくれてたんだなぁって日記読んでて思いました。
これからは物忘れのことを気にせず、茗荷を食べられます。やっぱり茗荷はおいしいですね。
うちの庭にも出てくるんです。祖父の物忘れがひどくなったのは茗荷のせい?という濡れ衣も晴れました。
実は結婚前にはなじみがなく、東京に来てはじめて手に取った野菜です。
でも、冷奴にの薬味としたり、おいしいですよね~。
私もこれからはたまごさんの書いてくださったお話を思い浮かべながら、みょうがをいただくことにします。
茄子、胡瓜、オクラ、葱、などの夏野菜を荒みじんに
切って絞り醤油を掛けます。家庭によって青じそ、とうきび、青豆を交ぜます。絶対に欠かせないのがミョウガです。これをご飯に掛けて食べれば夏負けしないと言い伝えられています。ぜひお試しを!!
ミョウガの話勉強になりました。
もちろん、大好き♪
あの香りが食欲をそそりますよね。
お味噌汁、冷奴の薬味など脇役的存在が多いですが無くてはならない存在です!
酢飯に茗荷の千切りと大葉、じゃこを混ぜると絶品!
食欲無くってもこれは食べれますよ♪
>バチが当たるでって意味で、「ミョウガに悪おすえ」って祖母がたまにゆうてました。
へえ、そういう言い方があるんですか。それは”冥加”って漢字の方だったのですね。それにしても、冥加から家紋に多く使われたというのも驚きでした。
>たくさんいただいたお陰で、それ以来物忘れがひどうございます(笑)!
私はそれほど食べていないのに最近物忘れが~。
>東京には茗荷谷という地下鉄の駅がありますが、ここでは沢山取れたのかしら?なんて思って♪
もしかしたらそういう謂れかもしれませんね。茗荷がたくさんとれた谷だったのかも。
私も今回の話は、3度びっくりでした。まず、自分の名前を忘れるシュリハンドクにびっくり、塵を払っていて悟りを開いたことにびっくり、茗荷という漢字、名を荷うと書くと聞いてびっくり。
>それより私の物忘れ まだまだ進行するのでしょうねぇ?
私もそうです。。。。その分何かひとつのことに打ち込みましょう。悟りがひらけるかも。
そうなんです、頭でどれだけ考えるよりはなにか一つの事を実践した者が悟ってしまう・・・って、すごい教えだなって聞いて感動しちゃいました。
>私はどっちか~というと掃除は嫌いかもヾ(・・;)ォィォィ
私も塵を毎日掃いたりしません~。
>茗荷の塩漬けは好きなんですけど、食べると頭の後ろがピリっとしびれるんですよ(ーー;
それで物忘れしちゃう?それとも刺激になって思い出す??茗荷にはなんともいえない刺激、香りがありますよね。
だいたいどんな状態で生えてくるのか知りませんでした。
昨年長野の友達の畑で見せてもらい、ふ~~~んなるほど、こんな風に根元に!
そして、友達のお祖母様が、やま~~~~のように、茗荷を切ってくださいました。たくさんいただいたお陰で、それ以来物忘れがひどうございます(笑)!
東京には茗荷谷という地下鉄の駅がありますが、ここでは沢山取れたのかしら?なんて思って♪
次男がお吸い物に入れるのが好きでよく食べていました。
今日のお話、勉強になりました。
それより私の物忘れ まだまだ進行するのでしょうねぇ?
なにか一つの事を実践した者が悟ってしまう・・・
周梨槃特は自分の名前を忘れるけれど、一生懸命、箒をもって
掃除をする事は忘れなかったんですね~
私はどっちか~というと掃除は嫌いかもヾ(・・;)ォィォィ
茗荷の塩漬けは好きなんですけど、食べると頭の後ろがピリっと
しびれるんですよ(ーー;