先日のお稽古では、沢山の花が籠に生けてありました。
茶道具の世界と同じで、今年は花も先取りがちのようで、いつもよりどの花も早く咲くとのこと。
そして、人間はコロナで大変だけれど、花は生き生きしているように見えると先生はおっしゃいました。
床の間の花に、シモツケ と キョウカノコ がありました。
色合いも雰囲気も似ています。
いつもなんとなく、どちらかと判断していました。
皆様、手前と奥、どちらがシモツケで、どちらがキョウカノコか、わかりますか?
今回は偶然一緒に入っていて、その違いが良く分かるなあと思い、
じっくり拝見すると同時に、帰宅してから違いを調べてみました。
シモツケはバラ科シモツケ属の落葉低木で、初夏 6~7 月頃に 5 弁の小花を群がって咲かせます。
高さは 1m ほど、主幹がないために草本とよく間違えられます。
同じ仲間にはコデマリ、ユキヤナギなど。
シモツケは全国の山野に自生し、朝鮮半島や中国にも分布。
和名の由来はこの植物の最初の発見地であった『下野国』に因みます。
一方、シモツケソウというのもあって、バラ科シモツケソウ属の多年草。
名の通り、山地の草原によく見られる草で、多数の茎が株立ちになり、5月下旬~8月頃、径5~10cmの花房をつけます。
キョウカノコは、このシモツケソウを日本で改良した園芸種だそう。自生はしていない。
漢字をあてると、京鹿子。
名の由来は、細かな花が集まって咲く様子が、京染めの鹿の子絞りに似ていることに因みます。
赤紫色の花穂をつけ、葉はモミジのように切れ込みが入り、先端は鋭く尖っています。
キョウカノコは水あげもよく、切り花としても向いているため、茶花にもよく用いられます。
結論としてわかった
シモツケ と キョウカノコ のわかりやすい違い
●葉の形
シモツケは、葉先のとがった卵型にギザギザの縁
キョウカノコは、5~7の掌状に深裂したギザギザの縁
●花の形
シモツケは、ドームのような丸さがある形
キョウカノコは、複雑でふわふわとした印象
●冬の姿
シモツケは、株の枝組みが残る。
キョウカノコは、冬には落葉して地上部にはほとんど残らない。
これで、はっきりしました。
写真の手前がシモツケ、奥にあるのがキョウカノコ、です。
花をみて迷ったら、葉の形を見れば一目瞭然ですね。
キョウカノコは赤紫色の花をよく見かけますが、白花もあるそうで、別名はナツユキソウというのだとか。
雪のようにふわふわした花の姿は、その名にふさわしい気がします。
先生の床の間に飾られていた籠には、ナツユキソウではありませんでしたが、
白のシモツケも入っていました。爽やかです。
キョウカノコ(京鹿子)は和菓子でもよく使われる名称ですね。
形はほとんど真ん丸で同じでも、色合いによって想像が膨らみます。画像をお楽しみください。
ああ、京鹿子を見ていたら、抹茶が飲みたくなってきた。
そろそろ八つ時ですね。お抹茶でおやつにしよう。
今日から六月、早いなあ。。。。。
<ご参考>
シモツケとキョウカノコを調べている途中、
シモツケとシモツケソウの違いがよくわからなくなり、更に調べていたところ、
以下のHPに辿り着きました。
葉っぱの形、花の形状の違いがよくわかります。
賢者の森
https://kenjanomori.com/plant/kishimotsuke-shimotsukesou/difference/