茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

釣釜の道具 鎖・自在・弦・鐶

2020-03-24 23:20:47 | 茶道具
 毎年3月になると釣釜のお稽古をします。
釣釜
https://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/25c8b3b93b09701a8e7a541c4a3b0a98
 
 以前の記事と重なる部分もありますが、復習も兼ねて。
 通常の釜が五徳の上に乗っていて位置が固定されているのに対し、釣釜の時は炉中から五徳を取り出し、鎖を天井の蛭釘(ひるくぎ)に掛け、炉の中心にくるように鎖の先に釜を掛けるので、釜はユラユラと揺れている状態になります。五徳がない分、炉中の炭が良く見えて、味わいがあります。


 四畳半以上の広間には鎖小間には竹の自在を使い、弦と鐶を使って釜を掛けます。但し、台目柱のある席では自在や鎖が柱の並行して見栄えがよくないので、釣釜は避けた方がよいとされます。

 釜は弦とのバランス上、筒形、雲龍や車軸、鶴首などの小ぶりの釜を使います。そのため、釜の大きさに合わせて使う炭も少し細めのものを使うと煮えすぎを防ぐことができると言われています。

 釜を炉に吊るための道具(鎖・自在・弦・鐶)について

 鎖(くさり)とは、鉄や銅・銀などを輪にして長く繋いだもの、先に釜の弦をかけるための鉤(かぎ)がついています。
 和物と唐物があり、細鎖・一重鎖・二重鎖・九重鎖・腰細鎖・南蛮鎖・小豆鎖など種類がたくさんあります。中には鎖に象嵌細工がされているものもあるそう。
 
 自在(じざい)は、筒竹の、上端に掛緒(釣手)、下端に小猿と鉤を付け、掛緒を天井の蛭鉤にかけ、鉤に釜を掛けて吊るものです。
 もともと山家で秋の収穫が終わり、囲炉裏を開いて家族一同が火を囲む姿を茶道に取り入れたもの。茶室の天井の高さに合わせて作られていないので寸法は特に決まっていませんが、約四尺八寸程度の長さ。基本的に竹素材ですが、木の蔓や組紐でできた自在もあるとか。


 弦(つる)とは、釜の鐶(かん)にかけて使う、鎖や自在の鉤へかけるための把手(とって)のことです。馬蹄形に近い半円状で、両端が上に反って鉤状になっています。
 素材は鉄や真鍮などのものがあり、象嵌入りや彫文様入りや虫喰のものもあります。
 弦には利休形として三種あり、稲垣休叟著『茶道筌蹄』にそれぞれ使うとよい釜もセットで伝えられているそうです。
真鍮の木瓜形(もくこうがた)  雲龍釜、鶴首釜など 
鉄の丸弦(まるつる)     四方釜
鉄の鎌刃形(かまはがた)    小丸釜、小尻張釜、阿彌陀堂釜など

 鐶(かん)は、茶の湯釜の上げ下ろしや釜を炉に吊るために、釜の両端にある鐶付という穴に通す金属製の輪です。 輪の一端が切れ、釜の鐶付の穴に通すようになっていて、二個で一組になっています。鐶は、「釻」とも書きます。


 釣釜で春の風情を楽しみつつお稽古しましょう。

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2 コメント

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炭点前が・・・ (春旦)
2020-03-26 20:34:49
釣り釜の炭点前が大好きでした
釜が出ている期間はひと月ほどですからそれはもう一生懸命稽古しましたねぇ~
あとは若い後輩も見ているので手本にならねばとの責任感・・・笑
今日もこのブログが勉強になりました
私の仲間もこのブログで勉強していますよ
時々話題になります!
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 (m-tamago)
2020-03-28 00:19:28
春旦さん、炭手前がお好きなんですね。
釣釜、透木釜は1か月しかお目見えしないので、数えるほどしか炭手前は経験していません。春旦さんのように集中して何度もお稽古するのがよいのでしょうね。
拙ブログですが、お役に立っているなら嬉しい限りです。私もお勉強しつつなので、おかしい部分や疑問がありましたら、是非教えて下さいね。
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