「評論家入門」(小谷野 敦)を読んでいて面白かったので紹介。
学者分類の試みで、「学者分類」をしている
A:文句なしに偉大な学者
B:ちょっと怪しいけれど、まあ偉い学者
C:マスコミ的には無名だが、堅実な研究論文を着実に書いている学者
D:「評論家」として優れていて、マスコミ的にも有名だが、学者としてどうか、
と言うと疑問符がつく
E:マスコミ的に有名だが、その学門はインチキである
F:元は学者だったのだろうが、いつしか一般向けエッセイを量産する、
あるいはテレビタレントのようになってしまった人
G:箸にも棒にもかからない、碌な業績もない、ただ大学教授だというだけの学者
この分類も面白かったのですが、
Eランクの「マスコミ的に有名だが、その学門はインチキである」に
私が少し尊敬しているユングとフロイトが入っています。
本の中ではこう書かれています。
「20世紀最大のインチキ学門が精神分析だったというのが私の立場だ。
ユングの場合、昔からオカルト扱いされていたが、フロイト、そしてラカンや
クリステヴァまでインチキ扱いする私の立場は、アカデミズムでは
必ずしも少数派ではないが、文学研究の世界に限定すると優勢ではない。
だからここでは、河合隼雄とか中沢新一とかをこの範疇に入れるに
留めておこう。」
なかなか手厳しいですね。
河合隼雄はユングの紹介者、キャリアカウンセリングの世界では有名な人
この評論家入門のサブタイトルは
「清貧でもいいから物書きになりたい人に」、この言葉が気に入って
読んだ本です。
いいですね、この著者の小谷野さん、相当な読書家のようですね。
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