オーラソーマもキャリカウンセリングも
「答えは自分が持っている」という言葉をよく使う。(私だけかもしれませんが)
キャリアカウンセラーもその言葉を信じている、そしてカウンセリングを
通じてクライアントの普段意識していない、無意識下の本人の意識を
引き出す努力をする。あるいは本人に深く考えさせるということをする。
それに対して、こんなアンチテーゼがある
「心理学には『自己内観における錯覚』という言葉がある。
これは、自分の思考を省みるだけで、自分が実は何に向いているのかや、
何にもっとも幸せを感じるおか、また自分の人生の目標や人生の意義
までも徹底的に究明できるという『思い込み』を表す言葉だ。
だが、自分の思考を探ってみても最後にたどり着くのはおそらく、
気分の波と、とりとめのない感情と、曖昧な思考だらけの混沌とした
泥沼だけだ。」
そして、
「人生において何を求めているのかを知るには、何かを始めてみるのが一番だ」
ー「Think clearly シンク クリアリー」-より
確かにカウンセリングなりオーラソーマをする時、クライエントに対して
ある自信を与えるために「答えは自分が持っている」という言葉を
かけますが、本当にそうかということは疑問に思う。
つまりいろんな選択肢があるが、その中で自分が選択した、
考え方に自分が選択したということが大事で、クライエントが
自分で行動や考えの結果に責任を、あるいは自信を持つ必要がある。
これは実はカウンセラー側のリスクヘッジを意味していて、
他人の人生にカウンセラーが責任を持つことなんかできるワケがない。
この本にあるようにまず何かを始める、行動を開始する、それが
大事ですが、その行動をする上で自分が正しいといういう選択を
したという気持ちを持たせるために
「答えは自分が持っている」として、クライエントにその
認識を持たせるプロセスを意識して踏んでいるだけのことかもしれない。
Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法 | |
安原実津 | |
サンマーク出版 |
私が思うに、「答えは自分の中にあるのではないですか」とクライエントに投げかける場があるとするならば、それはカマをかけているのではないかと思います。
答えらしきものを持っているが、確信が持てない、そんなときに先のような言葉をカウンセラーに言われたら不安が確信に変わるような気がします。
もし、まったく答えを持っていないクライエントなら「そうかな?」と疑問に持って終わりでしょうね。
カウンセラーもクライエントも思いこみが強い生き物なのかもしれません。
「思い込み」そうかもしれないですね。
もっと人間って奥が深いかも。