私が村上春樹さんの本に出会ったのは大学のころ、ある人に熱心に進められて読み始めたのがきっかけです。その時から私にとって常にBEST3に入る作家なのですが、つい先日彼の原発に関してのスピーチ全文を読むことができました。
私が今回の震災直後に心に浮かんだことは、村上春樹さんの書いた「神の子どもたちはみな踊る」という本の内容でした。短編集で、それぞれが地震に何らかの関わりのある話です。
ある話では、地震後ひたすら流れる報道を一言も発することなく無言で5日間も見続けた妻が家を出て行ってしまったことから始まり、またある話では、東京の地下深くに眠るみみずくんを倒しに行く男とかえるくんの話だったり・・・・。
私の説明ではあまりうまく伝えられないので、直接読んでください。
村上春樹さんの本のように、彼のスピーチはとても素晴らしいものだと思います。
「日本人は無常という言葉があります。この世に生まれたあらゆるものはやがて消滅し、すべてはとどまることなく変移し続ける。永遠の安定とか、依って頼るべき不変不滅のものなどどこにもない」 この先に続く言葉は、これまた感慨深いものがあります。是非読んでください。
「安らかに眠って下さい。過ちは繰り返しませんから」
我々はもう一度その言葉を心に刻まなくてはなりません。
ロバート・オッペンハイマー博士は第二次世界大戦中、原爆開発の中心になった人ですが、彼は原子爆弾が広島と長崎に与えた惨状を知り、大きなショックを受けました。そしてトルーマン大統領に向かってこう言ったそうです。
「大統領、私の両手は血にまみれています」
トルーマン大統領はきれいに折り畳まれた白いハンカチをポケットから取り出し、言いました。「これで拭きたまえ」
しかし言うまでもなく、それだけの血をぬぐえる清潔なハンカチなど、この世界のどこを探してもありません。
我々日本人は核に対する「ノー」を叫び続けるべきだった。それが僕の意見です。
ぐうの音も出ないほどずしんと心に響きました。
最後にリンクを出すので是非、読んでみて下さい。彼の本と同じく、村上春樹の本は彼の言葉ではあるのですが、人間ではない何か大きなものが、彼を通してメッセージを伝えてるような感覚を持ちます。とても理想論かもしれません机上の理論かもしれませんが、日本人ならできると思うのです。日本人の持つ洗練されたセンス、頭の良さと美意識でまずは自分達の国を美しい緑の国へと変えられるはずだと思うのです。
言葉足らずで本当に申し訳ないですが、ぜひ彼のスピーチを一度読んでみて下さい。こちらです→村上春樹スピーチ