歩き日記

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日向岬と細島港を歩く

2006年12月02日 | 2006年歩き日記
 山の案内 歩き日記 今日の猫たち You Tubeでみる『山の案内』 マップ→細島港と日向岬の案内参照

 宮崎に住みながら日向岬のことを知らなかった。テレビかラジオか忘れたが日向岬の放送をしていた。興味が湧き調べたところ馬ヶ背、クルスの海、米ノ山など歩き好きの好奇心をくすぐる地であることが判明した。

 コースや距離、時間などの情報を基に計画を練り、伊勢ヶ浜海水浴場を起終点に歩くことにする。問題は天気だ、青い海には青空が一等似合う。晴れの日は他の用が入り、暇なときは曇りで日程調整ができなかった。


 12月2日は宮崎県全域快晴の予報であったので歩くことにする。ワクワクする気持ちを抑えながら、眠気眼のレットを車に乗せ、カーナビで伊勢ヶ浜海水浴場を検索、貧乏人は一般道優先でコースを設定し4時出発。早朝のドライブは車が少ないので快適だ。

 6時、予定より早く伊勢ヶ浜海水浴場に着いたが、外は暗いので車中で仮眠。6時40分頃、明るくなったので準備をして元気に出発のつもりが・・・・・空を見上げると曇り空、がっくり・・・(-_-) 天気予報は快晴、気象庁を恨む。7時、「ま、いいか」とあきらめの早い性格なので元気に歩き始める。潮の香りと潮騒の音が心地よい。


 5分くらいで第一の分岐点に着く、標識が「HOTEL HYUGA BLUE PARK」となっている、「日向ハイツ」は・・・・・経営者が変わって名称が変わったことを後で知った。分岐点を右折し「米ノ山」を目指す。なだらかな登りの舗装道路を歩いていると、米ノ山の標識が見える。ここからループ道路の急な坂道だ。

 暫く登ると日向灘が見えてくる。絶景だ。。。。青空なら最高なのにと思いながら、10分くらいで山頂に着いた。360度パノラマの風景を見ながらしばし休憩。

 で、「米ノ山」頂上はどこだ」と山好きの血が騒ぎ探していると、展望台の横の片隅に一等三角点の標識。「米ノ山」は無線中継局や展望所として開発され、山の体はなしてない。寂しい風景である。駐車場近くの法面にウサギが数匹いる。

 遠くからこちらを見ている。野ウサギではなさそうだ。坂道を下る途中、老夫婦に出会った。手にキャベツを持っている。聞くところによると「ウサギの餌やりに毎日通っています」と言われた。どうりで人を見ても逃げ出さないはずだと納得。米ノ山は美しい夜景で有名な展望台だ。



 ここから「日向岬グリーンパーク」までは下りだ。快適に歩く。途中「稲荷神社」にお参りし、おおよそ20分で「日向岬グリーンパーク」に着いた。まず驚いたのはその広さだ。6haの敷地に芝生広場、野外ステージ、駐車場、トイレ、展望台などの施設が整備されている。米ノ山を背景に眼下には太平洋が広がる好適地にある。



 暫く散策し「クルスの海」を目指して出発。暫く歩いていると「サンポウ」の標識がある。「サンポウ・・とはなんぞや」と立ち寄ることにする。歩道を海に向かって歩く。途中、犬が近づいてくると思ったら、でかい猫であった。威風堂々と立ち止まりこちらを見ている。逃げ出す雰囲気はない。レットに襲いかかるのではと心配したが、近づくと藪の中に消えた。レットは逃げ腰である。


 歩道を100mくらい歩くと、視界が開け美しい日向岬のリアス式海岸が見える。波に浸食された摂理岩の柱状が美しい。早速撮影、したが青空でないのでイマイチさえない。今回は撮影を諦め風景を眺めて楽しむことにする。東屋でリアス式海岸の変化を存分に楽しみながら、周りを見ると沢山のネコがいる。あちこちから見つめる猫の視線を感じる。逃げ出す雰囲気はない。どの猫もいい顔している。「野良猫か?」と聞いたが返事はない。

 猫の魅力は人間に媚びを売らないことだ。猫を見ているとあれこれ語りかけたくなる。返事はないが一方的に猫と語りかけると、猫の返事が聞こえる。暫く会話を楽しみクルスの海を目指して歩き始める。後で分かったのだが猫に餌を与える人間がいるらしい。「猫に餌をやらないでください」の看板があった。



 「サンポウ」の意味を考えながら歩いていると、いきなりの急坂だ、「ふーふー」と言いながら、「サンポウ・・・三方」とひらめき、つまり三方の風景が見られるから三方かと一人納得する。

 急カーブを曲がり急坂を登り切ると「クルスの海(十文字)」の標識、想像よりも高台にある。展望台は整備され駐車場や短い遊歩道がある。展望台の小さい広場には、訪れる人の心を清め希望を天に託す象徴として「クルスの鐘」が建立されている。

 地図には十文字と記載されている。クルスはイメージアップで命名された比較的新しい名前だろう。波の浸食で削られ十文字の形が形成されたクルスを見ると、「叶う」の文字に見える。このことからいつしか「願いが叶うクルスの海」と言われるようになった。「クルスの鐘」に静かに手を合わせ祈ると、清々しい気分になる。祈りを終え次の目的地、細島灯台を目指し歩きはじめる。

 「クルスの海」からは下りだ、遠くに「細島灯台」が見える。しばらく下ると急な坂道を登る。登り切ったところに細島灯台、馬ヶ背遊歩道入り口の駐車場に到着する。駐車場には茶店やトイレもある。

 遊歩道の案内板は設置されていない。「馬ヶ背」の標識は設置されているが、「細島灯台」の標識がないので、茶店で聞くとトイレの横に遊歩道がある。まずは灯台を目指す。5分くらいで灯台に着いた。日差しが僅かであるが出てきた。晴れてくれと祈る。


 灯台は明治43年、木造灯台として宮崎県が建設、変遷を経て昭和16年、現在の灯台に建て替えられた。この時地元の小中学校生がバケツリレーでコンクリートを運んだとの逸話が残っている。青空に映える白い灯台を撮影する予定であったが諦め、レットの撮影会となった。レットが迷惑そうな顔をした。



 細島灯台遊歩道の途中に馬ヶ背の標識がある。標識に従い馬ヶ背を目指す。遊歩道は急勾配の下り階段だ。暫く下ると駐車場からの遊歩道と合流する。合流から直ぐの地点に展望台がある。

 覗いてみると、奥行き200m、幅10m、高さ70mの垂直にそそり立つ岩壁の凄さに圧倒される。馬ヶ背の名称は、岬の盛り上がった岩肌が馬の背似ていることから名付けられた言われている。高所恐怖症の人は足がすくむかも・・・(^_^;)

 恐怖感を味わい馬ヶ背の先端を目指す。先端まで遊歩道が設置されている。団体御一行様に出くわす。「キャー怖い」と嬌声を上げながら断崖絶壁に設置されている遊歩道を歩いている。団体御一行が引き上げるまで休憩。

 レットをみて品の良い老婦人が「可愛い」と撫でる。暫し犬談義で盛り上がる。先端まで伸びた遊歩道は迫力満点だ。まるで船上の先端に立つ船乗りの気分に浸れる。レットは恐る恐る歩いている。青空でないのが残念であったが、素晴らしい風景に出会えて満足。(^o^) レットを撮影している時、一瞬の青空に出会えた。



 馬ヶ背遊歩道を抜け茶店のある駐車場に着く。時刻は10時30分、歩き始めて3時間30分が経過している。歩行距離はおおよそ9km、距離的には大したことはないが、予定時間オーバーだ。

 毎度の事だが歩き始めるとあちこち興味が湧き、ついつい遅くなる。ここから下り道だ。少し歩行速度を速めて細島港を目指す。5分くらい歩いただろうか、「黒田の家臣の標識」が目に飛び込んできた。迷ったが立ち寄ることにする。美々津に立ち寄り帰る予定であったがあきらめる。

 京都で起きた「寺田屋騒動」の当事者、黒田藩士海賀宮門(直求)が、中村主計、千葉郁太郎らと共に葬られている場所であった。三人はいわゆる勤王志士で、薩摩藩の有志とともに、寺田屋で倒幕計画を企てていたところを捕らわれ、薩摩に護送される途中、細島の「小嶋ノ磯」(正法寺年中日誌)で斬殺された。細島の人々は勤王の志が厚かった3人の死を心から悼み、墓碑を建ててその霊を弔ったのである。



 墓前に手を合わせ細島港に向け歩きはじめる。暫く歩くと視界が開け海沿いを歩く道路になる。大きな貨物船が航行している。細島港ではおばあさんが、イカ干しされていたので許可をもらい撮影した。富島漁協では競り市が開かれていた。

 港にはたくさんの漁船が繋留されている。塩の香りが港町の雰囲気を演出する。竹の棒に網がぶら下がっている、よく見るとイカとタコが干されていた。空は相変わらずどんよりと曇っている。



 細島港周辺には沢山の見所があるが、忘年会で14時までに日向を出発しなければならないので、「日向市細島みなと資料館」に立ち寄り帰ることにする。資料館は旧高鍋旅館を改修した資料館である。

 資料館で受付の人に「犬を抱っこして見学していですか」と聞くと「いいですよ」との返事。「荷物は重いでしょうから預かります」と言われ、日向市細島の優しいさに人情に触れることができ嬉しかった。

 館内は、受付の人が案内してくれる。大変詳しい説明であった。古い旅館の風情が心を和ませてくれる。純日本風の建築物は何故か心が安らぐ。

 説明では高鍋班の城主が参勤交代の際のお休み所だったそうである。著名人も宿泊し直筆の掛け軸などが展示されている。こんな家に住みたいと思いながら資料館を後にした。




 帰路の途中、「有栖川討伐総監宮殿下御本営跡」やカエルの置物などを撮影しながら、伊勢ヶ浜海水浴場に12時40分に着いた。総歩行距離15.2km、歩行時間5時間40分のウォーキングであった。「道の駅日向」でおにぎり弁当を食べ、レットにおやつを与え休憩後、14時帰路につく。毎度の事であるがレットは車内で熟睡だ。 


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