監督:吉田大八
昨日は仕事がお休みだったMIFさんと映画を観てきました。
あらすじ等は調べず、タイトルとポスターだけ観て本編を観ることにしました。
大泉洋さんがポスターに大写しになり、タイトルを見たら、誰だって「水曜日どうでしょう」的展開で「大泉さん、騙されちゃうんだろうな」って思っちゃう…私はそうでした。
いやぁ、これは面白かったです。
ネタバレを少々含む感想なので、ネタバレを好まない方は、ここから先はをお読みになることはお勧めしません。
表現が適切かどうかは別にして、作家=猛獣、編集者=猛獣使い、編集長=サーカス団の団長、出版社の社長=興行主…そんなふうに感じる世界観でした。
いくら興行主とはいえ、猛獣に噛みつかれたら手負いにはなるからね…と。
松岡茉優さんの演技とタクシーのドライバー技術がなにしろ凄い映画です。
そして少なくとも2年前(2019年以前)が舞台の映画ね、と思わせられる数々の事柄が出てきます。
人々が集ってパーティーシーンがあるのですが、感染対策の観点から、多分あと数年間は実写映像でこんなシーンは観ることができないはず。
実写映像では最後の映像になるかも…と思ったら、目が釘付けでした。
また映画内で、5年前なら通用したけれど今は違うというシーンがあります。
この映画自体、構想から5年かけて映画になったそうですから、おやおやこの映画も現代に通用しない?
そんなことも思いつつ、ふと気がついたのです。
新潮社出版部部長の中瀬ゆかりさんの凄さです。
誰それ?と思われる方も多いかと思います。
東京都にはTOKYO MXという、ローカルテレビ局があります。
このMXの看板番組「5時に夢中」(通称ゴジム)の木曜日に出演しているのが新潮社の中瀬ゆかりさんと、作家の岩井志麻子さん。
木曜日のこの番組の放送は、観るに耐えない、公共の電波で何を垂れ流しているの?というくらいの酷い内容のことがあるのが事実。
でも中瀬さんの深い愛情で岩井さんの酷い発言も笑いに変えるというか、本当に中瀬さんの猛獣使いっぷりが凄い番組でもあります。
映画では作家さん達の自分勝手ぶりが内容に深みを出しますが、それは映画の中の話。
現実では、もっと凄い作家さん達だらけなんだろうし、その片鱗があの番組の木曜の姿だったのか、と気づかされました。
この映画では、なんやかんやで大泉洋さんが緩急つけた役柄で、ヒトタラシです。
編集者は猛獣使いと同時にヒトタラシでないと、作家さんからは可愛がられないな、と納得しました。
映画館は今も50%の入場制限があって、春休みとはいえ平日で子ども向けではないので、とても空いていました。
時間も朝8時台スタートでしたから、人も少なかったです。
MIFさん、連れて行ってくれてありがとうございました。