相原精次+藤城憲児著。
これも図書館で借りた本。
神奈川県内の古墳を散歩で歩いてみませんか?というコンセプトのよう。
写真も図解も地図もかなり詳しく、散歩目的の人のためにお食事処、喫茶店なども紹介されている。
私のように古墳に興味を持ち始めた人にはちょうどいいボリュームの古墳入門書だ。
学生時代、先生方から「○○塚という塚がつく地名はたいてい古墳」と聞いた思い出がある。地名は字名まで調べるといいが、住宅地図には書いていないから、バス停名もチェックしなさいと言われたっけ。
バス停名は字名が残っていることがあるから。
それと、寺社仏閣の敷地、村の北側にある南向き斜面、舌状台地周辺など。
そういった言葉から、私は地図好きになった。
この本を読むまで、神奈川にこんなに横穴式墳墓が多いと思っていなかった。
6月に行った上毛野はにわの里公園やさきたま古墳群を見たときに、平野部だから前方後円墳があるのだろう、と思っていた。
神奈川は、じつは平野部がとても狭い。平野と名の付く地形は足柄平野くらいだと思うが、関東平野に比べるととても小さい。
だから大規模な前方後円墳はあまりない。それよりは舌状台地ばかりなので、横穴式墳墓ばかりなのかもしれない。
今まで気づかなかった地形に関することを意識させてくれたこの本に出会えて良かった!
そして、前述の○○塚。この本でも書かれていた。
おおやっぱりそうなんだ!と思ったら、うちからほど近いJR鹿島田駅前の「塚越」という地名について書かれていた。
ここは、多摩川流域の神奈川の中でも数少ない平野部で、古墳群があったそうだ。
今やその面影もなく住宅などになっている。
ちなみに今年春に歩いた二ケ領用水の開渠の終点辺りになる。
いろいろな時代のいろいろな遺構がクロスして、その土地に歴史あり!そんなことを思いながら、この本に出会えて本当によかった!