佐藤愛子著。
先月、草笛光子さん主演の「九十歳。何がめでたい」が映画上映されました。
その原作は、佐藤さんの2冊の本だとも知りました。
原作を読んでみたいなー、とは思うものの、映画公開直後なので図書館での貸出は順番待ち。
エイヤッ、と本を購入してみました。
だいたい予想通りの内容ではあったものの、驚くのは後期高齢者になった著者が怒りを持ち続けていること。
体力、気力が満ちているなぁ、凄いなぁって。
私なんて著者の半分程しか生きていないけれど、諦念の塊。
とてもじゃあないけれど、著者程の長生きは望めないし、望んでいません。
怒りなんて高カロリーな感情を保って生きづけるなんて、とても、とても。
本書では、前書より8歳年齢を重ねて、以前ほどの怒りを持てないと嘆いていらっしゃいます。
え?これで嘆く程のことなの?
いやぁ、私なんて現状で98歳に負けているなぁ。これじゃあ、私は還暦を迎えられないンじゃあないかなー、この身の上を嘆くしかない感情さえ生まれてきます。
そして現在、祖母に「九十歳。何がめでたい」を貸しています。
祖母より年上の著者のエッセイを、祖母はどう読み解くでしょうか?
私は読んだところで、自分の諦念を改めることはないし、いずれ迎える最期は穏便でいたいし、忘れ去られる権利を発動したいものです。